「ゲーミングPCを自作したいけど、マザーボードって何を選べばいいの?」
「CPUとグラボは決めたけど、マザーボードの種類が多すぎて分からない…」
「見た目はどれも同じように見えるけど、何が違うんだろう?」
もしあなたが今、そんな疑問や不安を抱えているなら、このページはきっとあなたの疑問を解消し、最適なマザーボード選びをサポートするでしょう。
私もゲーミングPCの自作を考えた際、最初に直面した壁がこのマザーボード選びでした。
CPUやグラフィックボード(グラボ)の重要性は理解できても、マザーボードが具体的に何をするパーツなのか、どの要素がゲーム体験に影響するのか、そして各モデルの違いがなぜ価格にこれほど差をもたらすのか、最初は全く理解できませんでした。
マザーボードは、PCのすべての主要パーツ(CPU、メモリ、グラフィックボード、ストレージなど)を接続し、互いに通信させるための「基盤」あるいは「司令塔」となる、非常に重要な部品です。
たとえるなら、PCという大きな家を支える「土台」であり、各部屋(パーツ)をつなぐ「廊下」や「配管」のような役割を担っています。
この土台がしっかりしていなければ、どんなに高性能なCPUやグラボを積んでも、その性能を十分に発揮できません。
今回の記事では、ゲーミングPCのマザーボード選びで失敗しないために、2025年最新の情報を基に、
- マザーボードの基礎知識
- CPUとの互換性
- チップセットの種類
- フォームファクタ
- 拡張性
- 主要メーカーのおすすめモデル
まで、あなたが最適なマザーボードを選び、安心してゲーミングPCを組むために必要なすべての情報を網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたはもうマザーボード選びで迷うことはありません。
自信を持って最適な一枚を選び、自分だけの最高のゲーミングPCを組み立てましょう!
マザーボードの基礎知識
ゲーミングPCのパーツの中で、マザーボードは「見えにくいけれど最も重要」な存在です。
まずは、その基本的な役割と構造を理解しましょう。
マザーボードの役割とは?

マザーボードは、PCのあらゆる主要なパーツを相互に接続し、データが適切に流れるように管理する「基盤」または「中枢」です。
- CPU
- メモリ
- グラフィックボード
- ストレージ(SSD/HDD)
- 電源ユニット
など、すべてのパーツはマザーボードを介して連携し、PCとして機能します。
マザーボードがなければ、どんなに高性能なパーツもただの部品のままです。
各パーツを接続する「ハブ」
マザーボード上には、
- CPUを装着するソケット
- メモリを挿すスロット
- グラフィックボード
などの拡張カードを差し込むPCI Expressスロット。
ストレージを接続するSATAポートやM.2スロット。
キーボードやマウス、モニターなどを接続するUSBポートや映像出力端子など、さまざまなコネクタが配置されています。
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CPUソケットとチップセットの重要性
マザーボードを選ぶ上で最も重要なのが、搭載されている「CPUソケット」と「チップセット」です。
これらは、どのCPUが使えるかを決定します。
CPUソケット
CPUソケットは、CPUを物理的に取り付ける場所です。
IntelとAMDでは異なるソケット形状を採用しており、互換性がありません。
- Intel向けソケット: 現在の主流はLGA 1700(第12世代以降のCore iシリーズ対応)。以前はLGA 1200などがありました。
- AMD向けソケット: 現在の主流はAM5(Ryzen 7000シリーズ以降対応)。以前はAM4などがありました。 マザーボードのソケットとCPUのソケットが一致していなければ、物理的に取り付けることすらできません。
チップセット
チップセットは、マザーボード上でCPUと他のパーツ間のデータ通信を制御する役割を担っています。
チップセットの種類によって、サポートされる機能(USBポートの数、SATAポートの数、PCI Expressのレーン数、オーバークロック対応など)やグレードが異なります。
- Intel向けチップセット(例: Z790, B760, H770)
- Zシリーズ(Z790など): ハイエンド向け。CPUやメモリのオーバークロックに対応し、PCI Expressレーン数も多く、高性能なPC構築に最適です。
- Bシリーズ(B760など): ミドルレンジ向け。コストパフォーマンスに優れ、多くのゲーマーにとって十分な機能を提供します。オーバークロックはCPUに制限がある場合が多いです。
- Hシリーズ(H770など): エントリー~ミドルレンジ向け。安定した動作が特徴ですが、オーバークロックや拡張性はZシリーズより劣ります。
- AMD向けチップセット(例: X670E, B650E, A620)
- Xシリーズ(X670Eなど): ハイエンド向け。CPUやメモリのオーバークロックに強く、多くのPCI Express 5.0レーンをサポートします。
- Bシリーズ(B650Eなど): ミドルレンジ向け。バランスが良く、オーバークロックも一部可能です。多くのゲーマーにおすすめです。
- Aシリーズ(A620など): エントリー向け。必要最低限の機能に絞られており、最も安価です。オーバークロックには対応しません。
チップセットは、マザーボードのグレードと価格に直結するため、非常に重要な要素です。
フォームファクタ(サイズ)の種類
マザーボードには、PCケースに収まるようにいくつかの標準的なサイズ(フォームファクタ)があります。
ATX

