お手持ちの外付けHDDを、家中のパソコンやスマホから使えるNAS(ネットワーク接続HDD)にできたら便利だと思いませんか?
NASは、データ共有やバックアップに非常に役立つアイテムです。
しかし、
- 「NASは高そう」
- 「設定が難しそう」
と感じている方も多いかもしれません。
実は、特定のNAS機器やルーターを使えば、USB接続の外付けHDDをNAS化できるのです。
しかし、外付けHDDをただ接続するだけでは、NAS専用機のような高い機能や安定性は期待できません。
今回の記事では、
- 「外付けHDDのNAS化」の具体的な方法
- そのメリットとデメリット
を詳しく解説します。
また、「やっぱり専用NASが欲しい」と感じた方のために、
- 外付けHDDを拡張できるおすすめNAS
- NASに最適な外付けHDDの選び方
- 人気ランキング
まで幅広く紹介します。
この記事を読み終える頃には、あなたのデータ管理の選択肢が広がり、最適な方法を見つけられるでしょう。
外付けHDDはNASになる?
「外付けHDDをNASにしたい」と考えている方は、まずその実現方法を知っておきましょう。
大きく分けて、3つの方法があります。
外付けHDDをNAS化する3つの方法
① NASアダプターやNAS機能付きルーターを使う
最も手軽な方法が、NASアダプターやNAS機能付きルーターを使うことです。

多くのルーターにはUSBポートが搭載されています。
そこに外付けHDDを接続して設定を行うだけで、家庭内のネットワークからアクセスできる簡易NASとして利用できます。
- メリット: 新たに高価な機器を購入する必要がなく、導入費用が抑えられます。
- デメリット: データの転送速度が遅い、RAIDによるバックアップ機能がない、同時アクセスに弱いなど、機能面で制限が多いです。
② 多機能な外付けHDDケースを使う
USB接続の外付けHDDを、LAN接続に対応した外付けHDDケースに内蔵することでNASとして使う方法もあります。

③ Raspberry Piなどで自作NASを構築する
技術的な知識がある方であれば、Raspberry Piなどの小型PCと外付けHDDを使って、本格的なNASを自作できます。

- メリット: 費用を安く抑えられるほか、自分の好みに合わせてOSや機能を自由にカスタマイズできます。
- デメリット: 高度な知識が必要で、安定した稼働には専門的な設定が求められます。
外付けHDDのNAS化と専用NASの違い
外付けHDDをNAS化する方法は手軽ですが、専用のNAS機器と比べていくつかの違いがあります。
項目 | 外付けHDDのNAS化 | 専用NAS機器 |
データの安全性 | RAID機能がない場合が多く、HDDが故障するとデータが失われる可能性がある。 | RAID機能が標準搭載されており、HDD故障時でもデータを保護できる。 |
転送速度 | ルーターやHDDの性能に依存し、速度が遅い傾向がある。 | NAS専用のOSやCPUを搭載しているため、高速で安定したデータ転送が可能。 |
拡張性 | USBポートの数に依存し、増設が難しい。 | 複数のHDDベイを備え、容量の増設が簡単。 |
機能性 | ファイル共有や簡易バックアップなど、機能が限定的。 | クラウド連携、スマホアプリ連携、メディアサーバー機能など多機能。 |
導入コスト | 安価に始められる。 | 比較的高価な初期投資が必要。 |
NASに適した外付けHDDの選び方
NASを構築する際、外付けHDDをNAS専用HDDに交換したり、容量を増設したりすることがあります。
ここでは、NASに適した外付けHDDの選び方を解説します。
NAS用HDDと通常のHDDは違う?
外付けHDDのNAS化を検討している場合、NAS専用に設計されたHDDを選ぶのがおすすめです。

