ゲーミングPCの心臓部!電源ユニット選びで失敗しないためのすべて

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ゲーミングPC内部の電源ユニットが各パーツに電力を供給する様子。 PCパーツ

ゲーミングPCの性能を左右するパーツとして、GPUやCPUが注目されがちです。

しかし、それらの高性能なパーツが本来の能力を最大限に発揮するためには、安定した電力供給が不可欠です。

その電力供給の要となるのが、電源ユニット、いわゆるPCの電源です。

私自身、初めてゲーミングPCを購入した際、VRAMの重要性は店員さんに教えてもらうまで知りませんでした。

電源についても同じような状況でした。

高性能なグラフィックボードを選んだものの、電源容量をあまり意識せずに選ぶとどうなる?

  • 電源不足によるゲームの不安定な動作
  • 最悪の場合はPCのフリーズ
  • 突然のシャットダウン

といった問題につながる可能性があることを店員さんから教えていただきました。

あの時の経験から、電源ユニットがゲーミングPCの安定性と寿命を左右する重要なパーツだと痛感しました。

電源はPCの心臓部です。

各パーツへ電力を供給するだけではありません。

システム全体の安定性を保つための保護機能も搭載しています。

電源の容量不足や品質の低さは、ゲーム中のカクつきやフリーズだけではありません。

パーツの故障に繋がる可能性さえあります。

  • ゲーミングPCの性能を最大限に引き出したい
  • 長く使いたい
  • 安心して使う環境にしたい

そのためには、電源ユニット選びは非常に重要な要素なのです。

今回の記事では、

  • ゲーミングPCにおける電源ユニットの役割
  • 必要な容量の計算方法
  • 電力変換効率を示す80 PLUS認証の種類とメリット
  • おすすめの製品

まで、ゲーマーが知っておくべき電源のすべてを初心者にもわかりやすく解説します。

2025年現在の最新情報も踏まえ、あなたのゲーミングPCに最適な電源を選ぶための知識と解決方法を提供します。

安定した快適なゲームライフを送るために、電源選びの重要性を再確認しましょう。

  1. ゲーミングPCにおける電源ユニットの基礎知識
    1. 電源ユニットの役割と重要性
  2. 電源ユニットの規格と種類
    1. ATX電源
    2. SFX電源
    3. モジュラー式と非モジュラー式
  3. ゲーミングPCに必要な電源容量の計算方法
    1. 各パーツの消費電力の目安
    2. 電源容量の計算ツールと目安
    3. 電源計算ツールの利用
    4. 容量に余裕を持たせる理由
  4. ゲーミングPCの電源ユニット選びのポイント
    1. 80 PLUS認証とは?
    2. 認証の種類と効率
    3. 認証のメリット
    4. 静音性と冷却性能
    5. ファンの種類とサイズ
    6. 保護機能と安全性
    7. 信頼性と保証期間
  5. おすすめのゲーミングPC電源ユニット【2025年最新版】
    1. 容量別おすすめモデル
    2. 850Wクラス(ミドルハイ〜ハイエンドGPU向け)
    3. 1000W以上(最上位GPU、デュアルGPU、クリエイター向け)
    4. BTOパソコンでの電源ユニット選択
  6. 電源ユニットの取り付けとメンテナンス、トラブルシューティング
    1. 電源ユニットの取り付けとケーブル配線
    2. 電源ユニットの寿命とメンテナンス
    3. 電源関連のトラブルシューティング
  7. よくある質問と電源ユニットのさらなる知識
    1. Q. ゲーミングノートPCにも電源ユニットは必要ですか?
    2. Q. 電源容量が大きいと電気代が高くなりますか?
    3. Q. 古い電源ユニットを新しいPCに使い回せますか?
    4. 12VレールとPCIE 5.0(12VHPWR)コネクタ
    5. アクティブPFCとコンデンサー
    6. サイト外リンクと参考情報
  8. ゲーミングPCの電源ユニットは「縁の下の力持ち」

ゲーミングPCにおける電源ユニットの基礎知識

ゲーミングPCの電源ユニットは、パソコン全体に電力を供給する重要なパーツです。

  • マザーボード
  • CPU
  • GPU
  • ストレージ

など、すべての部品に電力を供給します。

安定した動作を支えています。

電源ユニットの役割と重要性

PCの心臓部としての電源

電源ユニットはPCの心臓部と呼ばれます。

コンセントから供給される交流電力を、PCの各パーツが使用する直流電力に変換する役割を担っています。

電圧を適切に調整します。

安定して供給することが、システム全体の安定性を保つ上で極めて重要です。

安定供給の重要性

ゲーミングPCは、ゲーム中の高負荷時に大量の電力を消費します。

特に高性能なGPUやCPUは、一時的に多くの電力を要求することがあります。

電源ユニットが十分な電力を安定して供給できない場合、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • ゲーム中のカクつきやフリーズ
  • PCが突然シャットダウンする
  • パーツの寿命が短くなる、故障の原因となる
  • ブルースクリーンが発生する