最も一般的なサイズで、自作PCやゲーミングPCで広く採用されています。
拡張スロットやポートが豊富で、多くのパーツを搭載できます。
Micro-ATX(microATX)

ATXよりも一回り小さいサイズです。
拡張スロットの数はATXより少ないですが、コンパクトなPCケースにも収まりやすく、バランスの取れた選択肢となります。
Mini-ITX(mini-ITX)

最も小さいサイズで、非常にコンパクトなゲーミングPCを構築したい場合に選ばれます。
拡張スロットやポートは最小限になりますが、デスク上のスペースを節約できます。
マザーボードのフォームファクタは、PCケースの選択に直結します。
必ずPCケースが対応するフォームファクタのマザーボードを選びましょう。
ゲーミングマザーボード選びのポイント
ゲーミングPC向けの最適なマザーボードを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。
安定性と耐久性:電源回路と冷却性能
ゲーミングPCでは、CPUやグラフィックボードが高負荷で動作するため、マザーボードの安定性が非常に重要です。
特に電源回路と冷却性能は、PC全体のパフォーマンスと寿命に直結します。
電源回路(VRM)

CPUに安定した電力を供給する部分です。
ゲーミングPCでは、CPUが高性能なほど、より多くのフェーズ数(電源供給段階)を持つ高品質な電源回路を備えたマザーボードが望ましいです。
フェーズ数が多いほど、電力供給が安定し、CPUの性能を最大限に引き出せます。
ヒートシンク
電源回路(VRM)やチップセット、M.2 SSDなどに搭載されている金属製の放熱パーツです。
ゲーミングマザーボードでは、これらのヒートシンクが大型で効率的に設計されており、熱によるパフォーマンス低下を防ぎます。
拡張性と将来性:スロットとポート
ゲーミングPCは、後からパーツをアップグレードする可能性も高いため、マザーボードの拡張性は非常に重要な要素です。
PCI Express(PCIe)
スロット グラフィックボードを接続するための主要なスロットです。
現在主流はPCIe 4.0ですが、最新のグラフィックボードやNVMe SSDはPCIe 5.0に対応しています。
高速なPCIe 5.0スロットを備えていると、将来的なアップグレードの際にも安心です。
- PCIe x16スロット: グラフィックボードを接続する最も長いスロットです。通常、マザーボードには1つか2つあります。
- PCIe x1/x4スロット: サウンドカードやキャプチャーボード、ネットワークカードなどの拡張カード用です。
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メモリ(RAM)スロット

