「ゲーミングモニターってたくさん種類があって、どれを選べばいいか分からない…」
そう感じているパソコン初心者の方は多いのではないでしょうか?
特に「Hz(ヘルツ)」と「応答速度」は、ゲーミングモニターを選ぶ上で避けて通れない重要なキーワードです。
でも、
- 「Hzって何?」
- 「応答速度が速いと何が違うの?」
と疑問に思うのも当然です。
私自身もゲーミングモニターを初めて購入する際は、専門用語の多さに戸惑いました。
特に「応答速度」については、店員さんに詳しく尋ねたことがあります。
「動画視聴が主な目的なら、応答速度が5msでも1msでも、正直、ほとんど人の目では違いが分からない程度ですよ」というアドバイスは、私のモニター選びの基準を大きく変えるきっかけとなりました。
つまり、ゲームの種類や自分の目的によって、最適なスペックは異なるということです。
この記事では、ゲーミングモニター選びの最重要項目である「リフレッシュレート(Hz)」と「応答速度」を中心に、
- それぞれの意味や違い
- ゲームプレイにどう影響するのか
をパソコン初心者の方にも分かりやすく、徹底的に解説していきます。
- 人気のモニターサイズ
- パネルの種類
- 解像度
といったその他の重要な選び方のポイントも網羅します。
最終的にはあなたの用途にピッタリの一台を見つけるための「解決策」と「知識」を提供します。
最高のゲーミング体験を実現するために、さあ、あなたに最適なゲーミングモニターを一緒に探していきましょう!
ゲーミングモニターとは?通常のモニターとの違い

ゲーミングモニターは、パソコンやゲーム機でゲームをプレイする際に、より快適で没入感の高い体験を提供するために設計されたディスプレイです。
一見すると通常のモニターと同じように見えます。
しかし、内部にはゲームを有利に進めるための重要な機能が多数搭載されています。
ゲーミングモニターの最大の特徴
ゲーミングモニターと通常のモニターを分ける最大の特徴は、「リフレッシュレート」と「応答速度」という二つの性能にあります。
これらの数値が高いほど、より滑らかで鮮明な映像を表示できます。
- リフレッシュレート (Hz): 1秒間に画面が何回、新しい映像に更新されるかを示す単位です。ゲーミングモニターでは60Hzが一般的な通常モニターです。対して、144Hz、165Hz、240Hzなど高い数値が主流です。この数値が高いほど、画面の動きが滑らかに見えます。特にFPS(ファーストパーソンシューター)や格闘ゲームのような激しい動きのゲームでは敵の位置や弾道をより素早く、正確に把握できます。
- 応答速度 (ms): 画面の色が変化するのにかかる時間を示す単位です。数値が小さいほど、残像が少なく、クリアな映像を表示できます。ゲーミングモニターでは1msや0.5msといった高速な応答速度が一般的です。遅い応答速度だと、素早い動きのシーンで映像がぼやけたり、残像が発生したりする「ゴースト」現象が起こりやすくなります。
モニターのリフレッシュレートとは?ゲーム・動画鑑賞で変わる体験を徹底解説
なぜゲーミングモニターが必要なのか?
通常のモニターでもゲームをプレイすることは可能です。
しかし、ゲーミングモニターを使用することで以下のメリットが得られます**。
動きの滑らかさが格段に向上
高リフレッシュレートのモニターは、ゲームのフレームレート(FPS)を最大限に活かすことができます。例えば、PCが120FPSでゲームを出力していても、モニターが60Hzだと1秒間に60回しか画面が更新されないため、実際に見える映像は60FPS相当になってしまいます。144Hzや240Hzのゲーミングモニターなら、PCの性能をフルに発揮し、より滑らかでリアルな動きを体験できます。
残像が少なく視認性が高い
応答速度が速いゲーミングモニターは、画面の書き換えが瞬時に行われます。
そのため、素早い動きの中でも残像がほとんど発生しません。
敵やオブジェクトを鮮明に捉えることができます。
これにより、ゲーム中の判断や操作がより正確に行えるようになります。
遅延(インプットラグ)の軽減
ゲーミングモニターは、PCからの入力信号を画面に表示するまでの遅延(インプットラグ)も最小限に抑えられています。
この遅延が少ないほど、キーボードやマウス、コントローラーの操作が画面に素早く反映されます。
より直感的なゲームプレイが可能になります。
特に競技性の高いFPSゲームでは、このわずかな差が勝敗を分けることもあります。
これらの特徴により、ゲーミングモニターはゲームの世界により深く没入します。
自身のパフォーマンスを最大限に引き出すための必須アイテムと言えるでしょう。
最重要ポイント!リフレッシュレート(Hz)を徹底解説

ゲーミングモニター選びで最初に注目すべき最も重要なスペックが「リフレッシュレート」です。
Hz(ヘルツ)という単位で表されます。
ゲームの快適さに直結します。
リフレッシュレートとは?
