- 「クリックしただけなのに、なぜか高額請求された…」
- 「何もしていないのに、勝手に怪しいサイトに飛ばされる…」
そんな経験はありませんか?
もしそうなら、それは2025年から世界で急増しているサイバー攻撃「クリックフィックス」の巧妙な手口かもしれません。
従来のワンクリック詐欺は、明らかな不当請求画面で分かりやすかったのが特徴で下。
しかし、クリックフィックスは違います。
ユーザーの操作を乗っ取り、気づかないうちに不正なサービスへ登録させたり、ウイルス感染を引き起こしたりします。
この記事では、
- クリックフィックスの恐るべき手口
- 被害に遭った時の対処法
- 安全にインターネットを利用するための対策
までを徹底解説します。
大切な情報や財産を守るために、ぜひ最後まで読み進めてください。
クリックフィックスとは?
クリックフィックス(ClickFix)は、ユーザーが意図しない操作をさせられる巧妙なサイバー攻撃です。
従来のワンクリック詐欺とは異なります。
一見すると何の変哲もないウェブサイト上で、見えないレイヤーやウィンドウを悪用することで、ユーザーのクリックを別の場所に誘導します。
これにより、ユーザーは「このボタンを押したはずなのに、なぜか別の操作が実行された」という事態に陥ります。
この攻撃は、マウスカーソルの位置とクリックのターゲットを「固定(Fix)」することで、ユーザーの操作を「乗っ取る」ことから名付けられました。

クリックフィックスの手口を解説
クリックフィックスの攻撃は、ユーザーが無防備になりやすい状況で行われることが多いです。
特に、年末年始やオンラインショッピングなど、注意が散漫になりやすい時期や場所では危険が高まります。
年末年始の巧妙な手口
年末年始は、プレゼントやセール、イベント情報を探すためにインターネットを利用する機会が増えます。
詐欺を行う者は、この時期を狙い、以下のような手口を使ってきます。
- 福袋やセール情報を装った詐欺サイト: 「2025年の人気福袋が限定販売」といった広告をウェブ上に表示します.偽の販売サイトに誘導します。ユーザーは購入ボタンをクリックしたつもりが、実際には会員登録や高額なサービスの利用に同意させられていることがあります。
- イベントチケットの当選通知: ライブやコンサートのチケット当選を装うメッセージが届き、チケットの受け取り手続きを進めようとすると、見えない領域をクリックさせられ、不正な操作が実行されます。

オンラインショッピングでの手口
オンラインショッピングサイトのレビューや広告にクリックフィックスが仕掛けられる場合があります。
- レビューを装った誘導: 「この商品を利用すると1000円オフ」といった広告を表示し、割引を受け取るためにクリックを促します。しかし、実際には割引を受け取る操作ではなく、不正なソフトウェアのダウンロードが実行されます。

ネットサーフィンでの手口
ニュースサイトやブログなど、普段よく利用するウェブサイトに仕掛けられる場合もあります。
非常に見分けがつきにくいです。
- 広告を装った手口: ニュース記事の中に違和感のない広告を表示し、ユーザーが興味を持ってクリックした際に、バックグラウンドで不当な操作を実行させます。例えば、ウェブブラウザの通知を許可させる操作などが行われます。

動画視聴での手口
動画共有サイトやストリーミングサービスでも注意が必要です。
- 再生ボタンを装った詐欺: 動画の再生ボタンを押すと、実はその下に隠された別のボタンがクリックされてしまう手法です。動画の再生を待つ間に、ユーザーは気づかないうちに高額なサービスの会員に登録させられたり、マルウェアをダウンロードさせられたりします。

複雑なキー操作を要求する手口
最近では、セキュリティソフトやブラウザの警告を回避するために、キーボード操作を組み合わせた手口も確認されています。
「Ctrl + Cを押して会員情報をコピーしてください」といった指示を出すことで、ユーザーが意図しないデータをクリップボードにコピーさせ、次の操作で不正なログインを試みるなどの手口が報告されています。
クリックフィックスの被害報告
クリックフィックスによる被害は、従来の詐欺と比べて見分けがつきにくいため、報告件数が急増しています。
国内の被害状況
国内でも、スマートフォンやパソコンを利用する一般ユーザーからの被害報告が増加しています。
特に、人気アプリやゲームの関連サイトを検索した際に、不当な料金請求画面が表示されるといった事例が多数寄せられています。
被害者は、覚えのないサービスに勝手に登録されたり、料金を請求されたりして、混乱することが多いようです。
世界の動向とIT企業の対策
世界でも同様の被害が広まっています。
主要なIT企業やセキュリティ関連企業は、この手口に対応するための対策を強化しています。
例えば、
- ウェブブラウザのセキュリティ機能を向上させる
- 悪質なサイトを自動的に検知・ブロックする機能を実装する
など、対策しています。
しかし、詐欺の手口も日々進化しています。
ユーザー自身のセキュリティ意識の向上が求められています。
クリックフィックス ウイルス感染
クリックフィックスの手口は、単なる詐欺だけではありません。
ウイルス(マルウェア)感染の引き金にもなります。
ユーザーが意図しない操作で不正なファイルをダウンロードさせられると、パソコンやスマートフォンがウイルスに感染します。
以下のような被害につながる可能性があります。
- 個人情報の流出: ログイン情報やクレジットカード情報が盗まれ、不正利用される。
- 遠隔操作: デバイスを遠隔で操作され、さらなる被害を拡大させられる。
- ランサムウェア: ファイルを暗号化され、身代金を要求される。