そのため、ゲーミングPCでは容量に余裕があり、品質の高い電源ユニットを選ぶことが非常に重要なのです。

電源ユニットがPCの各パーツに安定した電力を供給する様子。

電源ユニットの規格と種類

PCの電源ユニットにはいくつかの規格と種類があります。

自作PCの場合は特に、PCケースとマザーボードに対応した規格を選ぶことが必要です。

ATX電源

現在、最も一般的で主流なのがATX電源です。

デスクトップPCの多くに採用されています。

幅広い容量と製品が販売されています。

サイズも標準的。

ATX規格のPCケースであれば問題なく収まります。

SFX電源

小型PCやミニタワー、スリムPCケース向けの電源がSFX電源です。

ATX電源よりもコンパクトなサイズ。

内部スペースが限られたPCに最適です。

高性能なGPUを搭載できる小型ゲーミングPCの需要が高まるにつれて、SFX電源の種類も増えました。

高容量のモデルも登場しています。

ATX電源とSFX電源のサイズと形状の比較。

モジュラー式と非モジュラー式

電源ユニットのケーブルの種類も選択肢の一つです。

モジュラー式(フルモジュラー/セミモジュラー)

モジュラー式電源ユニットは、必要なケーブルだけを接続できるタイプです。

完全にすべてのケーブルが着脱可能な「フルモジュラー」。

主要なケーブル(マザーボード用など)は固定で、その他が着脱可能な「セミモジュラー」。

2つの種類があります。

  • メリット: 不要なケーブルを配線せず、PCケース内部をすっきりと保てる。そのため、エアフローが向上。冷却性能が高まります。また、組み立てやメンテナンスが容易になります。
  • デメリット: 非モジュラー式に比べて価格が少し高くなります。

非モジュラー式

非モジュラー式電源ユニットは、すべてのケーブルが本体に固定されており、取り外しができません。

  • メリット: モジュラー式に比べて安価です。
  • デメリット: 不要なケーブルをPCケース内に収納する必要があります。配線が複雑になりがち。エアフローを阻害する可能性があります。

ゲーミングPCでは冷却性能も重要な要素なので、予算に余裕があればモジュラー式がおすすめです。

モジュラー式と非モジュラー式電源ユニットのケーブル構造の比較。

ゲーミングPCに必要な電源容量の計算方法

ゲーミングPCの電源容量は、搭載するパーツの合計消費電力を考慮して選ぶことが最も重要です。

容量不足は安定動作の妨げとなります。

各パーツの消費電力の目安

GPUの消費電力

ゲーミングPCにおいて、最も消費電力が大きいパーツはGPU(グラフィックボード)です。

高性能なGPUほど多くの電力を必要とします。

  • ミドルレンジGPU(例: RTX 4060、RX 7600):約100W〜170W
  • ミドルハイレンジGPU(例: RTX 4070、RX 7800 XT):約200W〜270W
  • ハイエンドGPU(例: RTX 4080 SUPER、RTX 4090、RX 7900 XTX):約300W〜450W以上

これらの数値はあくまで目安であり、モデルやオーバークロックの有無によって異なります。

正確な情報は、各GPUメーカーの公式サイトで確認しましょう。

CPUの消費電力

CPUも重要な消費電力源です。

Intel Core iシリーズやAMD Ryzenシリーズなど、モデルによってTDP(Thermal Design Power、熱設計電力)が異なります。

  • Intel Core i5 / AMD Ryzen 5クラス:約65W〜125W
  • Intel Core i7 / AMD Ryzen 7クラス:約100W〜200W
  • Intel Core i9 / AMD Ryzen 9クラス:約125W〜250W以上

最新世代の高性能CPUは、瞬間的に定格を超える電力を消費することもあります。

その他のパーツの消費電力

  • マザーボード
  • メモリ
  • SSD(NVMeやSATA)
  • HDD
  • ケースファン
  • CPUクーラー
  • 光学ドライブ(DVD、Blu-rayなど)
  • USB接続の周辺機器(キーボード、マウス、ヘッドセット、モニターなど)