DDR4またはDDR5規格のメモリを搭載するためのスロットです。
通常、2本または4本のスロットがあります。
- DDR5対応: 最新のCPU(Intel第12世代以降、AMD Ryzen 7000シリーズ以降)はDDR5メモリに対応しています。DDR5はDDR4より高速ですが、DDR4とは互換性がありません。
- スロット数と最大容量: スロット数が多いほど、後からメモリを増設しやすくなります。また、マザーボードがサポートするメモリの最大容量も確認しましょう。
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ストレージ接続(M.2スロット、SATAポート)
ゲームデータの読み込み速度は、SSDの性能に大きく依存します。
高速なNVMe SSDを接続できるM.2スロットの数を確認しましょう。
M.2スロット

NVMe SSDを直接差し込む高速なスロットです。
PCIe 4.0またはPCIe 5.0に対応しているM.2スロットがあると、最新の高速SSDの性能を最大限に引き出せます。
複数のM.2スロットがあると、OS用とゲーム用などでSSDを分けたり、後から容量を増やしたりする際に便利です。
SATAポート
従来の2.5インチSSDや3.5インチHDDを接続するためのポートです。
大容量のデータ保存用として利用されます。
ネットワーク機能:有線LANとWi-Fi

オンラインゲームを快適にプレイするためには、高速で安定したネットワーク接続が不可欠です。
有線LAN(Ethernetポート)
ゲーミングPCでは、最も安定した接続を提供するため、ギガビットイーサネット(1GbE)以上の有線LANポートが必須です。
一部のマザーボードには2.5GbEや5GbEといった高速LANポートが搭載されており、NASへのアクセスや大容量データの転送速度を向上させます。
Wi-Fi(無線LAN)とBluetooth
デスクトップPCでは有線LANが基本ですが、Wi-Fi接続が必要な場合は、Wi-Fi 6(802.11ax)やWi-Fi 6Eに対応したマザーボードを選ぶと良いでしょう。
Bluetooth機能があれば、ワイヤレスマウスやキーボード、ヘッドセットなどを接続するのに便利です。
その他の機能:USBポート、オーディオ、RGBライティング
USBポート
周辺機器の接続に不可欠です。
USB 3.2 Gen2やGen2x2といった高速なUSBポートが多く搭載されていると、外付けSSDやVRデバイスなどの接続に便利です。
また、PCケースのフロントパネルに接続するUSB Type-Cヘッダーがあるかどうかも確認しましょう。
オーディオ機能
マザーボードに内蔵されているオンボードオーディオチップの品質も、ゲームのサウンド体験に影響します。
多くのゲーミングマザーボードは、より高音質なオーディオチップ(例: Realtek ALCシリーズ)や、ノイズ低減技術を採用しています。
RGBライティング

ゲーミングマザーボードの多くは、ヒートシンクやI/OカバーにRGB LEDが搭載されています。
ソフトウェアで発光パターンや色をカスタマイズできます。
他のRGB対応パーツ(メモリ、ファン、グラボなど)と同期させることで、PC全体で統一感のあるライティングを楽しめます。
- ASUSのAura Sync
- MSIのMystic Light
- GIGABYTEのRGB Fusion
- ASRockのPolychrome Sync
など、各メーカー独自の同期システムがあります。
主要メーカーとおすすめモデル
ゲーミングマザーボードを製造している主要メーカーはいくつかあります。
ここでは特に人気の高いブランドと、それぞれの特徴、おすすめモデルを紹介します。
ASUS(エイスース)

特徴
マザーボード市場で高いシェアを誇る大手メーカーです。
安定性、耐久性、機能性のバランスが良く、幅広いラインナップを展開しています。
特にゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」シリーズは、高性能と独自の冷却機能、洗練されたデザインで人気です。
おすすめシリーズ
- ROG(Republic of Gamers)シリーズ: ハイエンドゲーマーやオーバークロッカー向け。最高のパフォーマンス、豊富な機能、堅牢な電源回路、洗練されたデザインが特徴です。
- ROG STRIXシリーズ: ROGの機能を踏襲しつつ、より手頃な価格帯で高性能を提供。RGBライティングなども充実しています。
- TUF Gamingシリーズ: 高い耐久性と安定性を重視。ミリタリーグレードの部品を使用し、過酷な環境にも耐える設計が特徴です。コストパフォーマンスも良好。
- PRIMEシリーズ: 汎用性が高く、安定した動作が特徴。ゲーミングだけでなく、一般的な用途にも適しています。
MSI(エムエスアイ)

