- 「動画編集の作業が重い」
- 「読み込みに時間がかかってイライラする」
そんな悩みを抱えていませんか?その原因の多くは、パソコンのストレージにあります。
特に、高解像度の動画素材を扱う動画編集では、データの読み込みや書き込みの速度が作業効率に大きく影響します。
そこで必要になるのが「SSD」です。SSDは従来のHDDに比べて圧倒的な速度を誇ります。
動画編集の作業を快適にしてくれます。
しかし、
- 「内蔵SSDがいいのか?」
- 「外付けSSDがいいのか?」
- 「どの容量や速度を選べば良いのか?」
と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、動画編集者の視点から、SSDの選び方を徹底的に解説します。
初心者でもわかるように、
- 内蔵と外付けの違い
- メリット・デメリット
さらには用途に合わせたおすすめモデルまで、幅広くご紹介します。
この記事を読めば、あなたの動画編集環境が劇的に快適になること間違いなしです。
動画編集にSSDが必須な理由
「動画編集にSSDが必要」とよく耳にしますが、なぜSSDを使うべきなのでしょうか。
その理由をHDDとの違いを比較しながら解説します。
HDDとの違いと動画編集におけるメリット
HDD(ハードディスクドライブ)は、磁気ディスクを回転させてデータを読み書きする仕組みです。
これに対し、SSD(ソリッドステートドライブ)は、メモリチップにデータを記録する構造です。
項目 | HDD | SSD | 動画編集でのメリット |
読み書き速度 | 遅い(約100~200MB/s) | 速い(約500~7,000MB/s) | 高解像度の動画素材を読み込み、プレビューがスムーズになる。 |
耐久性 | 衝撃に弱い | 衝撃に強い | 持ち運ぶ際も安心。外付けとして使用する場合に特に重要。 |
静音性 | 駆動音がする | 無音 | 編集中のノイズがなく、集中できる。 |
サイズ | 大きい | コンパクト | 持ち運びに便利な外付けSSDが多い。 |
価格 | 安価 | 高価 | 大容量を安く手に入れるならHDDが有利だが、SSDも価格が下がっている。 |
動画編集では、4Kや8Kといった高解像度の映像を頻繁に読み込み・書き込みます。
HDDではこの処理に時間がかかります。
作業が遅くなります。
SSDは、このデータ転送速度が非常に速いため、タイムライン上での映像の読み込みや書き出し、エフェクトの適用などが格段にスムーズになります。
内蔵SSDと外付けSSD、どちらを選ぶべきか
SSDには、パソコンの内部に搭載する「内蔵SSD」と、USBケーブルで接続する「外付けSSD」があります。
どちらにもメリットとデメリットがあるため、自分の用途に合わせて選ぶことが大切です。
タイプ | メリット | デメリット |
内蔵SSD | ・外付けより速度が速い(NVMe対応の場合)<br>・ケーブルが不要で邪魔にならない<br>・PC全体の動作が高速になる | ・取り付けが難しく、初心者にはハードルが高い<br>・容量の拡張が難しい場合がある |
外付けSSD | ・取り付けが簡単<br>・複数のPC間でデータを共有できる<br>・容量の拡張が簡単 | ・速度がUSBの規格に依存する<br>・ケーブルが必要になる |
デスクトップPCやノートパソコンのスペックを確認しましょう。
内蔵SSDの拡張可能性があるなら、内蔵を選ぶ方が良いでしょう。
一方、複数のPCで作業を行うクリエイターや、ノートパソコンの容量を手軽に増設したい場合は、外付けSSDがおすすめです。
動画編集用SSDの選び方【5つの重要ポイント】
動画編集に最適なSSDを選ぶために、何を重視すれば良いのか。以下の5つのポイントを解説します。
ポイント1:容量の目安
動画編集では、
- 映像素材
- プロジェクトファイル
- 書き出した動画
など、大量のデータを扱うため、SSDの容量は非常に重要です。
- 500GB: フルHDの動画編集を始める初心者向け。素材の量が少ない場合や、外付けHDDとの併用を前提とする場合に適しています。
- 1TB: 4K動画編集の入門に最適。ほとんどの動画編集者におすすめできる容量です。
- 2TB以上: 4Kや8Kなどの高解像度動画を頻繁に扱うプロのクリエイター向け。複数のプロジェクトを同時に進める際にも安心です。
容量は、今後の使い方や制作内容も考慮して検討することが大切です。
速度と接続規格
SSDの速度は、動画編集の作業効率に直結します。
- 内蔵SSD
- NVMe SSD: 読み込み・書き込み速度が非常に速い(最大7,000MB/s)。マザーボードのM.2スロットに接続し、PCIEという規格で高速データ転送を実現します。
- SATA SSD: 読み込み・書き込み速度は最大約550MB/s。HDDよりは速いですが、NVMeには劣ります。
NVMe SSDとSATA SSDの違いは?選び方とおすすめモデル
- 外付けSSD
- USB 3.2 Gen 2: 最大10Gbps(約1,000MB/s)の転送速度。動画編集には十分な速度です。
- USB 3.2 Gen 2×2: 最大20Gbps(約2,000MB/s)の転送速度。対応PCは少ないですが、非常に速いです。
- Thunderbolt: 最大40Gbps(約2,800MB/s)の転送速度。Mac製品に搭載されていることが多く、プロ向けの高速規格です。
外付けSSD 1TBのおすすめを徹底解説!選び方から人気ランキングまで
耐久性と発熱対策
SSDはHDDより衝撃に強い構造ですが、発熱に弱いというデメリットがあります。