なども電力を消費します。

これらの合計は一般的に50W〜150W程度です。

  • SSDやHDDの搭載が多い
  • ファンを多数搭載する場合

は増加します。

ゲーミングPCの主要パーツごとの消費電力目安。

電源容量の計算ツールと目安

PCパーツの消費電力を個別に計算するのは手間がかかります。

多くのメーカーが提供している電源容量計算ツールを利用すると簡単に必要なワット数を算出できます。

電源計算ツールの利用

  • NVIDIAやOuterVision(eXtreme Power Supply Calculator Lite)
  • またはPCパーツの販売サイト

などで提供されている電源容量計算ツールは、搭載予定のCPUやGPU、ストレージの種類や数などを入力するだけで、推奨される電源容量を計算してくれます。

各GPUメーカーの推奨ワット数

GPUメーカーは、各モデルに対して推奨される電源容量を公開しています。

これはそのGPUを安定して動作させるために必要な最低限の容量を示していることが多いです。

  • GeForce RTX 4060:550W以上
  • GeForce RTX 4070 SUPER:650W以上
  • GeForce RTX 4080 SUPER:750W以上
  • GeForce RTX 4090:850W以上
  • Radeon RX 7600: 550W以上
  • Radeon RX 7800 XT: 700W以上
  • Radeon RX 7900 XTX: 750W以上

これらの推奨値は、一般的なシステムでの目安です。

CPUが特に高性能だったり、多数のストレージやファンを搭載する場合は、さらに余裕を持った容量を選ぶことが望ましいです。

主要なGPUモデルごとの推奨電源容量の一覧表。

容量に余裕を持たせる理由

電源ユニットは、最大出力の50%〜80%程度で動作させるのが最も効率的です。

安定性も高まります。

効率と安定性の向上

電源ユニットは、最大出力に近い状態で稼働させると変換効率が低下します。

発熱も多くなります。

発熱は寿命を縮める原因となります。

少し余裕を持った容量の電源を選ぶことで、電力変換効率が向上します。

発熱を抑えます。

ファンの回転数も低く保てるため、静音性にも繋がります。

将来的なアップグレードへの対応

ゲーミングPCは、将来的に新しいGPUやCPUに交換することも考慮されます。

現在は十分な容量でも、次世代の高性能パーツでは不足する可能性があります。

購入時に少し余裕を持った容量の電源を選んでおけば、後からのアップグレードがスムーズになります。

例えば、合計消費電力が400Wと計算された場合でも、600Wや750Wの電源ユニットを選ぶと安心です。

特にRTX 4070やRX 7800 XTといったミドルハイレンジGPUを搭載する場合は、750W〜850Wの電源がおすすめです。

電源容量に余裕を持たせることで将来的なPCアップグレードに対応するイメージ。

ゲーミングPCの電源ユニット選びのポイント

電源容量だけでなく、品質や付加機能も電源ユニット選びでは重要なポイントです。

80 PLUS認証とは?

80 PLUS認証は、電源ユニットの電力変換効率を示す国際的な認証プログラムです。

取得している製品は、一定の効率基準を満たしていることを保証します。

認証の種類と効率

80 PLUS認証には、StandardからTitaniumまでいくつかのグレードがあります。

グレードが高いほど変換効率が高くなります。

  • 80 PLUS Standard:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ80%、80%、80%以上の変換効率
  • 80 PLUS Bronze:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ82%、85%、82%以上の変換効率
  • 80 PLUS Silver:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ85%、88%、85%以上の変換効率
  • 80 PLUS Gold:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ87%、90%、87%以上の変換効率
  • 80 PLUS Platinum:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ90%、92%、89%以上の変換効
  • 80 PLUS Titanium:20%、50%、100%負荷時にそれぞれ90%、92%、90%以上の変換効率(ただし10%負荷時に90%以上も必要)
80 PLUS認証の各グレードとそれぞれの電力変換効率の表。