特徴
ゲーミングPCパーツに特化した製品開発で知られています。
特に電源回路の品質に定評があり、安定したオーバークロック性能を引き出せると評判です。
ゲーマー向けの機能が豊富で、価格帯も幅広く選択肢が多いです。
おすすめシリーズ
- MEGシリーズ: MSIのフラッグシップモデル。最高の性能と最新技術、豪華な装備が特徴で、エンスージアスト向けです。
- MPGシリーズ: ハイエンドからミドルレンジまでカバーするゲーミングシリーズ。優れた電源回路と冷却性能、豊富な機能、RGBライティングが魅力です。
- MAGシリーズ: コストパフォーマンスに優れたゲーミングシリーズ。耐久性が高く、必要な機能をバランス良く備えています。
GIGABYTE(ギガバイト)

特徴
耐久性と安定性を重視した製品作りが特徴です。
独自の高品質部品「Ultra Durable」を採用し、長寿命と高い信頼性を実現しています。
最近ではゲーミングブランド「AORUS(オーラス)」を展開し、デザイン性にも力を入れています。
おすすめシリーズ
- AORUSシリーズ: GIGABYTEのゲーミングブランド。高い耐久性と堅牢な電源回路、優れた冷却性能、そして魅力的なRGBライティングが特徴です。ハイエンドからミドルレンジまでカバーします。
- GIGABYTE(無印)シリーズ: 幅広い価格帯で、安定した性能と信頼性を提供します。
ASRock(アスロック)

特徴
コストパフォーマンスに優れた製品を多く提供しており、手頃な価格で高性能なマザーボードを探している方におすすめです。
ユニークな機能やデザインのモデルも多く、自作PCユーザーから根強い人気があります。
おすすめシリーズ
- Taichiシリーズ: ASRockのハイエンドモデル。高い機能性とデザイン性を両立しており、特にオーバークロック性能に優れます。
- Steel Legendシリーズ: 高い耐久性と安定性を重視したシリーズ。シルバー系のカラーリングが特徴的で、コスパも良好です。
- Phantom Gamingシリーズ: ゲーミングに特化したシリーズ。安定した動作と必要な機能をバランス良く備えています。
どこで買える?モールの紹介
ゲーミングマザーボードは、以下のオンラインストアや実店舗で購入できます。
大手PCパーツオンラインストア
- Amazon: 幅広い品揃えと迅速な配送が魅力。セールも頻繁に開催されます。
- ヨドバシカメラ、ビックカメラなどの家電量販店オンラインストア: ポイント還元率が高く、実店舗で実物を確認できる場合もあります。
- 専門PCパーツショップ(ドスパラ、TSUKUMO、PC工房など): 自作PCパーツの品揃えが豊富で、専門的なサポートも期待できます。
実店舗
- 家電量販店: 大都市圏の大型店では、一部のマザーボードが展示されており、店員に相談することも可能です。
- PCパーツ専門店: 秋葉原などの電気街にあるPCパーツ専門店では、最新モデルや掘り出し物が見つかることもあります。
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マザーボードのサイズとPCケースの選び方
マザーボードのサイズ(フォームファクタ)は、PCケース選びに直結する重要な要素です。
この組み合わせを間違えると、せっかく購入したパーツが収まらない、といった事態になりかねません。
フォームファクタとPCケースの対応
前述の通り、マザーボードには主にATX、Micro-ATX、Mini-ITXの3つのフォームファクタがあります。
それぞれのサイズは決まっており、PCケースもこれらのマザーボードサイズに対応するように作られています。
ATXマザーボードの場合

最も大きいATXマザーボードは、ミドルタワー型やフルタワー型のPCケースに対応しています。
これらのケースは内部空間が広く、高性能なグラフィックボードや複数のストレージ、大型のCPUクーラーなどを搭載しやすいため、冷却性能や拡張性を重視するゲーマーに適しています。
Micro-ATXマザーボードの場合

