「シミ取りレーザーで、かえってシミが濃くなった気がする…」
「施術前よりも跡が目立つようになってしまったらどうしよう…」
シミ取りレーザー治療は、気になるシミを短期間で除去できる魅力的な方法である一方で、「失敗したらどうしよう」という不安を抱えている方も少なくありません。
インターネット上では、「シミ取りレーザーに失敗した」という声を見かけることもあり、治療に踏み切るのを躊躇してしまうかもしれません。
美容クリニックで13年間勤務し、多くの患者様のお悩みに向き合ってきた私、誠は、シミ取りレーザー後の肌の変化に不安を感じる方々をたくさん見てきました。
中には「失敗した」と感じている方もいらっしゃいます。
しかし、その多くは適切な知識とケアで改善できる一時的な状態だったり、事前に知っていれば防げたトラブルだったりします。
今回の記事では、
シミ取りレーザー後に「失敗した」と感じる主な原因
それぞれの具体的な対処法
をわかりやすく解説します。
さらに、万が一の際に知っておきたいクリニックの保証制度についても触れていきます。
あなたがシミ取りレーザー治療で後悔することなく、理想の肌を手に入れるための「全知識」を包み隠さずお伝えします。
シミ取りレーザーで「失敗した」と感じる主な原因
シミ取りレーザー後に「失敗した」と感じる主なケースは、以下の3つが挙げられます。
しかし、これらは必ずしも「失敗」ではありません。
一時的な反応であったり、適切な対処で改善が見込めたりする場合があります。
シミが濃くなった(炎症後色素沈着)
- どんな状態? レーザー照射後、かさぶたが剥がれた後に、シミがあった部分が施術前よりも茶色く濃くなったように見える状態です。
- なぜ起こる? これは、レーザーによる刺激で肌が一時的に炎症を起こし、その結果としてメラニン色素が過剰に生成されてしまう**「炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」**という現象です。特に日本人を含むアジア人の肌に比較的多く見られる反応で、レーザー治療後の正常な経過の一つと考えられます。
- 失敗なの? 多くの場合、失敗ではありません。 個人差はありますが、通常は数ヶ月から1年程度で自然に薄れていくことが多いです。適切なケアをすれば、この期間を短縮することも可能です。
- 主な原因:
- レーザーの出力が強すぎた、あるいは弱すぎた
- 治療後の紫外線対策が不十分だった
- 肌への摩擦や刺激が多かった
- 体質的なもの(色素沈着しやすい肌質)
- 肝斑に適切なレーザーが照射されなかった(悪化のリスク)
- シミ取りレーザーの種類の記事も参考にしてください。
シミがあった部分が白くなった(脱色素斑)
- どんな状態? シミがあった部分の皮膚が、周囲の肌よりも白く抜けてしまう状態です。
- なぜ起こる? レーザーの出力が強すぎたり、同じ場所に繰り返し照射しすぎたりすることで、メラニン色素を作る細胞(メラノサイト)が過剰に破壊され、色素が完全に失われてしまうことが原因です。
- 失敗なの? 改善が非常に難しい、あるいは困難な「失敗」と判断されるケースです。 一度できてしまうと、自然に治ることは稀で、治療法も限られます。
- 主な原因:
- 医師の経験不足や誤った出力設定
- 色素細胞の過剰な破壊
シミがあった部分が凹んだ、または凸凹になった(瘢痕形成)
- どんな状態? シミがあった部分が、クレーターのように凹んだり、周囲の肌と比べて質感が異なったり、盛り上がったりする状態です。
- なぜ起こる? レーザーの出力が強すぎて皮膚の深い部分までダメージが及んだり、電気メスや切開手術で組織を過剰に切除したりした場合に起こりえます。傷跡が不自然に盛り上がる「肥厚性瘢痕」や「ケロイド」になる体質の方もいます。
- 失敗なの? 改善に時間がかかる、あるいは完全な改善が難しい「失敗」と判断されるケースです。
- 主な原因:
- 医師の技術不足や不適切な施術方法の選択
- 体質(ケロイド体質など)

「失敗したかも?」と感じた時の対処法
もしシミ取りレーザー後に「失敗したかも?」と感じたら、まずは冷静になりましょう。
以下のステップで対処しましょう。
ステップ1: 施術を受けたクリニックにすぐに相談する
これが最も重要なステップです。施術を受けたクリニックの医師に、肌の状態を説明し、診察してもらいましょう。
カウンセラーに相談しても無意味です。(通常の経過ですと言われても、医師の診察を希望と伝えましょう。)
必ず、医師の診察を受けてください。
- いつ相談する?
- 色素沈着がひどい、予定より長引いていると感じる場合。
- 白抜け、凹み、不自然な盛り上がりが現れた場合。
- 激しい痛み、腫れ、発熱など異常を感じた場合。
- 何を確認する?