リフレッシュレートとは、モニターが1秒間に何回、画面の映像を書き換え(更新)できるかを示す数値です。
- 60Hz: 1秒間に60回、映像が更新されます。一般的な事務作業や動画鑑賞には十分ですが、動きの速いゲームではカクつきを感じることがあります。
- 144Hz: 1秒間に144回、映像が更新されます。60Hzと比較して約2.4倍の更新頻度となります。ゲームの動きが非常に滑らかに見えます。多くのゲーマーにとって最適な基準と言えるでしょう。
- 240Hz: 1秒間に240回、映像が更新されます。さらに滑らかな映像を提供します。プロゲーマーや競技性の高いゲームをプレイする方におすすめです。わずかな動きも見逃さないため、反応速度が向上します。
FPSとHzの関係性
ゲームの「FPS(Frames Per Second)」は、グラフィックボード(GPU)が1秒間に生成するフレーム数を示します。
このFPSとモニターのリフレッシュレート(Hz)は密接に関連しています。
例えば、グラフィックボードが200FPSでゲームを描写していても、モニターが60Hzだと、実際に画面に表示される映像は60FPSが上限となります。
残りのフレームは表示されません。
つまり、PCの性能を最大限に活かすには、PCが出力できるFPSと同等かそれ以上のリフレッシュレートを持つモニターが必要になります。
高リフレッシュレートのメリットとデメリット
メリット
- 圧倒的な滑らかさ: ゲームの動きが非常に滑らかになり、ゲームの世界に深く没入できます。
- 視認性の向上: 敵の動きや弾道がより鮮明に見え、特にFPSゲームでは索敵やエイムの精度が向上します。
- 応答性の向上: 画面の情報が素早く更新されます。そのため、プレイヤーの操作が即座に画面に反映されるような感覚が得られます。
- 目の疲れの軽減: 映像が滑らかなため、カクつきによる目の負担が軽減されます。長時間のゲームプレイでも疲れにくいと言われています。
デメリット
- 価格が高い: 高リフレッシュレートのモニターは一般的に価格が高くなります。
- PCスペックが必要: モニターのHzを活かすには、それに見合うだけの高いFPSを出力できる高性能なゲーミングPC(グラフィックボード)が必要です。PCの性能が不足している場合、高リフレッシュレートモニターの真価を発揮できません。
- 発熱: 高Hzでの表示はモニター自体の発熱も増えるため、内部のパーツへの負担が増える可能性もあります。
あなたに合うHzは?用途別選び方
あなたのゲーミングスタイルや予算に合わせて、適切なリフレッシュレートを選びましょう。
- 60Hz
- 用途: PC作業や動画鑑賞が主で、カジュアルにゲームを楽しむ方。PS4やNintendo Switchなどのゲーム機でプレイする方(多くのゲーム機の出力が60Hzまで)。
- おすすめ: 予算を抑えたい、競技性を重視しない。
- 120Hz
- 用途: PS5やXbox Series X/Sなどの次世代ゲーム機で120fps対応のゲームをプレイしたい方。PCゲームも快適に遊びたいが、予算を抑えたい方。
- おすすめ: 次世代ゲーム機とPCを両方使う方。
- 144Hz / 165Hz
- 用途: PCでFPSやアクションゲームを本格的にプレイする方。最もバランスの取れた、ゲーミングモニターの主流とも言えるリフレッシュレートです。
- おすすめ: ほとんどのゲーマーに満足を与える、費用対効果の高い選択肢。
- 240Hz / 360Hz
- 用途: プロゲーマーや競技性の高いFPSをプレイし、コンマの差を争う方。最高峰の滑らかさと反応速度を求める方。
- おすすめ: PCスペックが非常に高いことを前提に、勝利を追求する方。
ゲーマーなら必須!応答速度(ms)を徹底解説

リフレッシュレートと並び、ゲーミングモニター選びで絶対に欠かせないのが「応答速度」です。
ms(ミリ秒)という単位で表されます。
ゲーム中の映像のクリアさに大きく影響します。
応答速度とは?