Micro-ATXマザーボードは、ミドルタワー型やコンパクトなミドルタワー型、または一部のミニタワー型のPCケースに対応します。
ATXケースにも搭載可能ですが、Micro-ATX対応ケースの方がよりコンパクトにまとめられます。
拡張性と省スペース性のバランスが良く、多くのゲーマーにとって現実的な選択肢となります。
Mini-ITXマザーボードの場合

Mini-ITXマザーボードは、ミニタワー型やキューブ型、スリム型といった非常に小型のPCケースに対応します。
限られたスペースにPCを設置したい場合や、持ち運びを考慮する場合には最適です。
しかし、内部空間が狭いため、搭載できるグラフィックボードのサイズやCPUクーラーの種類、ストレージの数などに制限が出やすい点に注意が必要です。
また、エアフローの確保も重要になります。
ケース内部のスペースとエアフローの確認
マザーボードのサイズだけでなく、PCケースを選ぶ際には、内部のスペースやエアフローも確認しておきましょう。
グラフィックボードの長さ
高性能なグラフィックボードは非常に長いため、ケース内に収まるか、またドライブベイや前面ファンと干渉しないかを確認する必要があります。
マザーボード上のPCIeスロットの位置も考慮しましょう。
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CPUクーラーの高さ
大型の空冷CPUクーラーを選ぶ場合、PCケースのサイドパネルが閉まる高さかを確認する必要があります。
簡易水冷クーラーを使用する場合は、ラジエーターの取り付けスペース(通常はケースの上面や前面)があるか確認しましょう。
ケースファンとエアフロー
熱を効率的に排出するため、PCケースには複数のファンを取り付けられるスペースがあることが望ましいです。
特にMini-ITXケースなどでは、内部の熱がこもりやすいため、適切なエアフローを確保できるデザインのケースを選びましょう。
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知っておきたいマザーボードの機能
ゲーミングマザーボードには、快適なゲーム体験をサポートし、PCの安定性を高めるための様々な機能が搭載されています。
BIOS/UEFIとアップデート
BIOS/UEFIとは
マザーボードに搭載されている基本的な入出力システムで、PC起動時に各パーツを初期化し、OSをロードする役割を担っています。
最近のマザーボードは、グラフィカルなインターフェースを持つ「UEFI」が主流で、マウス操作で直感的に設定を変更できます。
UEFIアップデートの重要性
新しいCPUが発売された際や、特定のバグ修正、パフォーマンス改善のために、UEFI(BIOS)のアップデートが必要になる場合があります。
特に、発売されたばかりのCPUを搭載する場合は、マザーボードのUEFIが対応バージョンにアップデートされているか確認が必要です。
一部のマザーボードには、CPUなしでUEFIをアップデートできる「BIOS Flashback」などの機能があり、初心者にも安心です。
オーバークロック対応
CPUとメモリの性能を引き出す