- 24時間稼働: NAS用HDDは、常に稼働することを前提に設計されています。通常のHDDを24時間稼働させると、発熱や負荷で故障のリスクが高まります。
- 振動対策: 複数のHDDを搭載するNASでは、HDDの回転による振動がパフォーマンスに悪影響を与えます。NAS用HDDは、この振動を抑制する機能が搭載されています。
- 信頼性: NAS用HDDは、通常のHDDより長期間の保証が付いていることが多く、データがより安全に守られます。
NASに適した外付けHDDの選び方
- 容量: NASを構築する際は、将来的にデータが増えることを考慮し、余裕を持った容量を選びましょう。写真や動画の保存がメインなら4TB以上、高画質動画を扱うなら8TB以上がおすすめです。
- 互換性: NAS本体と外付けHDDの互換性は非常に重要です。NASメーカーの公式サイトで、接続可能なHDDのリストを確認しましょう。
- メーカー: NAS専用HDDを製造している主要メーカーは、Western DigitalとSeagateです。
- WD Redシリーズ: NAS用HDDの定番です。安定性と信頼性が高く、初めてNASを構築する方におすすめです。
- Seagate IronWolfシリーズ: 高い耐久性に加え、データ復旧サービスが付いているモデルもあり、安心して利用できます。
NASの拡張におすすめの外付けHDD【ランキング】
ここでは、NASに接続して容量を増設できる外付けHDDや、NAS化に適した外付けHDDをランキング形式で紹介します。
NASの容量増設におすすめの外付けHDD
NAS本体にHDDベイが足りなくなった場合、外付けHDDをUSBで接続して容量を増やすことができます。
- 1位. Buffalo LinkStation: NASアダプターとしても機能するモデルです。USBポートに外付けHDDを接続して容量を増設できるほか、RAID機能も搭載しており、データの安全性を高めることができます。
- 2位. IO Data HDL-XAシリーズ: 大容量のデータを高速で転送できるNASです。USBポートに外付けHDDを増設することで、簡単に容量を拡張できます。
- 3位. Synology DiskStation: NASの定番メーカーです。USBポートに外付けHDDを接続して、ストレージプールを拡張することができます。

NAS化におすすめの外付けHDD
NAS機能付きのルーターと組み合わせて使うことを前提とした、おすすめの外付けHDDを紹介します。
- 1位. WD My Bookシリーズ: 大容量かつ高速なデータ転送が可能な外付けHDDです。ルーターのUSBポートに接続して、簡易NASとして利用するのに適しています。
- 2位. Seagate Expansionシリーズ: コストパフォーマンスに優れており、手軽にNAS化したい方におすすめです。シンプルなデザインで、設置場所を選びません。
- 3位. BUFFALO HD-LDS-Aシリーズ: 静音性に優れており、寝室やリビングに置いても気になりません。信頼性が高く、日本のメーカーならではの安心感があります。

知っておきたい!NASと外付けHDDの豆知識
RAID設定はデータの保険
NASを構築する一番のメリットは、RAID(Redundant Array of Independent Disks)を組めることです。
RAIDは、複数のHDDを一つのドライブのように扱う技術です。
データの冗長性を確保します。
万が一の故障に備える「保険」のようなものです。

NASを導入するメリット
NASは「データの守り神」のように、家中のパソコンやスマホのデータを自動でバックアップします。
どこからでもアクセスできるようにしてくれます。
特に、
- 旅行で撮った大量の写真を家族と共有したい
- 離れた場所にいる友人と動画ファイルをやり取りしたい
こんな時、その便利さを実感できるでしょう。

外付けHDDのNAS化と専用NAS、どちらを選ぶ?
- 手軽に試したいなら外付けHDDのNAS化: とりあえずNASがどんなものか試してみたい、初期費用を抑えたいという方は、手持ちの外付けHDDをNAS化してみましょう。
- 安定性や機能を求めるなら専用NAS: 大容量のデータを扱う、複数人で同時にアクセスしたい、データの安全性を重視したいという方は、最初から専用NASを導入するのがおすすめです。

よくある質問
Q1. どんな外付けHDDでもNAS化できますか?
A. 基本的にUSB接続の外付けHDDであればNAS化できますが、NAS機能付きルーターやNASアダプターとの互換性を事前に確認することが重要です。
特に古いモデルは認識しない可能性があります。
Q2. NAS化するとデータの転送速度は速くなりますか?
A. USB接続の外付けHDDをNAS化する場合、USB3.0やUSB3.1の規格に対応していても、ルーターのネットワーク速度(LANポートの速度)に依存します。
そのため、転送速度はLANの速度が上限となります。
高速なデータ転送を求めるなら、専用NASの導入を検討すべきです。
Q3. NASに外付けHDDを増設するメリットは?
A. NASに外付けHDDを増設することで、ストレージ容量を簡単に増やすことができます。
特に、
- NAS本体のHDDベイが埋まってしまった場合
- 特定のデータを一時的にバックアップしたい場合
こんな時に便利です。
まとめ
外付けHDDをNAS化する方法は、手軽にデータ共有を始めたい初心者にとって非常に魅力的な選択肢です。
しかし、データの安全性や安定性を考慮すると、専用NAS機器が持つ機能には敵いません。
この記事で解説した、
- 外付けHDDのNAS化の方法
- 専用NASとの違い
そして目的に合ったHDDの選び方を参考に、あなたのデータ管理環境をより快適にしてください。
もしNASに興味を持ったら、以下の内部リンクも参考にしてみてください。
- NASとは?選び方からおすすめ製品まで徹底解説
- NASのデータバックアップ術:RAIDとクラウドを組み合わせた鉄壁の保護方法