認証のメリット

変換効率が高いほど、電気代を節約できるだけではありません。

発熱が少なくなります。

ファンの回転数が抑えられて静音性が向上します。

また、発熱が少ないということは、電源ユニット自体の寿命も長くなる傾向にあります。

ゲーミングPC用途では、Gold認証以上のモデルを選ぶと良いでしょう。

静音性と冷却性能

ゲーミングPCを快適に使う上で、静音性も重要な要素です。

ファンの種類とサイズ

電源ユニットには内部の熱を排出するための冷却ファンが搭載されています。

ファンのサイズは120mmや140mmが主流です。

一般的に、ファンのサイズが大きいほど、低回転数で効率的に冷却できる。

そのため、静音性に優れます。

セミファンレス機能

一部の電源ユニットには「セミファンレス機能」が搭載されています。

これは、低負荷時にはファンの回転を停止させます。

完全に無音にする機能です。

  • ゲームをプレイしていない時
  • 動画視聴
  • Web閲覧

といった軽作業時に静音性を重視する方におすすめです。

一定の温度や負荷を超えるとファンが自動的に稼働し、冷却を開始します。

セミファンレス機能を搭載した電源ユニットの動作イメージ。

保護機能と安全性

電源ユニットは、PCの故障を防ぐための様々な保護機能を搭載しています。

過電圧保護(OVP)など

主要な保護機能には、

  • 過電圧保護(OVP)
  • 過電流保護(OCP)
  • 過電力保護(OPP)
  • 短絡保護(SCP)
  • 過熱保護(OTP)

などがあります。

これらの機能は、万が一の異常時に電源ユニットや接続されたパーツを保護します。

故障や破損を防ぎます。

有名メーカーの製品であれば、基本的にこれらの保護機能は搭載されていますが、購入時にスペック表で確認するとより安心です。

電源ユニットの過電圧、過電流、過電力、短絡、過熱保護機能のアイコン。

信頼性と保証期間

電源ユニットはPCの寿命に直結するパーツなので、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが重要です。

有名メーカーの製品を選ぶ

  • Corsair
  • Seasonic
  • SilverStone
  • Antec
  • Cooler Master
  • Thermaltake
  • 玄人志向(一部OEM)

など、実績と評価の高いメーカーの製品を選ぶことをおすすめします。

これらのメーカーは長年の経験と技術力に裏打ちされた高品質な電源ユニットを提供しています。

長い保証期間

電源ユニットの保証期間は、製品の品質とメーカーの自信を示すバロメーターと言えます。

5年〜10年といった長い保証期間を設定しているモデルは、それだけ製品の信頼性が高いと判断できます。

ゲーミングPCを長く快適に使うためにも、保証期間も選ぶ際の重要なポイントにしましょう。

電源ユニットの長期保証と信頼性の象徴。

おすすめのゲーミングPC電源ユニット【2025年最新版】

2025年現在、市場には様々な電源ユニットが販売されています。

ここでは、用途別におすすめのモデルをいくつか紹介します。

容量別おすすめモデル

650W〜750Wクラス(ミドルレンジGPU向け)

GeForce RTX 4060やRadeon RX 7600などのミドルレンジGPUを搭載。

フルHDでのゲーミングが主な目的。

こんな場合は、650W〜750Wクラスの電源がおすすめです。

Gold認証以上のモデルを選ぶと、効率も良く、安定した動作が期待できます。

  • Corsair RM750e (2023):750W、80 PLUS Gold認証。静音性と安定性に優れ、コストパフォーマンスも良い人気モデルです。
  • Seasonic FOCUS Plus Gold SSR-750FX: 750W、80 PLUS Gold認証。高い信頼性と安定性で定評のあるSeasonic製。10年保証も魅力です。
650W〜750WクラスのゲーミングPC向けおすすめ電源ユニット。

850Wクラス(ミドルハイ〜ハイエンドGPU向け)

  • GeForce RTX 4070 SUPER
  • RTX 4080 SUPER
  • Radeon RX 7800 XT
  • RX 7900 XT

などのミドルハイ〜ハイエンドGPUを搭載する場合。

850Wクラスの電源が最適です。

将来のアップグレードも考慮すると、この「容量」が安心です。

  • Corsair RM850x (2021):850W、80 PLUS Gold認証。安定性と静音性に定評があり、多くのゲーマーに選ばれています。
  • Seasonic FOCUS GX-850: 850W、80 PLUS Gold認証。高品質なコンデンサーを採用し、長期保証で安心。
  • MSI MPG A850G PCIE5: 850W、80 PLUS Gold認証。最新のPCIe Gen 5(12VHPWR)コネクタに対応しており、RTX 40シリーズのハイエンドモデルを使用する方におすすめです。
850WクラスのハイエンドゲーミングPC向けおすすめ電源ユニット。

1000W以上(最上位GPU、デュアルGPU、クリエイター向け)