応答速度とは、モニターの画素(ピクセル)が色を変化させるのにかかる時間を示します。
数字が小さいほど、素早く色が切り替わるため、残像が少なく、クリアな映像を表示できます。
- 5ms: 一般的なモニターの応答速度です。動画視聴や事務作業には問題ありませんが、動きの速いゲームでは残像が気になることがあります。
- 1ms: ゲーミングモニターの主流となっている高速な応答速度です。ほとんど残像を感じず、非常にクリアな映像を実現します。
- 0.5ms: 最新の超高速ゲーミングモニターに搭載されています。さらに残像を低減します。プロレベルのゲーマーに選ばれています。
GtGとMPRTの違い
応答速度には、「GtG(Gray-to-Gray)」と「MPRT(Moving Picture Response Time)」の2種類の測定方式があります。
- GtG: 中間色から中間色へ変化する時間を測定します。より実践的な応答速度の目安とされています。多くのゲーミングモニターでこの数値が採用されています。
- MPRT: 残像感を物理的に測定した数値で、バックライトのオンオフを高速に切り替えることで残像を減らす技術(モーションブラー低減機能)を加味したものです。この機能を有効にすると画面が暗くなるなどのデメリットもありますが、残像を極限まで抑えたい方には有効です。
一般的にはGtGの値が重要視されます。製品を比較する際は、同じ測定方式の数値で比較するようにしましょう。
応答速度がゲームプレイに与える影響
応答速度が遅いと、ゲーム中に「残像(ゴースト)」現象が発生します。
これは、素早い動きのオブジェクトがまるで影を引きずるように表示される現象です。
- FPSゲーム: 敵が素早く動いた際に残像が発生すると、敵の位置や動きが正確に把握しにくくなります。エイムがずれる原因にもなり、ゲームのパフォーマンスに直結します。
- 格闘ゲーム: キャラクターの動きや技の発生がぼやけて見えると、正確な入力や反応が難しくなります。
- レースゲーム: 景色の流れや車体の動きが不自然になり、没入感が損なわれます。
応答速度が速いと、これらの残像現象が大幅に軽減されます。
どんなに激しい動きのシーンでも映像がクリアに保たれます。
これにより、プレイヤーは視覚情報を正確に把握し、より迅速で的確な判断と操作が可能になります。
あなたに合う応答速度は?用途別選び方
店員さんのアドバイスにもあったように、応答速度は用途によって必要なレベルが異なります。
- 5ms以上
- 用途: 動画視聴、Webブラウジング、ビジネス用途、RPGやシミュレーションゲームなど、動きが比較的緩やかなゲーム。
- 特徴: ほとんどの人が残像を気にすることはないでしょう。価格も抑えられます。
- 私が店員さんに教えてもらったように、動画視聴が主な目的であれば、5msでも1msでも人の目ではほとんど違いが分からない程度です。
- 3ms
- 用途: 幅広いジャンルのゲームを快適に楽しみたいが、最高峰の応答速度は不要と考える方。
- 特徴: 多くのゲーマーにとって十分な応答速度であり、価格とのバランスも良いモデルが多いです。
- 1ms:
- 用途: FPSや格闘ゲームなど、競技性の高いゲームを本格的にプレイする方。わずかな残像も許容できないプロレベルのゲーマー。
- 特徴: 動きの激しいシーンでも圧倒的なクリアさを提供します。多くのゲーミングモニターがこの数値を謳っています。
- 0.5ms以下:
- 用途: 最先端の技術を体感したい方。超高速な応答速度が勝利に直結すると考える、究極のゲーマー向け。
- 特徴: 現時点で提供される最高レベルの応答速度。
応答速度は、特に動きの激しいゲームをプレイする場合にその真価を発揮します。
あなたがどんなゲームをプレイするのか、どんな体験を求めるのかを考えて、最適な応答速度のモニターを選びましょう。
ゲーミングモニターのその他の重要ポイント

