なぜWindows 11でメモリ増設が必要?
Windows 11は、最新のOSとして多くの便利な機能が搭載されていますが、それらを快適に利用するにはある程度のメモリが必要です。
メモリは、パソコンが同時に処理する情報を一時的に保存しておく場所です。
この容量が不足すると、パソコン全体の動作速度が遅くなる原因となります。
特に、
- Webブラウザで複数のタブを開く
- 動画編集やゲームなど重いアプリを使用する
こんな時に、メモリの不足を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Windows 11のメモリ増設を検討している方向けに、
- 必要なメモリ容量の確認方法
- メモリ選びのポイント
- 具体的な増設手順
までを初心者にもわかりやすく解説します。
メモリ増設は思ったよりも簡単な作業です。
自分で行うことで費用を抑えながら、パソコンのパフォーマンスを格段に向上させることが可能です。
メモリ増設を行う前の準備
メモリ増設を始める前に、現在のメモリ容量やパソコンの対応状況を確認し、適切な準備を行うことが重要です。
現在のメモリ容量を確認する
まず、お使いのパソコンに搭載されているメモリ容量を確認しましょう。
- タスクバーを右クリックし、タスクマネージャーを選択します。
- パフォーマンスのタブをクリックします。
- 左側の一覧からメモリを選択すると、現在のメモリ使用状況と、搭載されているメモリ容量が表示されます。
また、システム情報から実装されているメモリを確認することも可能です。
- 左下のスタートボタンを右クリック。
- システムを左クリック。
- 詳細情報から実装RAMを確認します。
完全なシャットダウンを行う
Windows 11には、高速スタートアップ機能が搭載されています。
この機能は、一部のシステム情報を保存して起動を速くします。
しかし、メモリ増設時にはこの機能が新しいメモリを認識できない原因となることがあります。
増設作業を行う前には、必ず以下の手順で完全なシャットダウンを行ってください。
- 左下のWindowsマーク(スタートボタン)から電源マークをクリックします。
- キーボードの「Shift」キーを押しながら「シャットダウン」をクリックします。
- 画面に「シャットダウンしています」と表示されたら、Shiftキーを離してOKです。
- シャットダウンが完了するまで待ちます。

メモリ選びのポイントとおすすめ
メモリを増設する際には、どのメモリを購入すればいいのかを知ることが重要です。
DDR4とDDR5の違い
現在の主流は「DDR4」と「DDR5」の2つの規格です。
Windows 11搭載PCは、どちらかの規格に対応していることがほとんどです。
メモリの相性を考慮し、マザーボードが対応している規格のメモリを選択する必要があります。
- DDR4: 広く普及している規格で、価格も手頃です。多くのWindows 11 PCが搭載しています。
- DDR5: 最新の規格で、DDR4よりも高速なデータ転送が可能です。新しいパソコンに搭載されていることが多いです。
メモリ容量の選び方
用途に合わせて適切なメモリ容量を選びます。
- 8GB(4GB×2): Web閲覧やOfficeソフトの利用など、軽めの作業が中心の方向け。最低限これ以上は欲しい容量です。
- 16GB(8GB×2): 多くのユーザーに推奨される容量です。ゲームや動画編集など、ある程度重い作業も快適に行うことが可能です。
- 32GB(16GB×2)以上: プロの動画クリエイターやグラフィックデザイナー、大規模データ分析など、高度な処理を行う方向けです。
Windows11のメモリ8GBは本当に足りない?使用量確認から快適化、増設まで完全解説
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デュアルチャネルの重要性
メモリは1枚で使用するよりも、同じ容量のメモリを2枚一組で使用する「デュアルチャネル」という接続方法が一般的です。
デュアルチャネルにすると、メモリの転送速度が2倍になります。
PCの全体的なパフォーマンスが向上します。
可能な場合は、必ず2枚セットの商品を購入するようにしましょう。
メモリ相性問題の解決策
メモリには相性があります。
異なるメーカーのメモリを同時に使用すると、正常に動作しない可能性があります。
最も確実な解決方法は、現在使用しているメモリと同じメーカー、同じ製品番号のメモリを探すことです。
もしそれが見つからない場合は、信頼性の高いメーカーのメモリを探すと良いでしょう。
- 外部リンク: 価格.com メモリ人気ランキング
- 外部リンク: Intel CPUのメモリ対応情報
- 外部リンク: AMD Ryzen CPUのメモリ対応情報
メモリ増設の具体的な手順
メモリ増設は、「パソコンのカバーを開けるなんて無理!」と敬遠されがちです。
しかし、実はドライバー1本で簡単にできる作業です。
デスクトップパソコンとノートパソコンの増設方法をそれぞれ解説します。
デスクトップPC(DIMM)の場合
準備するもの
- 増設するメモリ
- ドライバー(※パソコンによっては工具不要の場合もあります)
- パソコンの取扱説明書
手順:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを外します。
- 作業前に必ず身近な金属に触れて、体の静電気を放電します。
- パソコン本体の側面パネルを開けます。(開け方は取扱説明書で確認してください)
- マザーボード上にあるメモリースロットを確認します。
- スロット内の突起とメモリの切り欠き部分の位置が合うように、メモリを垂直に差し込みます。
- 両側の固定具が上がり、「カチッ」という音がしてメモリが固定されたことを確認します。
- パネルを閉じて電源を入れ、動作を確認します。

ノートパソコン(S.O.DIMM)の場合
準備するもの
- 増設するメモリ
- ドライバー
- パソコンの取扱説明書
手順:
- パソコンの電源を落とし、電源ケーブルとバッテリーを外します。
- 作業前に必ず身近な金属に触れて、体の静電気を放電します。
- 本体裏側のネジを外し、メモリースロットのカバーを慎重に外します。
- スロット内部の突起位置と、メモリの切り欠き部分を確認します。
- メモリをスロットに約30度の角度で斜め方向から挿し込みます。
- その後、メモリを倒してフックに「カチッ」とはまれば完了です。
- カバーを元通りに戻し、電源を入れて起動を確認します。

増設後の確認と注意点
メモリの増設が完了したら、正しく認識されているか確認しましょう。
増設後の容量確認
PCを起動し、タスクマネージャーやシステム情報でメモリ容量が正しく表示されているかを確認します。
もし、増設した容量が表示されていない場合は、メモリの挿し込みが不十分な可能性があります。
その場合は、一度完全にシャットダウンしてから、最初の手順からやり直してみてください。
その他の注意点
- メモリは、1枚ずつ、端を持って触るようにしましょう。
- 無理な力で差し込まないようにしましょう。
- ノートパソコンの場合は、増設可能な機種か事前にメーカーのサポートページなどで確認しておくことが重要です。
メモリ増設の費用
メモリの費用は、容量や規格によって異なります。
- DDR4 8GB: 約2,000円~
- DDR4 16GB: 約4,000円~
- DDR5 16GB: 約6,000円~
- DDR5 32GB: 約10,000円~
新しいパソコンを購入することと比べると、メモリ増設は費用を大幅に抑えながらパフォーマンスを向上させる最も手軽な方法と言えます。
- 外部リンク: I-O DATA メモリー増設ガイド
- 外部リンク: 静電気対策のポイント
PCの遅さを解決!
Windows 11のメモリ増設は、パソコンの動作速度を改善する上で非常に効果的な解決策です。
今回の記事で紹介した内容を参考に、ご自身のPCに合ったメモリを選びましょう。
自分でも増設を試してみてください。少しの勇気と知識があれば、誰でも可能な作業です。