- 現在の肌の状態が正常な経過なのか、トラブルなのか。
- その肌の状態に対する今後の見通しと具体的な治療計画(追加治療、薬の処方など)。
- 追加費用が発生するか、保証制度が適用されるか。
【誠からのメッセージ】
多くの場合、炎症後色素沈着であれば、適切なケアと時間で改善が見込めます。
しかし、自己判断せずに必ずクリニックに相談してください。
早期に相談することで、適切なケアを受けられます。
回復を早めることができます。
ステップ2: 医師の指示に従い、適切なホームケアを徹底する
クリニックから処方された薬や推奨されたスキンケア用品を正しく使用しましょう。
以下のケアを徹底しましょう。
- 徹底した紫外線対策: 最も重要です。日焼け止め(SPF50 PA++++推奨)、帽子、日傘などで、物理的・化学的に紫外線を完全にブロックしましょう。新しい皮膚は非常に敏感で、少しの紫外線でも色素沈着を悪化させる可能性があります。
- 保湿ケア: 肌のバリア機能を高めるために、十分な保湿を心がけましょう。
- 摩擦を避ける: 洗顔やスキンケア、メイクの際など、患部を強く擦らないように優しく触れてください。
- 推奨される外用薬・内服薬:
- 炎症後色素沈着の場合: ハイドロキノン(美白剤)、トレチノイン(ターンオーバー促進)、トラネキサム酸・ビタミンC(内服薬)などが処方されることがあります。
ステップ3: セカンドオピニオンを検討する
もし、
- 施術を受けたクリニックの説明に納得がいかなかった
- 診察をしてもらえなかったなど、対応に不信感を感じた
こんな場合は、他の美容皮膚科や形成外科でセカンドオピニオンを求めることを検討しましょう。
- 複数の医師の意見を聞くことで、客観的な判断材料が増えます。より納得のいく治療方針を見つけられる可能性があります。
- 別のクリニックを受診する際は、元のクリニックでの治療内容や経過を詳しく伝えられるよう準備しておきましょう。
分かりやすいのは、施術前から直後、帰宅後、1週間後など、時間経過でわかる写真を用意しておくことをおすすめします。
まずは、証拠を残しましょう。
クリニックの「保証制度」について知っておくべきこと
万が一シミ取りレーザーでトラブルが発生した場合に備えましょう。
事前にクリニックの「保証制度」について確認しておくことが非常に重要です。
保証制度とは?
多くのクリニックでは、シミ取りレーザー後に万が一
- 「色素沈着が改善しない」
- 「再発した」
などの問題が生じた場合に、追加費用なしで再治療や診察を行うといった保証制度を設けているクリニックが稀にあります。
確認すべきポイント
- 保証の対象期間: 「施術後〇ヶ月以内」など、保証が適用される期間が定められているか。
- 保証の対象となる症状: どのような状態になった場合に保証が適用されるのか(例:炎症後色素沈着が〇ヶ月以上改善しない場合、再発した場合など)。
- 保証の適用条件: 指示されたケア(紫外線対策など)を怠った場合は適用外となるか、追加費用は一切かからないのか、など。
- 返金制度の有無: 極めて稀ですが、治療に起因する重大な失敗と認められた場合に、返金制度があるかどうかも確認しておくと安心です。
カウンセリング時に、これらの保証制度について書面で提示してもらいましょう。
口頭説明は鵜呑みにしてはいけません。
不明な点は納得いくまで質問しましょう。
書面がない場合は、信用せずに一度考えましょう。
【誠からのメッセージ】
保証制度は、クリニックが自身の技術とアフターフォローに自信を持っている証でもあります。
事前にしっかり確認することで、万が一の不安を軽減しましょう。
安心して治療に臨むことができます。

説明の際にも、肌質などのデータをパソコン上で見せてくれたり、シミュレーション画像を見せてくれるなど、「データ付き」の説明を求めましょう。
データがないままでは、何を根拠としているのか曖昧になってしまいます。
言った言わないのトラブルにならないように、録音やさまざまな方法で自分を守る準備を整えてください。
シミ取りレーザーで後悔しないための予防策
「失敗したかも?」という状況を避けるためには、事前の準備と治療中の心構えが大切です。
- 信頼できるクリニック選び:
- 医師の経験と実績が豊富で、シミの種類を正確に診断できるクリニックを選びましょう。
- 料金体系が透明で、アフターケアや保証制度が明確なクリニックを選びましょう。
- ほくろ・シミ除去のクリニック選びで後悔しないための全知識の記事も参考にしてください。
- 徹底したカウンセリング:
- 自分のシミの種類や肌質、ライフスタイルなどを医師に詳しく伝えましょう。
- 予想される効果、痛み、ダウンタイム、起こりうるリスクについて、納得いくまで医師から直接説明を受けてください。不明な点も医師に直接質問しましょう。
- 治療後のケアを徹底する:
- クリニックから指示された軟膏や保護テープの使用、紫外線対策、保湿ケアを怠らないことが、トラブルを最小限に抑え、良好な結果に繋がります。
- 過度な期待をしない:
- シミ取りレーザーは万能ではありません。シミの種類や深さによっては、複数回の治療が必要であったり、完全に消えるのではなく薄くなるに留まる場合もあります。現実的な効果を理解しておくことが大切です。
「失敗」ではなく「経過」と捉え、前向きにケアを
シミ取りレーザー後に「失敗した」と感じる肌の変化は、多くの場合、適切な知識とケアで乗り越えられる一時的な「経過」であることがほとんどです。
大切なのは、一人で抱え込まず、すぐに施術を受けたクリニックに相談しましょう。
必ずメールやLINE、電話で納得するのではなく、医師の診察を受けてください。
その上で、指示に従って適切なケアを続けることです。
この記事で解説した情報を活用し、万が一の事態にも冷静に対処できるよう準備しておきましょう。
そして、何よりも、信頼できるクリニックを選びましょう。
施術前の医師からのカウンセリングで疑問や不安をすべて解消しておくことが、シミ取りレーザーで後悔しないための最も重要な予防策です。
もし、シミ取りレーザー後の経過やトラブルについて、まだ不安や疑問が残っているなら、いつでもHow-to-Lにご相談ください。美容現場経験者である誠が、あなたの「キレイになりたい」という想いを、知識と経験で全力でサポートします。
あなたの肌と心が、より一層輝く未来を心から応援しています。