特に高速モデルは発熱しやすく、熱暴走すると速度が低下したり、故障の原因になったりします。
- 外付けSSD: アルミ製のケースや、放熱性に優れた構造の製品を選びましょう。
- 内蔵SSD: ヒートシンクが付いたモデルを選ぶか、別途ヒートシンクを購入して取り付けることをおすすめします。
携帯性と利便性
外出先で作業を行う場合は、外付けSSDの携帯性も重要です。
- ポータブルSSD: 名刺サイズやスティック型など、ポケットに入る小型で軽量な製品が多くあります。
- ケーブルの種類: USB Type-CからType-C、Type-Aなど、使用するPCのポートに合わせて選びましょう。ケーブル一体型のモデルも便利です。
コストパフォーマンス
動画編集用のSSDは、容量や速度によって価格が大きく異なります。
予算に合わせて、自分に必要な性能を見極めることが重要です。
価格あたりの容量で選ぶか、速度あたりの性能で選ぶか、自分の目的を明確にしましょう。
動画編集に最適!おすすめSSDモデル10選【2025年最新】
動画編集の用途に合わせて、内蔵と外付けのおすすめSSDを厳選して紹介します。
外付けSSDおすすめモデル
- Samsung T7 Shield Portable SSD: 最大1,050MB/sの速度を誇ります。IP65の防塵・防水対応で耐久性も抜群。外出先での撮影や編集に最適なモデルです。
- SanDisk Extreme Portable SSD: 読み書き速度が最大1,050MB/sと非常に速い。軽量でコンパクト。持ち運びに便利な人気のモデルです。
- Crucial X9 Pro: 最大1,050MB/sの速度と、手のひらサイズのコンパクトさが魅力。価格も比較的安価で、コスパを重視する初心者におすすめです。
- Transcend ESD310C: USB Type-AとType-Cの両方に対応。ケーブルが不要なスティック型。ノートパソコンやカメラなど、複数のデバイスを使って作業する人に便利です。
内蔵SSDおすすめモデル
- Samsung SSD 990 PRO: 読み書き速度が最大7,450MB/sと非常に速い、プロ向けのNVMe SSD。8Kなどの高画質動画の編集もストレスなく行えます。
- Crucial P5 Plus: NVMe対応で高速ながら、価格が比較的安い。コストパフォーマンスに優れています。これから動画編集を始める人にもおすすめです。
- Western Digital WD Blue SN580 NVMe SSD: 読み込み速度が最大4,150MB/sと高速ながら、価格を抑えたモデル。コストをかけずに性能を向上させたい方に最適です。
- Kingston KC3000 NVMe SSD: 読み込み速度が最大7,000MB/sと非常に速いモデル。高性能を求めるクリエイターにおすすめです。
動画編集PC選びで失敗しないための基本ガイド
SSDがどれほど速くても、その力を最大限に活かすためには、パソコン全体のスペックが重要です。
動画編集はCPUやGPU、メモリなど、PCの各パーツに大きな負荷をかける作業です。
ここでは、動画編集を快適に行うためのPC選びのポイントを解説します。
なぜ高性能なPCが必要?各パーツの役割
動画編集は、単なるファイルのコピーや移動とは異なります。
膨大なデータをリアルタイムで処理する作業です。
各パーツが連携してスムーズな編集体験を実現します。
CPU(中央演算処理装置)が編集速度を左右する
CPUは、
- 動画編集ソフト全体の動作
- タイムライン上のクリップの処理
- エフェクトの適用
など、すべての計算を担う「PCの頭脳」です。
CPUの性能が低いと、プレビューがカクついたり、書き出しに膨大な時間がかかったりします。
- 初心者: Intel Core i5 や AMD Ryzen 5 シリーズがおすすめです。フルHDの動画編集であれば十分な性能を発揮します。
- 中級者: Intel Core i7 や AMD Ryzen 7 シリーズ以上を選ぶと、4Kなどの高解像度動画や複雑なエフェクトを快適に扱えます。
- プロ: Intel Core i9 や AMD Ryzen 9 シリーズが最適です。複数の動画を同時に処理したり、プロキシを使用せずに高画質な映像を編集したりする際に、圧倒的な速度を実現します。
GPU(グラフィックボード)が作業効率を高める
GPUは、特にエフェクトやトランジションのレンダリング、高解像度な映像の表示など、グラフィック関連の処理を高速化する役割を担います。
CPU内蔵のGPUでも動画編集は可能ですが、専用のグラフィックボードを搭載している方が作業効率が格段に向上します。
- 推奨スペック: NVIDIA GeForce RTX 4060 以上のモデルを選ぶと、4Kでの動画編集が快適になります。GPUに負荷がかかる動画編集ソフト(DaVinci Resolveなど)を使う場合は、より高性能なGPUが必要です。
メモリ(RAM)は多いほど良い
メモリは、動画編集ソフトが作業中のデータを一時的に保管する「作業机」のようなものです。
メモリ容量が多いほど、一度にたくさんのデータを処理でき、作業がスムーズになります。
- 最低限: 8GBでも動画編集は可能ですが、すぐに動作が遅くなります。
- 推奨: 16GBは最低限必要です。ほとんどの動画編集は快適に行えます。
- 理想: 32GB以上あると、4Kや高解像度の映像でもストレスなく作業ができます。64GBあれば、複数のソフトを同時に起動する際も安心です。
Windows11のメモリ8GBは本当に足りない?使用量確認から快適化、増設まで完全解説
デスクトップPC vs ノートPC どちらを選ぶ?
