顔や体にできたシミを「レーザーでキレイにしたい!」
そう願う一方で、「もし跡が残ってしまったらどうしよう…」という不安を抱いている方は非常に多いのではないでしょうか。
シミ取りレーザーは高い効果が期待できる治療です。
しかし、残念ながら施術後に一時的、あるいはまれに長期的に「跡」が残ってしまうケースも存在します。
美容クリニックで13年間勤務しました。
多くの患者様のお悩みに向き合ってきた私、誠は、シミ取りレーザー後の「跡」に関する患者様の不安をよく理解しています。
この不安を解消したいと思い、記事を執筆しております。
安心して治療に臨むためには、
- 跡が残る「原因」
- それを「防ぐ方法」
- そして「万が一残ってしまった場合の対処法」
を事前に知っておくことが非常に重要です。
今回の記事では、シミ取りレーザー後に「跡が残る」と言われる主な理由である
- 炎症後色素沈着
- 白抜け(脱色素斑)
- 凹みや瘢痕
について、その原因、予防策、そして万が一跡が残ってしまった場合の具体的な対処法まで、包み隠さず徹底的に解説します。
あなたがシミ取りレーザーで「やってよかった!」と心から思えるよう、そのための「全知識」を包み隠さずお伝えします。
シミ取りレーザー後の跡:主な種類と原因
シミ取りレーザー後の「跡」と一口に言っても、いくつかの種類があります。
それぞれの特徴と原因を理解することが、適切な予防や対処につながります。
炎症後色素沈着(PIH)
- どんな跡?: レーザー照射後、一度シミが薄くなった、あるいは消えたように見えた後に、治療部位が一時的に以前より茶色く濃くなる状態。
- 原因: レーザーの熱刺激によって肌が軽いやけどのような炎症を起こし、その炎症反応によってメラニンを過剰に作り出す細胞(メラノサイト)が活性化されるため。日本人を含むアジア人に比較的多く見られます。
- 特徴:
- 施術後1週間〜1ヶ月頃に現れることが多い。
- 通常は数ヶ月〜1年程度で自然に薄れていくことがほとんど。
- 紫外線対策を怠ったり、患部を刺激したりすると悪化しやすい。
- 誠からのメッセージ: 炎症後色素沈着は「失敗」ではありません。多くの場合、治療経過の一部として起こりうるものです。適切なケアで改善します。焦らず、医師の指示に従いましょう。
白抜け(脱色素斑)
- どんな跡?: シミがあった部分の皮膚が、周りの肌よりも白く抜けてしまう状態。
- 原因: レーザーの出力が強すぎた、または同じ部位に繰り返し過剰に照射されたことで、メラニンを作る細胞(メラノサイト)が破壊されすぎてしまうため。
- 特徴:
- シミの色素がないため、白い斑点として目立つ。
- 一度できてしまうと、自然に治るのが難しい場合が多い。
- 日焼けすると周りの肌が褐色になり、白抜けした部分とのコントラストが強まり、より目立つことがあります。
凹みや瘢痕(はんこん)
- どんな跡?: シミがあった部分の皮膚が、わずかに凹んでしまったり、硬いしこり(瘢痕)になったりする状態。
- 原因: レーザーの出力が強すぎたり、深い部分まで熱が加わりすぎたりすることで、皮膚の組織が過度に損傷を受けてしまうため。
- 特徴:
- クレーター状の凹みや、触ると硬いしこりとして感じられる。
- まれなケースですが、一度できてしまうと完全に治すのが難しい場合が多い。
- 特に、シミとほくろの境界が曖昧な場合や、深いシミを無理に除去しようとした場合にリスクが高まることがあります。
- ほくろ除去 後悔の記事でも解説していますが、ほくろ除去でよく見られるリスクでもあります。

シミ取りレーザー後に「跡」を残さないために
シミ取りレーザーで「跡」を残さないためには、施術前後の適切な対策が非常に重要です。
クリニック選びと医師とのコミュニケーション
- 信頼できるクリニックと経験豊富な医師を選ぶ:
- シミの種類を正確に診断し、適切なレーザー機器と出力設定を選べる専門医(皮膚科専門医や形成外科専門医)がいるクリニックを選びましょう。
- カウンセリングで、メリットだけでなくデメリットやリスク、起こりうる跡の種類とその対処法について、詳しく説明してくれる医師を選びましょう。
- シミ取りレーザー クリニック選びの記事も参考にしてください。
- 自分のシミの種類を理解する:
- 肝斑など、不適切なレーザー照射で悪化する可能性のあるシミもあります。医師の診断をしっかり聞き、自分のシミの種類と治療法を理解しましょう。
- シミ取りレーザーの種類も参考にしてください。
- 肌の状態を医師に正確に伝える:
