「最近、パソコンの動作がやけに遅いな」
「覚えのない広告が頻繁に表示されるようになった」
もし、あなたのパソコンにこのような兆候が見られたら、それはマルウェアに感染している可能性があります。
マルウェアは、気づかないうちにパソコン内部に侵入し、大切な情報を盗んだり、システムに悪影響を与えたりする悪意のあるプログラムです。
私の知人の会社でも、マルウェア感染が原因でシステム障害が発生し、業務が一時的に停止した事例がありました。
しかし、マルウェアは早期に発見し対処すれば、被害を最小限に抑えることが可能です。
今回の記事では、パソコン初心者の方でもマルウェア感染の兆候に気づき、適切にチェックし対処できるよう、具体的な方法を分かりやすく解説します。
ぜひこの記事を読んで、あなたのパソコンを安全な状態に保つための知識を身につけましょう。
マルウェアとは?その概要と種類

「マルウェア」という言葉を耳にする機会も多いかと思います。
では、それが具体的にどのようなものかご存知でしょうか。
これは「悪意のあるソフトウェア(Malicious Software)」の略で、私たちのパソコンやスマートフォンに様々な悪影響をもたらすプログラムの総称です。
- ウイルス
- ランサムウェア
- トロイの木馬
など、不正な動作を目的としたソフトウェアはすべてマルウェアに分類されます。
例えば、知人の会社でシステム障害が発生した際も、原因は社員が不審なメールの添付ファイルを開封したことで感染したマルウェアでした。
このマルウェアは、ネットワークを介して社内全体に拡大し、業務に深刻な影響を与えました。
マルウェアの種類は多岐にわたり、それぞれ異なる目的と手口を持っています。
代表的な種類は以下のとおりです。
マルウェアとは?初心者向けに種類から感染経路、効果的な対策まで徹底解説
ウイルス

他のファイルに寄生し、自己複製して増殖するプログラムです。
感染したファイルを共有することで、被害を拡大させていきます。
ランサムウェア

パソコン内のデータを勝手に暗号化し、復旧と引き換えに身代金を要求するマルウェアです。
金銭的な被害が発生することが多く、非常に危険な種類として知られています。
トロイの木馬

一見、便利なソフトやアプリのように偽装し、ユーザーにインストールさせます。
裏側で個人情報を盗むなどの不正な活動を行うのが特徴です。
スパイウェア

パソコンの操作履歴やキーボードの入力内容を監視し、パスワードやクレジットカード情報などの機密情報を収集して外部に送信します。
これらマルウェアは、あなたのパソコンに侵入することで、情報の漏洩やシステムの破壊といった被害をもたらす可能性があります。
そのため、日頃からセキュリティ意識を高く持ち、適切な対策を行うことが重要です。
マルウェア感染の兆候|注意すべき症状

マルウェアに感染すると、目に見えない部分で不正な活動が行われます。
パソコンの動作や表示に様々な兆候が現れることがあります。
パソコンの動作が不安定になる
動作の低下
マルウェアがバックグラウンドで動作し、システムのリソースを使用します。
そのため、パソコン全体の動作が低下したり、フリーズすることが多くなります。
再起動の繰り返し
何の理由もなく、勝手にパソコンが再起動したり、シャットダウンしたりすることがあります。
通信量の増加
知らない間に不正な通信を行い、ネットワークの通信量が増加することがあります。
不審な広告や画面が表示される
ポップアップ広告
インターネットを閲覧している際、不審なポップアップ広告が頻繁に表示されるようになります。
見覚えのないツール
勝手に新しいソフトウェアがインストールされたり、デスクトップに見覚えのないアイコンやツールバーが表示されたりします。
個人情報が漏洩した可能性
パスワードの変更
アカウントにログインできなくなるなど、パスワードが勝手に変更されることがあります。
不審なメールの送信
自分のアカウントから、身に覚えのないメールやメッセージが他者に送信されている事例も発生します。
これらの兆候に気づいたら、すぐに次の「マルウェアチェック」を行うことが重要です。
マルウェアチェックの方法|簡単な手順