動画編集用のパソコンを選ぶ際に、デスクトップかノートかで迷う方も多いでしょう。
どちらにもメリットとデメリットがあります。
デスクトップPCのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
圧倒的な性能と拡張性 | 持ち運びができない |
冷却性能が高く、長時間の作業に強い | スペースを取る |
同スペックでノートPCより安価 | 別途モニターやキーボードが必要 |
ノートPCのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
どこでも動画編集ができる | デスクトップより高価 |
スペースを取らない | 冷却性能に限界がある |
外部ディスプレイとの接続が簡単 | パーツの交換・増設が難しい |
自宅やオフィスで腰を据えて作業をする方にはデスクトップPCが、外出先やカフェなどでも編集をしたい方にはノートPCがおすすめです。
最近では、高性能なノートPCも多く登場しており、動画編集も快適に行えるようになってきました。
動画編集PCおすすめモデル【2025年最新】
ここでは、動画編集に最適なパソコンのおすすめモデルをいくつか紹介します。
コストパフォーマンス重視のPC
- GALLERIA RM7C-R46-C: 動画編集に最適なスペックを搭載しながら、価格を抑えたモデル。初心者が初めて購入するゲーミングPCとしても人気があります。
- DAIV Z4-I7I01SR-A: 映像クリエイター向けのDAIVシリーズの中でも、コストパフォーマンスに優れたノートPC。Core i7と16GBメモリで快適な動画編集を実現します。
プロ仕様の高性能PC
- MacBook Pro: Appleの独自チップ「M3」や「M4」を搭載し、動画編集の処理が非常に高速です。Final Cut Proとの連携もスムーズで、Macユーザーには最適な選択肢です。
- DAIV FX-I7G7T: Core i7と高性能なGPUを搭載し、高画質な動画もストレスなく編集できます。拡張性も高く、将来的なスペックアップも可能です。
PC選びはバランスが重要
動画編集を快適に行うには、SSDだけでなく、CPU、GPU、メモリなどの主要なパーツのバランスが重要です。
この記事で解説したポイントを参考に、自分の予算と用途に合わせて、最適な一台を見つけてください。
動画編集SSDのよくある質問
Q1: SSDとHDDを併用する使い方は?
A. SSDを編集中のプロジェクトファイルや素材の一時保存に使用し、HDDをバックアップや完了したプロジェクトの保管用として使う方法がおすすめです。
動画編集の作業を効率化しつつ、安価に大容量のデータを管理できます。
Q2: SSDに直接書き込み・読み込みするのは寿命に影響しますか?
A. SSDは読み書き回数に寿命があると言われていますが、通常の動画編集の使用範囲では、問題になることはほとんどありません。メーカーは膨大な書き込みテストを行っており、何年にもわたって安心して使用できるよう設計されています。
Q3: 外付けSSDをPCに接続したままにしても大丈夫ですか?
A. はい、大丈夫です。ただし、使用しないときは、OSの機能を使って安全に取り外しを行いましょう。電源をオフにすることで、電力の消費を抑えます。本体への負荷を減らすことができます。
あなたに最適なSSDを見つけよう
動画編集を快適に行う上で、SSDは今や必須のアイテムです。
- 内蔵か外付けか
- 容量や速度
- 耐久性
など、自分の用途や環境に合わせて適切なSSDを選ぶことが、作業効率を向上させる一番の近道です。
この記事で解説した選び方とおすすめモデルを参考に、あなたの動画編集ライフをより快適にするSSDを見つけてください。