リフレッシュレートと応答速度がゲーミングモニター選びの最重要項目であることは間違いありません。
しかし、それ以外にも、快適なゲーム体験を実現するために考慮すべき重要なポイントがいくつかあります。
解像度
解像度とは、画面に表示されるピクセルの数を指します。
映像の精細さに影響します。
解像度が高いほど、より高画質で精細な映像を楽しめます。
- Full HD (フルHD): 1920×1080。最も一般的な解像度で、多くのゲーミングPCで快適に動作します。高リフレッシュレートとの相性も良く、FPSゲームなどで高いFPSを維持したい場合におすすめです。
- WQHD: 2560×1440。フルHDと4Kの中間の解像度。フルHDよりも高画質な映像を楽しめ、4KよりもPCへの負荷が低いのが特徴です。バランスの取れた選択肢として人気**があります。
- 4K: 3840×2160。圧倒的な高画質で、ゲームの世界をリアルに表現できます。しかし、4Kで高FPSを維持するには非常に高性能なグラフィックボード(GPU)が必要となります。モニター自体も高価になります。美しいグラフィックを重視するRPGやシミュレーションゲームなどに適しています。
注意点: PCのグラフィックボードの性能とモニターの解像度のバランスが重要です。
低スペックPCで高解像度モニターを使用すると、FPSが低下します。
かえって快適なゲームプレイが難しくなることがあります。
パネルの種類
ゲーミングモニターの液晶パネルには主に3種類あります。
それぞれに特徴があり、用途によって適したものが異なります。
- IPSパネル
- 特徴: 視野角が広く、斜めから見ても色の変化が少ないです。発色が鮮やかで美しいため、動画視聴や写真・動画編集など、色再現性が重要な用途にも適しています。最近は高速応答のIPSパネルも増えており、ゲーミング用途でも人気が高いです。
- メリット: 広い視野角、美しい発色。
- デメリット: 価格がやや高め、コントラスト比がTNパネルより低い傾向にある。
- VAパネル
- 特徴: コントラスト比が高く、黒が引き締まって見えます。IPSパネルとTNパネルの中間くらいの視野角を持ちます。湾曲モニターにも多く採用されています。
- メリット: 高いコントラスト比、深い黒を表現できる。IPSパネルより安価な傾向。
- デメリット: 応答速度がIPSやTNに劣るモデルもある、残像が気になる場合がある。
- TNパネル
- 特徴: 最も応答速度が速いのが最大の特徴です。価格も比較的安価です。
- メリット: 最速の応答速度、安価。
- デメリット: 視野角が狭く、斜めから見ると色が変化しやすい。発色も他のパネルに劣る傾向にある。
- 用途: プロゲーマーなど、応答速度を最優先する競技性の高いFPSゲーム向け。
画面サイズと画面アスペクト比
モニターのサイズは、ゲームの没入感や作業効率に影響します。
一般的には24インチ~27インチがゲーミングモニターの主流です。
- 24インチ: FPSゲームなど、画面全体を素早く把握したい場合に適しています。価格も抑えられます。
- 27インチ: 最も人気のサイズ。、ゲームの迫力と視認性のバランスが良いです。WQHD解像度との相性も抜群です。
- 32インチ以上: より高い没入感を求める方や、動画編集など作業領域を広く使いたい方におすすめです。
- 湾曲モニター: 画面が緩やかに湾曲しているモニター。視点と画面の距離が均一になるため、没入感が高まります。特にウルトラワイドモニターとの相性が良いです。
- アスペクト比: 一般的には16:9(ワイド)が主流です。最近は21:9のウルトラワイドモニターも人気があり、より広い視野でゲームを楽しめます。
HDR (High Dynamic Range)
HDRは、従来のSDR(Standard Dynamic Range)よりも表現できる色の範囲や輝度の幅を広げる技術です。
対応したコンテンツを表示すると、よりリアルで鮮やかな映像を楽しめます。