マルウェア感染が疑われる場合、どのようにチェックすればよいのでしょうか。
ここでは、初心者の方でも簡単に実行できる手順を解説します。
ウイルス対策ソフトでスキャンを行う
マルウェアチェックの最も基本的な方法は、ウイルス対策ソフトを使用することです。
スキャンの種類
一般的に、ウイルス対策ソフトには「クイックスキャン」と「フルスキャン」の2種類があります。
クイックスキャンは主要な部分を短時間でチェックする方法。
フルスキャンはパソコン全体を詳細にチェックする方法です。
定期的なスキャン
定期的にスキャンを行うことで、早期にマルウェアを検知し対処することが可能となります。
ツールを使った手動でのチェック方法
ウイルス対策ソフト以外にも、手動でマルウェアの兆候を確認する方法があります。
タスクマネージャーの確認
windowsの場合、「タスクマネージャー」を開き、見慣れないプログラムが実行されていないかチェックします。
ブラウザの履歴確認
ブラウザの閲覧履歴やダウンロード履歴に、身に覚えのないサイトへのアクセスやファイルのダウンロードがないか確認します。
無料のオンラインスキャンツール
サービス
複数のセキュリティサービスが、無料で利用できるオンラインスキャンツールを提供しています。
ソフトウェアをインストールする必要がなく、手軽にマルウェアチェックが可能です。
注意点
オンラインスキャンは、あくまでも補助的な方法として使用し、インストール型のウイルス対策ソフトと組み合わせることがおすすめです。
感染が判明した際の対処法

もしマルウェアが検知されてしまった際は、冷静に以下の手順で対処することが重要です。
ネットワークからの隔離
感染が判明したパソコンは、すぐにネットワークから物理的に接続を切り離しましょう。
これにより、マルウェアが通信を行い、他のデバイスに感染を広げるのを防止できます。
wi-fiをオフにするか、LANケーブルを抜くなど、すぐに実行してください。
ウイルス対策ソフトで駆除
ネットワークから隔離した後、ウイルス対策ソフトの指示に従って、検出されたマルウェアを駆除します。
手動での削除はリスクを伴うため、ソフトの機能を使用することが安全です。
パスワードの変更と復旧
マルウェアの種類によっては、アカウントのパスワードや個人情報が盗まれている可能性があります。
パスワードの変更
感染したパソコンとは別の安全なデバイスから、メールやSNS、オンラインサービスのパスワードをすべて変更しましょう。
データの復旧
感染前に取っておいたバックアップデータから、大切なファイルを復旧しましょう。
Windowsバックアップとは?初心者向けに種類・方法・復元まで徹底解説
2025年最新のマルウェアチェックの動向

サイバー攻撃の進化に伴い、マルウェアチェックの技術も進化しています。
ここでは、2025年における最新の動向と、今後の対策について解説します。
AIを活用したリアルタイム検知
従来のウイルス対策ソフトは、既知のウイルスの情報(定義ファイル)と照合してマルウェアを検知していました。
しかし、毎日多くの新しいマルウェアが作成される現在では、この方法だけでは不十分です。
AIは、プログラムの動作パターンを分析し、悪意のある行動を予測して検知する機能を持っています。
これにより、未知のマルウェアに対しても高い精度で対処することが可能になりました。
クラウド連携による迅速な対応
最新のセキュリティソフトは、クラウドと連携し、世界中のユーザーから集められた情報を共有することで、新しいマルウェアの脅威に迅速に対応します。
あなたのパソコンで検知されたマルウェアの情報がクラウドに送信され、瞬時に世界中のユーザーの保護に役立ちます。
モバイル端末のマルウェアチェック
スマートフォンやタブレットも、マルウェアの脅威から無縁ではありません。
androidやiOS向けのセキュリティアプリが多数提供されています。
ダウンロードしたアプリやファイルにマルウェアが存在しないかをチェックする機能を搭載しています。
企業向けのエンドポイントセキュリティ
企業や組織では、社員が使用するパソコンやスマートフォンといった各端末(エンドポイント)を重点的に保護する「エンドポイントセキュリティ」が重要になっています。
これは、マルウェアが侵入した後でも、その活動を監視し自動的に対処するサービスです。
マルウェアチェックを日々の習慣に

この記事では、マルウェア感染の兆候から、チェック方法、対処方法までを解説しました。
マルウェアの脅威は年々巧妙になっています。
しかし、
- ウイルス対策ソフトの導入と定期的なチェック
- 不審なファイルやサイトに注意する
という日々の心がけで、多くの被害は防止できます。
この記事で得た知識を活用し、ご自身のパソコンを安全な状態に保ちましょう。
外部参考リンク