「ゲーミングPCを組むなら、どのマザーボードがいいんだろう?」
「種類が多すぎて、自分に合ったマザーボードが分からない…」
「結局、高いマザーボードじゃないとダメなの?」
ゲーミングPCの購入や自作を考えているあなたにとって、CPUやグラフィックボード(グラボ)の次に悩むのが、マザーボードではないでしょうか。
派手さがない地味なパーツに見えますが、実はPC全体の性能を引き出し、安定した動作を支える、まさに「縁の下の力持ち」。
ゲーミングPCの基盤となる非常に重要な部品なんです。
私も初めてゲーミングPCを組んだ時、このマザーボード選びでかなり時間を費やしました。
CPUとグラボに予算を使いすぎて、マザーボードを安く済ませて失敗した友人の話を聞いたり、逆に高機能すぎてオーバースペックなものを買ってしまうんじゃないかと不安になったり…。
そんな試行錯誤を経て、「自分にとって最適なマザーボードとは何か」を深く考えるようになりました。
マザーボードは、PCのCPU、メモリ、グラフィックボード、ストレージなど、すべての主要パーツを接続し、互いに通信させるための司令塔のような存在です。
この司令塔の性能や機能が不足していると、どんなに高性能なCPUやグラボを積んでも、その真価を発揮できません。
例えば、電源供給が不安定だったり、高速なデータ転送に対応していなかったりすると、ゲーム中にカクついたり、ロード時間が長くなったりといった問題が発生する可能性があります。
今回の記事では、そんなマザーボード選びで後悔しないために、2025年最新の情報と、私が実際にゲーミングPCを組んで使用した経験に基づき、以下の内容を徹底的に解説します。
- ゲーミングマザーボード選びの基本と重要ポイント
- Intel CPU向け・AMD Ryzen向けそれぞれのおすすめマザーボードランキング
- 人気メーカー(ASUS、MSI、GIGABYTE、ASRock)の特徴と選び方
- マザーボード選びでよくある疑問と注意点
この記事を読み終える頃には、あなたはもうマザーボード選びで迷うことはありません。
自分にとって最適なマザーボードを見つけ、最高のゲーミングライフをスタートさせましょう!
ゲーミングマザーボード選びの基本
ゲーミングPCに最適なマザーボードを選ぶためには、いくつかの基本的な知識と重要なポイントを押さえる必要があります。
CPUソケットとチップセットの互換性
マザーボード選びで最も重要なのは、搭載するCPUとの互換性です。
CPUのソケット形状とマザーボードのソケット、そしてチップセットが対応しているかを確認しましょう。
Intel CPU向けマザーボード

現在のIntel製CPU(Core iシリーズ第12世代以降)は、主にLGA 1700ソケットを採用しています。
これに対応するチップセットは以下の通りです。
- Zシリーズ(Z790など): ハイエンド向け。CPUとメモリのオーバークロックが可能で、最も高い拡張性と機能性を備えています。高性能CPUと組み合わせるゲーマーにおすすめです。
- Bシリーズ(B760など): ミドルレンジ向け。コストパフォーマンスに優れ、多くのゲーマーにとって十分な機能を提供します。CPUのオーバークロックはできませんが、メモリのオーバークロックは可能です。
- Hシリーズ(H610, H770など): エントリー~ミドルレンジ向け。必要最低限の機能を備え、安定性を重視します。オーバークロックには対応しません。
AMD Ryzen向けマザーボード

AMD Ryzen 7000シリーズ以降のCPUは、AM5ソケットを採用しています。
これに対応するチップセットは以下の通りです。
- Xシリーズ(X670Eなど): ハイエンド向け。CPUとメモリのオーバークロックに強く、PCI Express 5.0レーンも豊富に備えています。最高の性能と拡張性を求めるゲーマーにおすすめです。
- Bシリーズ(B650E, B650など): ミドルレンジ向け。多くのゲーマーにおすすめのバランスの取れたモデル。オーバークロックも一部可能です。
- Aシリーズ(A620など): エントリー向け。必要最低限の機能に絞られており、最も安価です。オーバークロックには対応しません。
フォームファクタ(サイズ)で選ぶ
マザーボードのサイズは、PCケースの選択と密接に関わります。
設置スペースや拡張性を考慮して選びましょう。
ATX