特に暗いシーンと明るいシーンの両方を美しく描写できます。
ゲームのグラフィックが格段に向上します。
最近のゲーミングモニターにはHDR対応モデルが増えています。
没入感を高める上で魅力的な機能です。
接続端子
ゲーミングモニターとPCやゲーム機を接続するための端子も確認しましょう。
- DisplayPort: PCとゲーミングモニターを接続する際に最も推奨される端子です。高リフレッシュレートや高解像度に対応。G-SYNCやFreeSyncといった可変リフレッシュレート技術も利用できます。
- HDMI: PCだけでなく、PS5やNintendo Switchなどのゲーム機と接続する際にも利用されます。HDMI 2.1は4K 120Hzなど高解像度・高リフレッシュレートに対応しており、次世代ゲーム機を使う方は対応しているかを確認しましょう。
- USB Type-C: 一部のモニターにはUSB Type-C端子が搭載されています。映像と電力供給を一本のケーブルで行えます。ノートパソコンとの接続などに便利です。
その他の機能(FreeSync/G-SYNC、フリッカーフリーなど)
- 可変リフレッシュレート技術 (FreeSync/G-SYNC): モニターのリフレッシュレートをGPUのフレームレートに同期させることで、「ティアリング(画面の横ずれ)」や「スタッタリング(カクつき)」といった現象を軽減し、より滑らかな映像を実現する機能です。
- NVIDIA製GPUを使用している場合はG-SYNC対応モニター、AMD製GPUを使用している場合はFreeSync対応モニターを選ぶのがおすすめです。最近はG-SYNC Compatibleという、FreeSync対応モニターでもG-SYNCが使えるようになったモデルも増えています。
- フリッカーフリー: 画面のちらつき(フリッカー)を抑える機能です。長時間の使用による目の疲れを軽減する効果が期待できます。
- ブルーライト軽減: 目に有害とされるブルーライトの発生を抑える機能です。
- ピボット機能: 画面を縦向きに回転できる機能です。Webページの閲覧やSNSのタイムライン表示などに便利です。
- 高さ・傾き調整: 自分の姿勢に合わせてモニターの位置を細かく調整できる機能は、長時間のゲームプレイにおいて快適性を高めます。
ゲーミングモニターの価格帯別おすすめモデルと選び方

ゲーミングモニターの価格は幅広く、搭載されている機能や性能によって大きく異なります。
ここからは、価格帯別にどのようなゲーミングモニターが手に入るのか、そしてどんな方におすすめなのかをご紹介します。
エントリークラス(2万円台~4万円台)
予算を抑えつつ、ゲーミングモニターの基本を抑えたい方におすすめの価格帯です。
- 特徴
- 解像度: Full HD(1920×1080)が主流。
- リフレッシュレート: 144Hzまたは165Hzが多い。
- 応答速度: 1ms(GtG)対応モデルも見られます。
- パネル: TNパネル、VAパネルが多いですが、最近はIPSパネルも増えています。
- こんな方におすすめ
- ゲーミングモニターを初めて購入するパソコン初心者。
- FPSゲームをカジュアルに楽しみたい方。
- PCスペックがミドルクラス以下で、高解像度よりも高FPSを重視する方。
- PS5やNintendo Switchなどのゲーム機でゲームをプレイする方。
- おすすめモデルの例
- ASUS TUF Gaming VG249Q1A: 23.8インチ Full HD 165Hz 1ms (MPRT) IPSパネル。コスパが良く、バランスの取れたモデルとして人気。
- IODATA GigaCrysta EX-LDGC242HTB: 23.8インチ Full HD 165Hz 0.8ms (GtG) ADSパネル(IPSに近い)。応答速度が非常に速く、残像を抑えたい方におすすめ。
ミドルクラス(5万円台~8万円台)