  • GeForce RTX 4090
  • Radeon RX 7900 XTX

といった最上位GPUを搭載する場合。

または複数のGPUを搭載する場合。

さらに

  • 動画編集
  • 3Dレンダリング
  • AI学習

などのクリエイティブ作業で高負荷が長時間かかる場合は、1000W以上の大容量電源が必要です。

  • Corsair HX1000i: 1000W、80 PLUS Platinum認証。高い変換効率と静音性を両立。デジタル制御で安定性も抜群です。
  • Seasonic PRIME TX-1000: 1000W、80 PLUS Titanium認証。最高クラスの変換効率と安定性を誇る、最高級モデルです。
  • ASUS ROG Thor 1000P2: 1000W、80 PLUS Platinum認証。OLEDディスプレイ搭載で消費電力を表示できるユニークな機能と高い品質を持つモデルです。
1000W以上の最上位ゲーミングPCやクリエイター向け電源ユニット。

BTOパソコンでの電源ユニット選択

BTOパソコンを購入する場合、電源ユニットはカスタマイズ項目の一つとして提供されます。

標準搭載モデルとアップグレード

BTOパソコンの構成では、基本的な構成だと標準的な電源ユニットが搭載されています。

しかし、高性能GPUを選ぶと、推奨容量に合わせて自動的に上位の電源が選択される場合が多いです。

カスタマイズのオプションで、

  • より高効率の80 PLUS認証のモデル
  • 有名メーカー製の電源ユニット

にアップグレードできることがあります。

予算に余裕があれば、アップグレードを検討することを強くおすすめします。

長期間の安定動作や将来のアップグレードを考えると、投資する価値は十分にあります。

BTOパソコンのカスタマイズ画面で電源ユニットをアップグレードするオプション。

電源ユニットの取り付けとメンテナンス、トラブルシューティング

電源ユニットはPCの中でも比較的交換やメンテナンスが簡単なパーツの一つですが、注意点もあります。

電源ユニットの取り付けとケーブル配線

取り付けの基本

電源ユニットはPCケースの底部または上部にネジで固定します。

多くのゲーミングPCケースは底部に電源ユニットを設置する設計になっています。

独立した吸排気が可能。

冷却性能の向上に貢献します。

ケーブル配線のコツ

モジュラー式電源の場合は、必要なケーブルだけを接続。

不要なケーブルはケース内に収納せずにおきましょう。

主要なケーブル(マザーボード24ピン、CPU8ピン、GPU用PCIe電源ケーブルなど)を接続したら、裏配線スペースを利用してきれいにまとめましょう。

配線を整えることで、ケース内のエアフローが改善されます。

冷却効率が向上します。

電源ケーブルの効率的な配線(ケーブルマネジメント)の例。

電源ユニットの寿命とメンテナンス

電源ユニットにも寿命があります。適切なメンテナンスを行うことで、その寿命を延ばすことが可能です。

電源ユニットの寿命

一般的に、高品質な電源ユニットの寿命は5年〜10年と言われています。

しかし、

  • 使用環境(温度、湿度、ホコリ)
  • 負荷状況
  • 製品の品質

によって大きく異なります。

電源ユニット内部のコンデンサーは熱に弱い。

そのため、発熱が多い環境で長時間稼働させると劣化が早まります。

ホコリ対策と清掃

電源ユニットのファンや内部にはホコリが溜まりやすいです。

ホコリは熱をこもりやすくします。

冷却効率を低下させます。

故障の原因となります。

定期的にエアダスターなどでホコリを清掃しましょう。

特にPCケースの底面に吸気ファンがある電源ユニットは、ホコリフィルターをこまめに掃除することが重要です。

電源ユニットのホコリをエアダスターで清掃している様子。

電源関連のトラブルシューティング

PCの動作が不安定な場合、電源ユニットに原因があることも少なくありません。

突然のシャットダウンやフリーズ

  • ゲーム中にPCが突然シャットダウンした
  • フリーズした

こうした場合は、

  • 電源容量不足
  • 電源ユニットの故障

が原因の可能性があります。

特に高負荷時に発生する場合は、電源の問題を疑ってみましょう。

異音や異臭

  • 電源ユニットから異音(コイル鳴き、ファンの異音など)がした
  • 焦げたような異臭がしたりする

こんな場合は、すぐにPCの使用を中止しましょう。

電源ケーブルを抜いてください。

これは故障のサインです。

放置すると火災などの重大な事故に繋がる可能性があります。

診断と交換

電源ユニットの問題を診断するには、

  • 別の電源ユニットに交換して動作を確認する方法