最も標準的なサイズで、自作PCやゲーミングPCで広く使われます。
拡張スロットやポートが豊富で、大型グラフィックボードや複数のストレージを搭載するのに適しています。
ミドルタワーやフルタワーのPCケースに対応します。
Micro-ATX(microATX)

ATXより一回り小さいサイズです。
拡張スロット数はATXより少なくなりますが、コンパクトなPCケースにも収まりやすく、バランスの取れた選択肢です。
ミニタワーや一部のミドルタワーケースに対応します。
Mini-ITX(mini-ITX)

最も小さいサイズで、非常にコンパクトなゲーミングPCを構築したい場合に選ばれます。
拡張スロットやポートは最小限になりますが、デスク上のスペースを節約できます。
小型キューブ型やスリム型PCケースに対応します。
メモリ(RAM)の規格とスロット数
DDR5とDDR4
現在、メモリにはDDR4とDDR5の2つの規格があります。
- DDR5: 最新のIntel第12世代以降のCore iシリーズCPUや、AMD Ryzen 7000シリーズ以降のCPUはDDR5メモリに対応しています。DDR4よりも高速で、より高い帯域幅を提供します。高性能なゲーミングPCを組むならDDR5対応マザーボードがおすすめです。
- DDR4: 従来のCPUで広く使われていた規格です。DDR5に比べて安価ですが、性能は劣ります。一部のマザーボードはDDR4とDDR5両方に対応するモデルもありますが、基本的にはどちらか一方のみ対応です。CPUに合わせて選ぶ必要があります。
スロット数と最大容量

通常、マザーボードには2本または4本のメモリスロット(DIMMスロット)があります。
スロット数が多いほど、後からメモリを増設しやすくなります。
ゲーミングPCでは、最低16GB、できれば32GB以上のメモリが推奨されるため、将来的なアップグレードを見越して4スロットあると安心です。
また、マザーボードがサポートするメモリの最大容量も確認しておきましょう。
ストレージ接続(M.2スロットとSATAポート)
高速M.2 SSD

ゲームのロード時間を短縮するためには、高速なNVMe SSDが不可欠です。
M.2スロットはNVMe SSDを直接差し込むためのスロットで、PCI Express(PCIe)接続により非常に高速なデータ転送が可能です。
- PCIe 4.0/5.0対応: 最新のグラフィックボードやNVMe SSDはPCIe 5.0に対応しており、対応するM.2スロットがあれば、さらに高速なストレージの性能を最大限に引き出せます。
- M.2スロットの数: 複数のM.2スロットがあると、OS用とゲーム用などでSSDを分けたり、後から容量を増やしたりする際に便利です。少なくとも2つ以上のM.2スロットがあるマザーボードを選ぶのがおすすめです。
SATAポート
従来の2.5インチSSDや3.5インチHDDを接続するためのポートです。
大容量のデータ保存用として利用されます。
M.2 SSDをメインに使う場合でも、バックアップ用やサブストレージとしてHDDなどを増設する可能性があるなら、SATAポートの数も確認しておきましょう。
拡張スロットとポートの種類
PCI Express(PCIe)

スロット グラフィックボードを接続するための主要なスロットです。
通常、マザーボードにはPCIe x16スロットが1つ以上あります。
- PCIe 5.0対応: 最新のマザーボードでは、グラフィックボード用のPCIe x16スロットがPCIe 5.0に対応しているモデルが増えています。将来的に高性能なグラフィックボードにアップグレードする可能性があるなら、PCIe 5.0対応は大きなメリットです。
- その他のPCIeスロット: サウンドカードやキャプチャーボード、ネットワークカードなどの拡張カード用に、PCIe x1やx4スロットも用意されています。
USBポート
キーボード、マウス、ヘッドセット、Webカメラなど、多くの周辺機器を接続するために、USBポートの種類と数も重要です。
- USB 3.2 Gen2x2: 最新の高速USB規格で、最大20Gbpsのデータ転送速度を誇ります。外付けSSDやVRデバイスなどの接続に有利です。
- USB Type-Cヘッダー: PCケースのフロントパネルにUSB Type-Cポートがある場合、マザーボードにその内部ヘッダーが搭載されているか確認しましょう。
電源回路(VRM)と冷却性能