- アトピー性皮膚炎など肌に持病がある場合や、過去の美容医療の経験などを正確に伝えましょう。
施術後の対策:徹底したケアと注意点

これは「跡」を残さないための最も重要な対策です。
- 徹底した紫外線対策:
- レーザー後の肌は非常にデリケートで、紫外線の影響を強く受けます。炎症後色素沈着を防ぐため、日焼け止め(SPF50 PA++++推奨)を毎日使用し、帽子、日傘、マスクなどで物理的に紫外線を避ける工夫を徹底しましょう。これは、治療の成功を左右する最も重要なポイントです。
- 少しの外出でも紫外線対策を怠らないことが重要です。
- 指示された保護テープや軟膏の使用:
- クリニックから保護テープや軟膏の使用を指示された場合は、医師の指示通りに、決められた期間、正確に使用しましょう。これにより、外部からの刺激を防ぎ、治癒を促進します。
- 保湿ケアの徹底:
- レーザー後の肌は乾燥しやすくなっています。高保湿の化粧品でしっかりと保湿することで、肌のバリア機能を保ち、健やかな肌の再生を促します。
- 摩擦や刺激を避ける:
- 洗顔やスキンケアの際は、治療部位をゴシゴシ擦らず、優しく触れるようにしましょう。ピーリングやスクラブ、マッサージなども、医師の許可が出るまでは避けてください。
- 処方薬の内服・外用:
- 色素沈着予防のために、トラネキサム酸やビタミンCなどの内服薬、ハイドロキノンなどの外用薬が処方されることがあります。これらを医師の指示通りに服用・使用することで、炎症後色素沈着のリスクを減らすことができます。
- シミ取りレーザー Q&Aも参考にしてください。
万が一「跡」が残ってしまった場合の対処法
万が一、シミ取りレーザー後に跡が残ってしまった場合でも、諦める必要はありません。
適切な対処法があります。
施術を受けたクリニックに相談する
最も重要なのは、まず施術を受けたクリニックに相談することです。
医師はあなたの肌の状態を把握しており、最適なアドバイスや追加治療を提案してくれます。
- 色素沈着がひどい場合
- 白抜け、凹みが気になる場合
など、遠慮せずに相談しましょう。
炎症後色素沈着の場合
- 多くの場合、時間とともに自然に薄れていきます。
- ハイドロキノンなどの美白剤(外用薬)や、トラネキサム酸などの内服薬を処方してもらうことで、改善を早めることができます。
- 状態によっては、レーザートーニングなど、炎症後色素沈着に効果的な治療を追加で提案されることもあります。
白抜け(脱色素斑)の場合
- 一度白抜けしてしまったメラノサイトの機能回復は難しく、完全に元に戻すのは難しいとされています。
- ただし、一部のクリニックでは、ごく弱いレーザー照射や、色素細胞の移植といった専門的な治療を提案することもあります。
凹みや瘢痕の場合
- 完全に平らにするのは難しいですが、フラクショナルレーザーやPRP療法、サブシジョンといった治療法で、目立ちにくくする改善策が検討されることがあります。
- 医師と相談し、状態に合わせた最適な治療法を検討しましょう。
【誠からのメッセージ】 「跡が残ってしまった…」と一人で悩まず、まずはクリニックに相談してください。
早期に対応することで、改善の可能性が高まります。
また、セルフケアで無理に刺激を与えたり、自己判断で市販薬を使用したりするのは避けましょう。
【外部サイト参考】 日本形成外科学会や日本美容皮膚科学会のウェブサイトでは、美容医療に関する専門的な情報や、医療トラブルに関する相談窓口の情報が提供されています。
もしクリニックとの連携が難しいと感じる場合は、これらの公的機関に相談することも検討しましょう。
「跡」への不安を解消しましょう
シミ取りレーザー後の「跡」に関する不安は、治療をためらう大きな要因の一つです。
しかし、その原因を正しく理解し、適切な予防策を講じましょう。
そして万が一の対処法を知っておくことで、多くの「跡」は最小限に抑えるか、改善へと導くことができます。
大切なのは、信頼できるクリニックで、経験豊富な医師による正確な診断と施術を受けること。
そして指示された術後のケアを徹底することです。
これらの知識と準備があれば、あなたは安心してシミ取りレーザー治療に臨み、「跡」への不安を解消して、理想のクリアな肌を手に入れることができるでしょう。
もし、シミ取りレーザー後の「跡」について、まだ不安や疑問が残っているなら、いつでもHow-to-Lにご相談ください。
美容外科・美容皮膚科で勤めてきた誠が、あなたの「キレイになりたい」という想いを、知識と経験で全力でサポートします。