オーバークロックとは、CPUやメモリの動作クロックを定格以上に引き上げ、本来以上の性能を発揮させることです。
ゲーミングPCでは、フレームレートの向上に繋がる可能性があります。
- CPUオーバークロック: IntelのZシリーズチップセット(Z790など)と、型番の末尾に「K」が付くCPU(Core i7-14700Kなど)、AMDのXシリーズチップセット(X670Eなど)と、すべてのRyzen CPU(X付きモデルがより適している)が対応します。
- メモリオーバークロック(XMP/EXPO): 高速なメモリの性能を最大限に引き出すためのプロファイルです。Intel環境ではXMP、AMD環境ではEXPOと呼ばれます。対応マザーボードと対応メモリが必要です。 オーバークロックは、CPUやマザーボードに負荷をかけるため、安定した電力供給と高性能な冷却システムが必須です。初心者の場合は、無理にオーバークロックせず、デフォルト設定での安定動作を優先するのがおすすめです。
Q-LEDなどのデバッグ機能
自作PCを組み立てた際、電源は入るけれど画面に何も表示されない…というトラブルはよくあります。
そんな時に役立つのがデバッグ機能です。
Q-LED/Debug LED
マザーボード上に搭載された小さなLEDで、PC起動時にCPU、RAM、VGA(グラフィックボード)、BOOT(ストレージ)の各パーツのチェック状況を表示します。
もしどこかのパーツで問題が発生した場合、対応するLEDが点灯することで、原因を特定しやすくなります。
POST Code Display
より高度なマザーボードには、2桁の数字でエラーコードを表示するLEDディスプレイが搭載されていることもあります。
このコードをマニュアルで参照することで、より詳細なトラブルシューティングが可能です。
USB Type-Cヘッダー
PCケースフロントパネル接続用
最近のPCケースには、フロントパネルにUSB Type-Cポートが搭載されているモデルが増えています。
このポートを利用するには、マザーボードにUSB 3.2 Gen2x2 Type-Cの内部ヘッダーが搭載されている必要があります。
高速な外付けSSDやスマートフォンとの接続に便利です。
ゲーミングPCマザーボードのQ&A
マザーボード選びに関して、よくある疑問にお答えします。
Q1: マザーボードは性能に直結するの?
A1: 直接的にゲームのフレームレートが大きく変わるわけではありません。
マザーボードは、CPUやグラフィックボードのように直接的な計算処理を行うパーツではないため、マザーボードを変えただけでゲームのフレームレートが劇的に向上することはありません。
しかし、マザーボードはPC全体の安定性や、各パーツが本来の性能を最大限に発揮できるかどうか、そして将来的な拡張性に大きく影響します。
例えば、電源回路が貧弱なマザーボードでは、高性能なCPUを搭載しても電力供給が不安定になり、性能が頭打ちになったり、フリーズの原因になったりする可能性があります。
また、高速なM.2 SSDスロットが少なかったり、Wi-Fi機能が古かったりすると、PCの使い勝手やゲーム環境の快適さに影響が出ます。
つまり、マザーボードは「土台」であり「縁の下の力持ち」です。
目に見えて性能が上がるわけではありませんが、PC全体の安定稼働とパーツの潜在能力を引き出す上で不可欠な存在です。
Q2: 安いマザーボードでも大丈夫?
A2: 用途によりますが、ゲーミングPCならある程度の品質は必要です。
エントリークラスのCPUとグラボで、軽いゲームやeスポーツタイトルを中心に楽しむのであれば、比較的安価なBシリーズやHシリーズチップセットのマザーボードでも十分です。
しかし、ハイエンドなCPUやグラボを搭載したり、オーバークロックを検討したりする場合は、安定した電力供給と冷却性能、そして十分な拡張性を備えた、ミドルレンジ以上のマザーボードを選ぶべきです。
安すぎるマザーボードは、電源回路が貧弱でCPUの性能を引き出しきれなかったり、M.2スロットが少なかったり、Wi-FiやUSBポートの種類が古かったりする可能性があります。
長期的に安定してPCを使用したい、将来的にパーツをアップグレードする可能性がある、という場合は、マザーボードに適切な予算を割くことをおすすめします。
Q3: どこのメーカーがおすすめ?
A3: ASUS、MSI、GIGABYTE、ASRockの4大メーカーがおすすめです。
どのメーカーもそれぞれ特徴があり、一概に「このメーカーが一番」とは言えません。
- ASUS: 全体的にバランスが良く、品質と機能性が高い。ROG/ROG STRIXは高性能モデル。
- MSI: 電源回路に定評があり、安定したゲーミング性能を求めるならおすすめ。