電源回路(VRM)の品質
CPUに安定した電力を供給する「電源回路(VRM)」は、マザーボードの品質を左右する重要な要素です。
高性能なCPUを使うほど、より多くのフェーズ数(電源供給段階)を持つ高品質な電源回路を備えたマザーボードが望ましいです。
フェーズ数が多いほど、電力供給が安定し、CPUの性能を最大限に引き出せます。
特にオーバークロックを行う場合は、堅牢なVRMが必須です。
ヒートシンクの有無とサイズ
VRMやチップセット、M.2 SSDなど、発熱しやすい部分にはヒートシンクが搭載されていることが望ましいです。
ゲーミングマザーボードでは、これらのヒートシンクが大型で効率的に設計されており、熱によるパフォーマンス低下(サーマルスロットリング)を防ぎます。
特にM.2 SSD用のヒートシンクは、高速なNVMe SSDの性能維持に役立ちます。
その他の便利機能
有線LANとWi-Fi

オンラインゲームを快適にプレイするためには、高速で安定したネットワーク接続が不可欠です。
- 有線LAN: ゲーミングPCでは、最も安定した接続を提供するため、ギガビットイーサネット(1GbE)以上の有線LANポートが必須です。一部のハイエンドモデルには、2.5GbEや5GbEといった高速LANポートが搭載されており、より高速な通信が可能です。
- Wi-Fi(無線LAN)とBluetooth: デスクトップPCでは有線LANが基本ですが、配線の都合などでWi-Fi接続が必要な場合は、Wi-Fi 6(802.11ax)や最新のWi-Fi 6Eに対応したマザーボードを選ぶと良いでしょう。Bluetooth機能があれば、ワイヤレスマウス、キーボード、ヘッドセットなどを接続するのに便利です。
オーディオ機能
マザーボードに内蔵されているオンボードオーディオチップの品質も、ゲームのサウンド体験に影響します。
多くのゲーミングマザーボードは、より高音質なオーディオチップや、ノイズ低減技術を採用しています。
RGBライティング

ゲーミングマザーボードの多くは、ヒートシンクやI/OカバーにRGB LEDが搭載され、ソフトウェアで発光パターンや色をカスタマイズできます。
他のRGB対応パーツと同期させることで、PC全体で統一感のあるライティングを楽しめます。
BIOS Flashbackなどの便利機能
一部のマザーボードには、CPUやメモリを搭載しなくてもUSBメモリからBIOS(UEFI)をアップデートできる「BIOS Flashback」などの機能があります。
これは、新しいCPUを搭載する際に、マザーボードのBIOSが対応していない場合に非常に役立ちます。
【2025年版】おすすめのマザーボードランキング
ここでは、2025年最新の情報に基づいて、ゲーミングPCにおすすめのマザーボードを、CPUメーカー別にランキング形式で紹介します。
各モデルの価格帯や主要な特徴を分かりやすく解説するので、あなたの予算や求める性能に合った一枚を見つける参考にしてください。
ランキング選定基準

- 性能と価格のバランス: コストパフォーマンスに優れ、多くのゲーマーにとって満足度の高いモデル。
- 安定性と耐久性: 高負荷のゲーミング環境に耐えうる堅牢な電源回路と冷却性能。
- 拡張性と将来性: 最新規格(DDR5、PCIe 5.0、高速M.2など)への対応や、十分なスロット・ポート数。
- 人気とレビュー: ユーザーからの評価が高く、売れ筋となっているモデル。
- 機能性: Wi-Fi 6/6E、高速LAN、高音質オーディオ、デバッグ機能など、ゲーマーに嬉しい機能。
Intel CPU向けおすすめマザーボード
Intel Core iシリーズ(第12世代、第13世代、第14世代など)を搭載するゲーミングPC向けのおすすめマザーボードを紹介します。
ハイエンド向け:最高のパフォーマンスを求めるあなたへ
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO

特徴
Intel Z790チップセットを搭載したASUSのフラッグシップモデルの一つ。
- 堅牢な電源回路
- 優れた冷却性能
- 豊富な接続ポート
- 最新のPCIe 5.0対応M.2スロット
などを備え、CPUやメモリのオーバークロックを最大限に引き出します。
デザイン性も高く、RGBライティングも充実。
こんな人におすすめ
Core i9などの最上位CPUを搭載し、最高のゲーム体験とオーバークロックを楽しみたいエンスージアストゲーマー、クリエイター。
価格帯
高価格帯
MSI MPG Z790 CARBON WIFI
- 特徴: Intel Z790チップセットを搭載したMSIのMPGシリーズのハイエンドモデル。19+1+1フェーズの強力な電源回路と大型ヒートシンクにより、Core i9などの高性能CPUの安定動作とオーバークロックをサポート。Wi-Fi 6E、2.5G LAN、豊富なM.2スロットなど、機能性も抜群です。
- こんな人におすすめ: 高性能CPUを安定して動かしたいゲーマー、見た目にもこだわりたいユーザー。
- 価格帯: やや高価格帯
- 画像スラッグ:
msi-mpg-z790-carbon-wifi
- スクリプト文(日本語): MSI MPG Z790 CARBON WIFI マザーボードの画像。堅牢な電源回路と冷却ソリューションを強調。
- 代替テキスト: MSI MPG Z790 CARBON WIFI
- キャプション: MSI MPG Z790 CARBON WIFIでゲーミングPCを最高の安定性で!
- 説明文: MSI MPG Z790 CARBON WIFIマザーボードが写されており、特にCPUソケット周辺の堅牢な電源回路(VRM)部分と、大型で効率的なヒートシンクが強調されています。ボード全体のカーボン調のデザインも特徴です。
ミドルレンジ向け:バランス重視のゲーマーに
GIGABYTE Z790 AORUS ELITE AX

特徴
Intel Z790チップセット搭載ながら、比較的リーズナブルな価格で優れた性能と機能を提供する人気モデル。
- 16+1+2フェーズの電源回路と大型ヒートシンク
- Wi-Fi 6E
- 2.5G LAN
- 多数のM.2スロット
など、ゲーミングに十分なスペックを備えています。
こんな人におすすめ
Core i7やCore i5などのミドル~ハイエンドCPUと組み合わせ、コストを抑えつつ高性能なゲーミングPCを構築したいゲーマー。
価格帯
中価格帯
ASUS TUF GAMING B760-PLUS WIFI D4

特徴
Intel B760チップセットを搭載したTUF GamingシリーズのATXマザーボード。
ミリタリーグレードの部品を採用し、高い耐久性と安定性が特徴です。
DDR4メモリ対応のため、DDR4メモリ資産を活かしたい場合や、コストを抑えたい場合に最適。
Wi-Fi 6、2.5G LANも搭載。
こんな人におすすめ
耐久性を重視し、コストを抑えつつも安定したゲーミングPCを組みたいゲーマー。
DDR4メモリを使用したい場合。
価格帯
中~低価格帯
コスト重視向け:初めてのゲーミングPCに
ASRock B760M Steel Legend WiFi

特徴
Intel B760チップセットを搭載したMicro-ATXマザーボード。
Steel Legendシリーズらしいシルバー基調のデザインが特徴で、この価格帯ながら堅実な電源回路とWi-Fi 6E、2.5G LANを搭載。
コスパに優れた選択肢です。
こんな人におすすめ
コンパクトなゲーミングPCを組みたい、初めての自作PCでコスパを重視したいゲーマー。
価格帯
低価格帯
MSI PRO B760M-A WIFI

特徴
Intel B760チップセット搭載のMicro-ATXマザーボード。ゲーミング向けではないPROシリーズですが、十分な機能と安定性を備え、価格を抑えたいゲーマーにもおすすめです。
Wi-Fi 6E、2.5G LAN、複数のM.2スロットなど、実用的な機能が充実しています。
こんな人におすすめ
コストを徹底的に抑えたいが、安定性や必要な機能は妥協したくないゲーマー。
ビジネス用途にも。
価格帯
低価格帯
AMD Ryzen向けおすすめマザーボード
AMD Ryzen CPU(Ryzen 7000シリーズ以降)を搭載するゲーミングPC向けのおすすめマザーボードを紹介します。
ハイエンド向け:最高のパフォーマンスを求めるあなたへ