性能と価格のバランスが取れた、最も人気のある価格帯です。ゲーミングモニターの中核とも言えるゾーンです。
- 特徴
- 解像度: WQHD(2560×1440)モデルが増える。Full HDなら240Hzの高リフレッシュレートモデルも選択肢に。
- リフレッシュレート: 165Hz~240Hzが主流。
- 応答速度: 1ms(GtG)が基本。
- パネル: IPSパネルが多くなり、美しい発色と広い視野角が得られる。
- 機能: HDR対応モデルも増え、高機能なスタンド(高さ・傾き・ピボット調整)を搭載するモデルも多い。
- こんな方におすすめ
- 本格的にPCゲームを楽しみたい方。
- 高画質と高リフレッシュレートの両方を追求したい方。
- WQHD解像度でゲームをプレイしたい方。
- バランスの取れた高性能モニターを求める方。
- おすすめモデルの例
- Dell G2724D: 27インチ WQHD 165Hz 1ms (GtG) IPSパネル。WQHDの高画質とゲーミング性能を両立した人気モデル。
- MSI Optix G27C4: 27インチ Full HD 165Hz 1ms (MPRT) 湾曲VAパネル。湾曲で没入感を高めたい方におすすめ。
ハイエンドクラス(9万円台~)
最高峰のゲーミング体験を求める方や、プロゲーマー向けの価格帯です。
最新技術や最高スペックが惜しみなく投入されています。
- 特徴
- 解像度: 4K解像度で高リフレッシュレート(120Hz以上)のモデル、またはFull HD/WQHDで超高リフレッシュレート(240Hz、360Hz)のモデル。
- 応答速度: 0.5ms以下の超高速応答も実現。
- パネル: 有機EL(OLED)パネル搭載モデルも登場。究極のコントラストと応答速度を提供。Mini LEDバックライト搭載でHDR性能を極限まで高めたモデルも。
- 機能: G-SYNC UltimateやFreeSync Premium Proなど、高機能な可変リフレッシュレート技術に対応。KVMスイッチなどの便利機能も搭載。
- こんな方におすすめ
- 最高のゲーミング体験を追求する方。
- プロゲーマーや競技性の高いゲームで勝利を目指す方。
- 高画質と高リフレッシュレートの両方を妥協なく求める方。
- クリエイティブな作業も行い、究極のディスプレイを求める方。
- おすすめモデルの例
- BenQ ZOWIE XL2546K: 24.5インチ Full HD 240Hz 0.5ms (MPRT) DyAc+搭載 TNパネル。FPSゲーマーに絶大な人気を誇るプロモデル。
- ASUS ROG Swift OLED PG27AQDM: 27インチ WQHD 240Hz 0.03ms (GtG) 有機ELパネル。有機ELならではの圧倒的な画質と応答速度が魅力。
価格帯だけでなく、あなたのゲーミングPCのスペック、主にグラフィックボード(GPU)の性能と予算、そしてプレイするゲームのジャンルを総合的に考慮しましょう。
最適なゲーミングモニターを選ぶことが重要です。
ゲーミングモニター接続と設定の基本

高機能なゲーミングモニターを購入しても、正しく接続し、適切な設定を行わないとその真価を発揮できません。
パソコン初心者の方でもできる、接続と設定の基本を解説します。
ゲーミングモニターとPCの接続
ゲーミングモニターをPCに接続する際は、適切なケーブルを選ぶことが非常に重要です。
特に高リフレッシュレートを利用するには、対応したケーブルが必要です。
- ケーブルの種類を選ぶ
- DisplayPort: PCとゲーミングモニターを接続する際に最も推奨されるケーブルです。高リフレッシュレートや高解像度、G-SYNC/FreeSyncといった可変リフレッシュレート技術に対応しています。