クリックフィックスの被害に遭った時の対処法
万が一、クリックフィックスによる被害に遭ってしまった場合は、冷静に対応することが重要です。
不当請求の特徴
不当請求の画面にはいくつかの特徴があります。
これを知っておくことで、冷静に対応できる可能性が高まります。
- 法外な請求金額: 相場からかけ離れた高額な請求をしてきます。
- 支払い方法が限定されている: 銀行振込、コンビニ払い、電子マネーなど、足のつきにくい方法を指定してきます。
- 連絡を急かす: 「本日中に支払いがないと法的措置をとる」など、ユーザーの不安を煽るような言葉で急かす傾向があります。

ポップアップ画面を止める方法
クリックフィックスの被害に遭うと、ブラウザのポップアップ画面が止まらなくなることがあります。
以下の方法を試してください。
- ブラウザを強制終了する: パソコンの場合は、タスクマネージャー(Windows)やアクティビティモニタ(Mac)を使ってブラウザアプリを強制終了させます。スマートフォンの場合は、アプリを完全に終了させてください。
- ネットワークを切断する: Wi-Fiやモバイルデータをオフにして、インターネット接続を一時的に遮断することで、ポップアップの更新を止めることができます。

不当請求の対処法
- 絶対に支払わない: 身に覚えのない請求には絶対に応じないでください。相手はユーザーの不安を煽って支払いを促そうとしますが、法的根拠のない請求がほとんどです。
- 問い合わせ窓口には連絡しない: 請求画面に表示されている電話番号やメールアドレスには絶対に連絡しないでください。連絡することで、相手に個人情報を与えてしまうリスクがあります。
- 画面を閉じる: 請求画面が表示されても、慌てずにブラウザやアプリを閉じてください。閉じるのが難しい場合は、タスクマネージャーや強制終了の機能を利用します。
ウイルス感染の対処法
- ネットワークから切断する: まず、インターネット接続を遮断し、被害の拡大を防ぎます。
- セキュリティソフトでスキャンする: 最新のセキュリティソフトを使って、デバイス全体をスキャンし、ウイルスを検知・削除します。
- パスワードを変更する: ウイルス感染が確認された場合、利用しているサービスのパスワードをすべて変更してください。
専門機関への相談
- 消費者ホットライン: 地方公共団体が運営する「消費者ホットライン」に相談することで、専門家からのアドバイスを受けることができます。
- 警察: 犯罪の可能性がある場合は、最寄りの警察署に相談してください。
よくある質問
クリックフィックスについて、ユーザーから寄せられることが多い質問とその回答をまとめました。
ワンクリック詐欺と何が違うの?
ワンクリック詐欺は、クリックした瞬間に「会員登録が完了しました」といった画面が表示され、不当な請求を行う単純な仕組みでした。
しかし、クリックフィックスは、見た目には何も変化がないように見せかけながら、裏で別の操作を強制実行させる、より巧妙で気づきにくい手口です。

クリックフィックス詐欺を見分けるには?
最も重要なのは、「少しでも怪しい」と感じたサイトやリンクには、絶対に近づかないことです。
また、サイトのURLが正規のものか確認したり、ブラウザのセキュリティ警告を無視しないようにしましょう。

パソコンにおすすめの対策法
パソコンはクリックフィックスの主要な標的です。
以下の対策を徹底しましょう。
セキュリティソフトの導入
信頼性の高いセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態にアップデートしておきます。
これにより、悪質なサイトへのアクセスやウイルス感染を自動的にブロックしてくれます。

ブラウザのセキュリティ設定を見直す
ChromeやFirefoxなどのブラウザには、セキュリティ機能が備わっています。
- 「セーフブラウジング」
- 「ポップアップブロック」
などの設定を有効にしておきましょう。
セーフブラウジングのすべて|危険サイトを未然に防ぐ設定と使い方

ソフトウェアを最新に保つ
パソコンのOSやアプリケーションを常に最新の状態に保ちます。
セキュリティ上の脆弱性を狙った攻撃を防ぐことができます。
【2025年最新】Windowsのセキュリティ脆弱性情報と対策ガイド

タブレット・スマホにおすすめの対策法
携帯性に優れたタブレットやスマホも、クリックフィックスの被害に遭う可能性があります。
アプリは公式ストアからのみ
アプリは、Google PlayストアやApp Storeなど、公式のアプリストアからのみダウンロードしましょう。
不正なサイトからダウンロードされたアプリは、マルウェアが含まれている可能性が高いです。
マルウェア感染とは?初心者向けに原因から最新の対策までをわかりやすく解説

二段階認証を活用する
オンラインサービスを利用する際は、可能な限り二段階認証を設定しましょう。
万が一、IDやパスワードが流出しても、不正ログインを防ぐことができます。

不審なメールやSMSは無視する
不審なメールやSMSに記載されたリンクは、絶対に開かないでください。
宅配業者や金融機関を装ったメッセージも増えています。
クリックフィックスの入り口となることがあります。
安全なデジタルライフのために
クリックフィックスは、従来の詐欺手法と比べて見分けがつきにくい点が最も危険です。
しかし、知識を持ち、普段から少しの注意を払うことで、被害を防ぐことは十分に可能です。
インターネットを利用するすべての人にとって、常に最新の情報を確認し、セキュリティ意識を高めることが大切です。
デバイス | おすすめの対策 |
パソコン | OSとソフトウェアの定期的なアップデート、セキュリティソフトの導入、不審なリンクや広告はクリックしない。 |
タブレット | アプリストア以外からのアプリダウンロードは避ける。セキュリティアプリの活用。公式なサービスを利用する。 |
スマホ | OSの最新バージョンへのアップデート。不審なメールやSMSは無視する。二段階認証を設定する。身に覚えのない請求は無視する。 |
Google スプレッドシートにエクスポート
- 外部リンク: 消費者庁
- 外部リンク: 国民生活センター
- 外部リンク: フィッシング対策協議会
- 外部リンク: トレンドマイクロ公式サイト