GIGABYTE X670E AORUS MASTER
特徴
AMD X670Eチップセットを搭載したGIGABYTEのハイエンドモデル。
Ryzen 7000/8000/9000シリーズCPUの性能を最大限に引き出す堅牢な電源回路と冷却機構、PCIe 5.0対応のグラフィックボードスロットとM.2スロットを複数搭載。
Wi-Fi 6E、2.5G LANも完備。
こんな人におすすめ
Ryzen 9などの最上位CPUを搭載し、最高のゲーム体験とオーバークロック、将来的な拡張性を求めるエンスージアストゲーマー、クリエイター。
価格帯
高価格帯
ASUS ROG CROSSHAIR X670E HERO

特徴
AMD X670Eチップセット搭載のASUS ROGシリーズのハイエンドモデル。
- 強力な電源回路
- 優れた冷却ソリューション
- 豊富なUSBポート(Thunderbolt 4対応モデルもあり)
- Wi-Fi 6E
- 2.5G LAN
- 複数のPCIe 5.0対応M.2スロット
など、文句なしのスペック。
こんな人におすすめ
Ryzen 9やRyzen 7 X3Dなどの高性能CPUと組み合わせ、妥協のない最高峰のゲーミング環境を構築したいユーザー。
価格帯
高価格帯
ミドルレンジ向け:バランス重視のゲーマーに
MSI MAG B650 TOMAHAWK WIFI

特徴
AMD B650チップセットを搭載したMSIのMAGシリーズの人気モデル。
堅実な電源回路と大型ヒートシンクにより、Ryzen 7/5などのミドルレンジCPUの性能をしっかり引き出します。
Wi-Fi 6E、2.5G LAN、複数のM.2スロットなど、ゲーマーに嬉しい機能も充実。
こんな人におすすめ
コストを抑えつつも、RyzenミドルレンジCPUで安定したゲーミングPCを構築したいゲーマー。
価格帯
中価格帯
ASRock B650 Steel Legend WiFi

特徴
AMD B650チップセット搭載のASRock Steel Legendシリーズ。
シルバーと白を基調としたユニークなデザインが特徴で、堅実な電源回路、Wi-Fi 6E、2.5G LAN、複数のM.2スロットを搭載。
コストパフォーマンスに優れた選択肢です。
こんな人におすすめ
デザイン性も重視しつつ、RyzenミドルレンジCPUでコスパの良いゲーミングPCを組みたいゲーマー。
価格帯
中~低価格帯
コスト重視向け:初めてのゲーミングPCに
GIGABYTE B650M DS3H

特徴
AMD B650チップセットを搭載したMicro-ATXマザーボード。
ゲーミングモデルではないものの、必要最低限の機能と安定性を備え、Ryzen 5などのCPUと組み合わせてコストを抑えたい場合に適しています。
DDR5メモリ対応で、将来的なアップグレードの余地も残されています。
こんな人におすすめ
とにかく予算を抑えてRyzen搭載のゲーミングPCを組みたい、初めての自作PCに挑戦したいゲーマー。
価格帯
低価格帯
ASUS PRIME B650M-A WIFI II

特徴
AMD B650チップセットを搭載したMicro-ATXマザーボード。
ASUSのPRIMEシリーズは安定性と信頼性が高く、Wi-Fi 6、2.5G LANも搭載。
堅実な構成で、幅広い用途に対応できるバランスの取れたモデルです。
こんな人におすすめ
安定した動作を重視し、コストを抑えつつRyzen搭載ゲーミングPCを組みたいゲーマー。
価格帯
低価格帯
マザーボード選びで失敗しないためのQ&A
ゲーミングマザーボード選びに関して、よくある疑問にお答えします。
Q1: マザーボードは高いほどいいの?