- HDMI: PCだけでなく、PS5やNintendo Switchなどのゲーム機との接続にも広く利用されます。高リフレッシュレートや高解像度を求める場合は、HDMI 2.0以降の規格に対応したケーブルを使用しましょう。特にHDMI 2.1は4K 120Hzなどに対応しており、次世代ゲーム機で高画質を楽しみたい方には必須です。
- 接続する
- PCのグラフィックボード(GPU)の出力端子と、ゲーミングモニターの入力端子を対応するケーブルで接続します。PCケースの下部にあるグラフィックボードの出力端子に接続するように注意してください(マザーボードの出力端子ではグラフィックボードの性能を活かせません)。
Windowsでのリフレッシュレート設定
モニターを接続したら、Windowsのディスプレイ設定でリフレッシュレートを最大値に設定しましょう。
- デスクトップの何もない場所で右クリックし、「ディスプレイ設定」を選択します。
- 画面を下にスクロールし、「ディスプレイの詳細設定」をクリックします。
- 「リフレッシュレートを選択」のドロップダウンメニューから、モニターが対応する最大のリフレッシュレート(例: 144Hz、240Hz)を選択します。
- 変更を適用します。
モニター本体のOSD(On Screen Display)設定
ゲーミングモニターには、本体のボタンで操作できるOSDメニューがあります。
ここで画質調整やゲーミング機能の設定を行いましょう。
- 応答速度(オーバードライブ)の設定: モニターによっては応答速度をさらに速くする「オーバードライブ」機能が搭載されています。通常、「オフ」「弱」「中」「強」のような選択肢があります。「強」に設定すると最も応答速度が速くなりますが、場合によっては逆残像(オーバーシュート)が発生する可能性もあります。実際にゲームをプレイしながら、自分の目で最適な設定を見つけましょう。
- ゲームモード: FPS、RTS、RPGなど、ゲームジャンルに合わせて画質を最適化する「ゲームモード」が用意されているモデルもあります。
- 黒レベル補正: 暗い場所に隠れている敵を見やすくするため、暗い部分の明るさを調整する機能です。
- FreeSync/G-SYNCの有効化: 対応モニターの場合は、OSDメニューで可変リフレッシュレート機能を有効にする必要があります。その後、NVIDIAコントロールパネル(G-SYNC)またはAMD Radeon Software(FreeSync)でも有効化しましょう。
これらの設定を行いましょう。
あなたのゲーミングモニターが最高のパフォーマンスを発揮できるよう調整してみてください。
ゲーミングモニターに関するよくある質問 (FAQ)

ゲーミングモニターについて、まだいくつか疑問がある方もいるかもしれません。
ここからは、ゲーミングモニターに関してよくある質問にお答えします。
応答速度1msと5ms、本当に違いが分からないの?
これは、冒頭でも触れた私の体験談にも繋がる質問です。
結論から言うと、用途によって感じ方が大きく異なります。
- 動画視聴やWebブラウジング、一般的なPC作業: ほとんどの人の目では1msと5msの違いを判別するのは非常に難しいでしょう。店員さんが教えてくれた通り、静止画や動きの緩やかな映像では差がほとんど見えません。
- 動きの激しいゲーム(FPS、格闘ゲームなど): このジャンルでは、1msと5msの差は明らかに体感できます。5msでは残像やぼやけが発生しやすくなります。敵の視認性が低下したり、エイムがずれたりする原因となる可能性があります。プロゲーマーや競技性の高いゲームをプレイする方にとっては、このわずかな差が勝敗に直結します。
つまり、あなたがどのような目的でゲーミングモニターを使用するかによって、必要な応答速度のレベルは変わるということです。
動画鑑賞が主でたまにゲームをする程度であれば、5msでも十分満足できる場合が多いでしょう。
しかし、FPSゲームをメインにプレイするなら、迷わず1ms(GtG)以下を選ぶことをおすすめします。
ゲーミングモニターの寿命はどのくらい?