- GIGABYTE: 耐久性と信頼性が高く、Ultra Durable技術が魅力。AORUSはデザインも人気。
- ASRock: コストパフォーマンスに優れ、ユニークな機能を持つモデルも多い。
最終的には、CPUとの互換性、必要な機能、フォームファクタ、そして予算を考慮し、それぞれのメーカーのシリーズやモデルを比較検討するのが良いでしょう。
見た目のデザインやRGBライティングの好みで選ぶのも、ゲーミングPCならではの楽しみ方の一つです。
Q4: マザーボードの交換は難しい?
A4: 自作PCの経験があれば不可能ではありませんが、初心者には少しハードルが高い作業です。
マザーボードの交換は、PCの全てのパーツを一度取り外し、新しいマザーボードに組み直す作業が必要になります。
- CPUの取り付け
- CPUクーラーの再装着
- メモリの差し直し
- グラフィックボードやストレージの接続
- PCケースへの固定と配線
など、多くの工程を伴います。
特に配線は複雑で、
- 電源ケーブル
- ケースファンケーブル
- フロントパネルケーブル
など、数多くのケーブルを正しく接続する必要があります。
また、UEFIの設定や、OSの再インストールが必要になるケースもあります。
そのため、初めて自作PCを組む方や、PC内部の作業に慣れていない方にとっては、かなり難しい作業となるでしょう。
基本的には、最初に組む際に将来性も考慮して最適なマザーボードを選ぶことを強くおすすめします。
まとめ:最適なマザーボードを選ぼう
この記事では、ゲーミングPCを構築する上で欠かせない「マザーボード」について、
- 基本的な役割
- 選び方のポイント
- 主要メーカーの紹介
- よくある疑問
まで、幅広く解説してきました。
マザーボードは、CPUやグラフィックボードのように直接的にゲームのフレームレートを劇的に変えるパーツではありません。
しかし、PCのすべてのパーツを繋ぎ、安定して動作させるための「縁の下の力持ち」であり、「ゲーミングPCの土台」とも言える非常に重要な部品です。
私が初めてゲーミングPCを組んだ際、マザーボード選びでかなり頭を悩ませました。
しかし、一つ一つのパーツがマザーボードを介して連携し、PCが起動した時の感動は忘れられません。
この経験から、マザーボード選びは、PCの安定性、将来的な拡張性、そして組んだ後の安心感に大きく影響すると痛感しました。
最適なマザーボードを選ぶためのポイントをまとめると、以下のようになります。
- CPUとの互換性を確認する: 使用するCPUのソケット(LGA1700またはAM5)とチップセット(Z790, B760, X670E, B650など)に対応しているか、が最も重要です。
- フォームファクタ(サイズ)を決める: PCケースと互換性があるか、デスクのスペースに合うかを確認しましょう。ATXが最も一般的で、Micro-ATX、Mini-ITXと小さくなります。
- 拡張性と将来性を考慮する: 必要なM.2スロットの数、DDR5メモリ対応か、PCIe 5.0対応か、USBポートの種類と数などを確認し、将来のアップグレードを見越しましょう。
- 安定性と冷却性能: 電源回路(VRM)のフェーズ数やヒートシンクの有無・サイズをチェックし、安定した動作と長寿命を確保しましょう。
- 必要な機能を選ぶ: Wi-FiやBluetooth、高速LAN、高音質オーディオ、RGBライティングなど、自分が求める機能があるか確認しましょう。
- 信頼できるメーカーから選ぶ: ASUS、MSI、GIGABYTE、ASRockといった主要メーカーから、自分の予算と好みに合ったモデルを探しましょう。
マザーボード選びは、ゲーミングPC構築の最初の、そして最も重要なステップの一つです。
この記事で得た知識が、あなたが後悔しない最適な一枚を見つけ、最高のゲーミングライフを送るための一助となれば幸いです。
ぜひ、あなたのゲーム体験を支える堅牢な「土台」を見つけてください!
参考文献・参考サイト
- Intel 公式サイト: デスクトップ用プロセッサー https://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/products/docs/processors/core/core-14th-gen-desktop-brief.html
- AMD 公式サイト: デスクトップ用プロセッサー https://www.amd.com/ja/products/processors/desktops/ryzen.html
- ドスパラのマザーボードおすすめランキング:https://www.dospara.co.jp/BR21