A1: 必ずしも「高い=良い」というわけではありませんが、ゲーミングPCにおいては価格と性能のバランスが重要です。
マザーボードの価格は、
- チップセットのグレード
- 電源回路の品質
- 搭載機能(Wi-Fi、LANポートの種類、USBポートの種類と数)
- 拡張スロットの数
- 冷却性能(ヒートシンクの有無やサイズ)
- ブランドの価値
などによって決まります。
例えば、オーバークロックをしない、将来的なパーツの追加もあまり考えていない、といった場合は、必要以上に高価なハイエンドモデルを選ぶ必要はありません。
ミドルレンジのBシリーズチップセットのマザーボードでも、多くのゲーマーにとって十分な性能と機能を提供します。
しかし、CPUとグラフィックボードがハイスペックな場合は、それらの性能を最大限に引き出すために、電源回路が堅牢で冷却性能の高いマザーボードを選ぶことが非常に重要です。
この場合、安価なマザーボードでは性能が頭打ちになったり、安定性が損なわれたりする可能性があります。
自分の使用目的、搭載するCPUとグラボのグレード、そして予算を考慮し、最もバランスの取れたマザーボードを選ぶことが失敗しないためのポイントです。
Q2: 自作PC初心者でも取り付けできる?

A2: 手順をしっかり守れば初心者でも取り付け可能ですが、慎重な作業が求められます。
マザーボードの取り付け自体は、PCケースにネジで固定するだけなので、それほど難しい作業ではありません。
しかし、
- CPUの装着
- CPUクーラーの取り付け
- メモリの差し込み
- グラフィックボードの装着
- 各種電源ケーブルやフロントパネルケーブルの配線
など、マザーボード周辺の作業は多岐にわたります。
特にCPUのピンは非常にデリケートなので、曲げてしまわないよう細心の注意が必要です。
また、PCケース内の配線は、エアフローや見た目にも影響するため、工夫が必要です。
最近のマザーボードは、初心者でも分かりやすいマニュアルや、Q-LED(デバッグLED)などのトラブルシューティング機能が充実しているものも多いです。
YouTubeなどで組み立て動画を参考にしながら、焦らず慎重に作業を進めれば、あなたにも組み立ては可能です。
もし不安な場合は、PCショップの組み立て代行サービスを利用するのも一つの手です。
Q3: 古いマザーボードで新しいCPUは使える?

A3: 基本的に、CPUソケットとチップセットが対応していなければ使えません。
CPUの世代が変わると、それに合わせてCPUソケットの形状や、マザーボードのチップセットも変更されることがほとんどです。
そのため、古いマザーボードに新しいCPUを搭載しようとしても、物理的にソケットに合わなかったり、チップセットが対応していなかったりするため、使用できません。
ごく稀に、同じソケットを数世代にわたって採用するケース(例: AMDのAM4ソケット)もありますが、その場合でも、新しいCPUに対応するためにはマザーボードのBIOS(UEFI)を最新版にアップデートする必要があることがほとんどです。
CPUなしでBIOSアップデートが可能な「BIOS Flashback」などの機能があるマザーボードを選ぶと、この問題は解決しやすくなります。
CPUとマザーボードはセットで考えるべきパーツなので、必ず互換性を確認してから購入しましょう。
Q4: Wi-Fi機能は必要?

A4: オンラインゲームを主にプレイするなら、有線LANが最も安定しますが、環境によってはWi-Fiも非常に便利です。
ゲーミングPCでは、Ping値の安定性やデータ転送速度の速さから、有線LAN接続が最も推奨されます。
多くのマザーボードにはギガビットイーサネット(1GbE)以上の有線LANポートが搭載されています。
しかし、PCを設置する場所の都合上、有線LANケーブルを引くのが難しい場合や、ケーブルが邪魔になる場合は、Wi-Fi機能が搭載されたマザーボードが非常に便利です。
特にWi-Fi 6やWi-Fi 6Eに対応したモデルであれば、高速かつ安定した無線接続が可能です。
Bluetooth機能も同時に使えるため、ワイヤレスの周辺機器が多い場合は重宝します。
自宅のネットワーク環境やPCの設置場所を考慮して、Wi-Fi機能の有無を検討しましょう。
マザーボードの取り付け方と注意点
マザーボードはPCの基盤となるパーツなので、取り付けは慎重に行う必要があります。
ここでは、自作PC初心者の方でも分かりやすいように、主要な取り付け手順と注意点をお伝えします。
取り付けの基本的な流れ
1. PCケースへのマザーボードの固定