ゲーミングモニターの寿命は、使用状況やメーカー、パネルの種類によって異なります。
一般的には約3年~5年程度と言われています。
- バックライト: 液晶モニターのバックライトは消耗品です。長時間の使用や高輝度設定は寿命を縮める原因となります。
- 有機ELモニター: 有機ELパネルは画質に優れ、応答速度も非常に速いです。しかし、「焼き付き」という寿命問題が指摘されることがあります。最近のモデルは対策が施されていますが、同じ静止画を長時間表示し続けるような使い方は避けるのが無難です。
適切な明るさ設定や定期的な画面オフ、PCのシャットダウンなどでモニターを休ませることで、寿命を延ばすことが可能です。
ゲーミングモニターをPCに接続するだけではダメ?
ゲーミングモニターをPCに接続しただけでは、その性能を最大限に引き出せない可能性があります。
特に注意すべき点は以下の2つです。
- リフレッシュレートの設定: 多くのゲーミングモニターは初期設定では60Hzになっていることがあります。先ほど解説した通り、Windowsのディスプレイ設定からモニターの最大リフレッシュレートに手動で変更する必要があります。
- グラフィックボード(GPU)の出力端子: ゲーミングPCの場合、モニターケーブルはマザーボードの出力端子ではなく、必ずグラフィックボードの出力端子に接続してください。マザーボード側の出力はCPUに内蔵されたグラフィック機能を利用するため、高性能なグラフィックボードの性能を活かせません。
ゲーミングモニターのメーカーはどこがおすすめ?
ゲーミングモニターを販売しているメーカーは多数あります。
それぞれに強みや特徴があるため、自分に合うメーカーを探すのも良いでしょう。
- ASUS (ROG / TUF Gaming): 幅広い価格帯で高性能モデルからコスパの良いモデルまで揃っています。ゲーマー向けの機能が充実しています。
- BenQ (ZOWIE): プロゲーマー向けの高性能モデル「ZOWIE」シリーズが有名。応答速度や視認性を極限まで追求しています。
- Dell / Alienware: 高いデザイン性と堅実な性能を両立したモデルが多いです。サポート体制も充実しています。
- MSI: ゲーミングPCで培った技術をモニターにも応用しています。高機能なモデルが豊富です。
- Acer / Predator: 幅広い価格帯でゲーミングモニターを展開中。コストパフォーマンスに優れるモデルも多いです。
- I-O DATA (GigaCrysta): 日本のメーカー。応答速度に特化したモデルなど、独自の技術を持つ製品もあります。
これらのメーカーはどこも信頼できる品質を提供しています。
最終的には、
- あなたの予算
- 求める性能
- デザインの好み
に合わせて、最適な一台を選ぶのが良いでしょう。
購入前に実物を店舗で確認したり、レビュー記事を参考にしたりすることもおすすめします。
あなたにぴったりのゲーミングモニターを見つけよう!

ゲーミングモニターの選び方について、「Hz(リフレッシュレート)」と「応答速度(ms)」を中心に、その他の重要なポイントまで幅広く解説してきました。
これらの知識を活用することで、あなたのゲーミングライフは格段に向上するはずです。
「応答速度は5msでも1msでも動画視聴ではほとんど違いが分からない」という店員さんのアドバイスは、ゲーミングモニター選びにおいて、「自分の用途」を明確にすることの重要性を示してくれます。
やみくもにハイスペックを追求するのではなく、
- どんなゲームをプレイするのか
- どんな環境で使うのか
- どんな体験を求めるのか
を考えて、最適なバランスの一台を見つけることが大切です。
この記事で解説した様々な情報を参考に、あなたにぴったりのゲーミングモニターを見つけて、最高のゲーム体験をぜひ楽しんでください。
新しいモニターが、あなたのゲームプレイをさらに素晴らしいものにしてくれることを願っています!
商品関連メーカー公式サイト
- ASUS TUF Gaming VG249Q1A (ASUS公式サイト)
- IODATA GigaCrysta EX-LDGC242HTB (I-O DATA公式サイト)
- Dell G2724D (Dell公式サイト)
- MSI Optix G27C4 (MSI公式サイト)
- BenQ ZOWIE XL2546K (BenQ公式サイト)
- ASUS ROG Swift OLED PG27AQDM (ASUS公式サイト)
- NVIDIAコントロールパネル (NVIDIA公式サイト)
- AMD Radeon Software (AMD公式サイト)