まず、PCケースにマザーボードを固定するためのスペーサーを取り付けます。
ATX、Micro-ATX、Mini-ITXなど、マザーボードのフォームファクタに合わせて適切な位置にスペーサーを立て、その上にマザーボードを置き、ネジで固定します。
2. CPUの装着

CPUソケットのレバーを上げ、CPUの切り欠きとソケットの突起を合わせて、CPUを慎重にソケットに乗せます。
決して無理に押し込まず、自重で自然に収まるようにします。
収まったらレバーを元の位置に戻し、固定します。
3. CPUクーラーの取り付け

CPUの上に熱伝導グリスを塗布し、CPUクーラーを取り付けます。
空冷クーラーの場合は、マザーボードの裏からバックプレートを取り付け、クーラー本体をネジで固定します。
簡易水冷クーラーの場合は、ラジエーターをPCケースに取り付け、ポンプヘッドをCPUに固定します。
4. メモリの装着

メモリスロットのラッチを開き、メモリの切り欠きとスロットの突起を合わせて、カチッと音がするまで両端を均等に押し込みます。
通常、2枚のメモリを使う場合は、デュアルチャネルのために特定の色のスロット(例: 2番目と4番目)に装着します。
5. グラフィックボードの装着

PCI Express x16スロットのロックを開き、グラフィックボードをスロットに差し込み、カチッと音がするまでしっかりと押し込みます。
PCケースの背面I/Oパネルのネジで固定します。
6. ストレージ(M.2 SSD、SATA SSD/HDD)の接続

M.2 SSDは、マザーボード上のM.2スロットに差し込み、ネジで固定します。
SATA SSD/HDDは、SATAケーブルでマザーボードと接続し、電源ケーブルを接続します。
7. 電源ユニットからのケーブル接続

マザーボードのメイン電源(24ピンATX)、CPU電源(8ピンEPS/ATX12V)、グラフィックボードのPCIe電源などを、それぞれ対応するコネクタにしっかりと接続します。
8. ケースファン、フロントパネルなどの配線

- PCケースのファンケーブル
- フロントパネルのUSBポート
- オーディオ端子
- 電源ボタンやリセットボタンのケーブル
を、マザーボードの対応するヘッダーピンに接続します。
これらの配線は細かく、種類も多いので、マザーボードのマニュアルをよく確認しながら行いましょう。
取り付け時の注意点
- 静電気対策: 作業前に、必ずPCケースの金属部分に触れるなどして体の静電気を逃がしましょう。可能であれば静電気防止手袋を着用するとより安心です。
- マニュアルの確認: 各パーツの取り付け方や、マザーボードの各ポート・ヘッダーピンの位置は、必ずマザーボードとPCケースのマニュアルを確認しながら行いましょう。
- 無理に力を加えない: CPUやメモリ、グラフィックボードなどを取り付ける際は、無理に力を加えないようにしましょう。特にCPUのピンは折れやすいので要注意です。
- 配線は綺麗に: 配線がごちゃごちゃしていると、エアフローが悪くなり熱がこもりやすくなります。PCケースの裏配線スペースなどを活用し、できるだけ綺麗にまとめましょう。
- トラブルシューティング: 電源が入らない、画面が映らないなどの問題が発生した場合は、マザーボードのQ-LED(デバッグLED)やPOSTコードディスプレイを確認しましょう。マニュアルにエラーコードの意味が記載されています。
ゲーミングマザーボードに関する最新情報 (2025年)
ゲーミングPCのマザーボードは、常に新しい技術が導入され、進化を続けています。
2025年現在、特に注目すべきトレンドや技術について解説します。
PCI Express 5.0の普及
現在、最新のハイエンドマザーボードでは、グラフィックボードやM.2 SSD向けのPCI Express 5.0(PCIe 5.0)対応スロットの搭載が一般的になっています。
高速化するグラフィックボードとSSD
PCIe 5.0は、従来のPCIe 4.0の2倍の帯域幅を提供します。
これにより、今後登場するさらに高性能なグラフィックボードの性能を最大限に引き出したり、超高速なNVMe SSDのデータ転送速度を向上させたりすることが可能になります。
現時点ではPCIe 4.0対応のグラフィックボードやSSDでも十分な性能を発揮できます。
将来的なアップグレードを見越すなら、PCIe 5.0対応スロットを持つマザーボードを選んでおくと安心です。
DDR5メモリの標準化
より高速なメモリへ
Intelの第12世代以降のCore iシリーズやAMD Ryzen 7000シリーズ以降のCPUでは、より高速なDDR5メモリが採用されています。
DDR5メモリは、DDR4に比べて大幅にデータ転送速度が向上し、ゲームのロード時間短縮や、高フレームレートでの安定性に貢献します。
2025年に入り、DDR5メモリの価格も以前より手頃になりつつあり、DDR5対応マザーボードを選ぶことがゲーミングPCの標準となりつつあります。
高速ネットワークの進化(Wi-Fi 7、2.5G/5G LAN)

低遅延で安定した通信
オンラインゲームにおいてネットワークの安定性は非常に重要です。
- Wi-Fi 6E: Wi-Fi 6の拡張版で、混雑しにくい6GHz帯を利用することで、より高速で安定した無線通信が可能です。
- Wi-Fi 7(802.11be): 2025年以降、さらに高速で低遅延なWi-Fi 7対応マザーボードも登場する可能性があります。
- 2.5G/5G LAN: 多くのゲーミングマザーボードで2.5ギガビットイーサネット(2.5GbE)LANポートが標準化されています。一部のハイエンドモデルでは5GbEや10GbEのポートも搭載されており、NASへのアクセスや大容量データのダウンロード速度が大幅に向上します。
電源回路と冷却性能の強化
高性能CPUを安定稼働
IntelやAMDのCPUが高性能化するにつれて、マザーボードの電源回路(VRM)にかかる負荷も増大しています。
2025年現在、各メーカーは、より多くのフェーズ数を持つ堅牢なVRM設計と、大型で効率的なヒートシンクを採用することで、CPUの安定動作とオーバークロック性能の向上に力を入れています。
これにより、長時間のゲームプレイや高負荷な作業においても、CPUの性能が最大限に引き出され、システム全体の安定性が向上します。
AI機能との連携
スマートなパフォーマンス最適化
一部の最新マザーボードでは、AI技術を活用した機能が搭載され始めています。
例えば、CPUのオーバークロック設定を自動で最適化したり、ファン速度やネットワーク帯域をゲームプレイに応じて自動調整したりする機能です。
これにより、ユーザーは複雑な設定を行うことなく、AIが自動的にPCのパフォーマンスを最適化してくれるため、より快適にゲームを楽しむことができるようになります。
まとめ:最適なマザーボードを見つけよう
ゲーミングPCの性能を最大限に引き出し、安定した動作を支えるために、マザーボード選びは非常に重要です。
私も実際にゲーミングPCを組み立ててみて、マザーボードの選び方一つで、将来のアップグレードのしやすさやPC全体の快適さが大きく変わることを実感しました。
この記事では、2025年最新の情報と私の経験に基づき、以下のポイントを解説しました。
- CPUとの互換性(ソケットとチップセット)が最も重要。
- フォームファクタ(サイズ)はPCケースとの組み合わせで選ぶ。
- DDR5メモリやPCIe 5.0対応など、最新規格への対応状況を確認することで将来性を確保。
- M.2スロットの数や高速LAN/Wi-Fiなど、ゲーミングに直結する機能の有無をチェック。
- 電源回路(VRM)と冷却性能が、CPUの安定動作とパフォーマンスの鍵。
- ASUS、MSI、GIGABYTE、ASRockといった信頼できる主要メーカーの中から、予算と求める機能に合わせて選ぶ。
最適なマザーボードを選ぶことは、あなたのゲーミングPCの性能を最大限に引き出し、長期にわたって快適なゲーム体験を保証するための第一歩です。
この記事で得た知識を活かし、ぜひあなたにぴったりの「ゲーミングPCの心臓部」を見つけてください。
自分だけの最高のゲーミング環境を構築し、思う存分ゲームを楽しみましょう!
参考文献・参考サイト
- PC Watch: 各社マザーボード新製品レビュー https://pc.watch.impress.co.jp/
- ASCII.jp: 自作PCパーツ情報 https://weekly.ascii.jp/elem/000/001/202/1202736/