  • 電力計を使って消費電力を計測する方法

があります。

故障が確認された場合は、新しい電源ユニットへの交換が必要です。

保証期間内であれば、メーカーに問い合わせて修理や交換を依頼しましょう。

電源ユニットのトラブル診断と交換作業のイメージ。

よくある質問と電源ユニットのさらなる知識

ゲーミングPCの電源に関する疑問を解決し、さらに深い知識を身につけましょう。

電源に関するよくある質問をご紹介します。

Q. ゲーミングノートPCにも電源ユニットは必要ですか?

A. ゲーミングノートPCには、デスクトップPCのような内蔵された独立した電源ユニットはありません。

外部にACアダプターが付属しています。

それが電源ユニットの役割を果たします。

ACアダプターもノートパソコンの消費電力に合わせて容量が異なります。

高性能なゲーミングノートPCほど大きいACアダプターが付属しています。

別途購入することはあまりないですが、故障時や紛失時は、必ず純正品または互換性のある製品で容量の同じものを選ぶようにしましょう。

ゲーミングノートPCのACアダプターが電源ユニットの役割を果たす様子。

Q. 電源容量が大きいと電気代が高くなりますか?

A. 電源容量が大きいからといって、電気代が直接的に高くなるわけではありません。

電気代は実際に消費された電力(ワットアワー)に基づいて計算されます。

例えば1000Wの電源ユニットを搭載していても、PC全体の消費電力が500Wであれば、実際に消費されるのはその500W分です。

むしろ、大容量の電源ユニットは、余裕を持って動作します。

変換効率が高い50%〜80%の負荷時で稼働しやすくなります。

結果的に電気代を抑えられる可能性があります。

電源容量と実際の電気代の関係、効率的な稼働範囲の説明。

Q. 古い電源ユニットを新しいPCに使い回せますか?

A. 基本的には可能ですが、推奨はできません。

古い電源ユニットは最新のGPUやCPUの要求電力に対応していない可能性もあります。

コンデンサーなどの経年劣化により、安定性が低下している可能性があります。

特に最新のグラフィックボードは、専用の12VHPWRなどのコネクタを必要とする場合があります。

古い電源では対応できないことも多いです。

ゲーミングPCの安定動作を重視するなら、新しいPCには新しい電源ユニットの購入を検討することをおすすめします。

古い電源ユニットを新しいPCに使い回すことのリスクと互換性の問題。

電源ユニットのさらなる知識について解説します。

12VレールとPCIE 5.0(12VHPWR)コネクタ

現代のPC、特にゲーミングPCでは、GPUやCPUが最も多くの電力を消費します。

これらのパーツは主に12Vラインから電力を供給されます。

電源ユニットの12Vレールの合計出力が、GPUやCPUの最大消費電力を賄えるかどうかは重要な確認事項です。

最新のNVIDIA GeForce RTX 40シリーズの一部のハイエンドGPUでは、PCIe Gen 5規格の12VHPWR(または12V-2×6)コネクタが採用されています。

このコネクタは1本で最大600Wの電力を供給可能。

従来の8ピンコネクタを複数接続する手間を省くことができます。

最新のRTX 4070 SUPERやRTX 4080 SUPERを搭載する場合は、この12VHPWRに対応した電源ユニットを選ぶと配線がすっきりします。

PCIe Gen 5の12VHPWRコネクタがGPUに接続されている様子

アクティブPFCとコンデンサー

電源ユニットの品質を測る要素として、「アクティブPFC」と内部に使用されている「コンデンサー」の種類も挙げられます。

アクティブPFC(Power Factor Correction)は、電力の利用効率を高める機能で、多くの現代の電源ユニットに搭載されています。

また、電源ユニットの寿命や安定性に大きく影響するのがコンデンサーです。

日本製コンデンサーは信頼性が高く、長寿命であることで知られています。

高品質な電源ユニットは、日本製コンデンサーを採用していることをアピールしている場合が多いです。

電源ユニット内部のアクティブPFC回路と日本製コンデンサーのイメージ。

サイト外リンクと参考情報

ゲーミングPCの電源選びは、PCの安定性を左右します。

慎重な検討が必要です。

以下のサイトも参考にしながら、最新の情報やレビューをチェックしてください。

あなたの構成に最適な電源ユニットを見つけてください。

  • ドスパラ (電源ユニット): 電源ユニット | ドスパラ通販 – BTOパソコンだけでなく、PCパーツの販売も行い、最新の電源ユニットが購入できます。
  • パソコン工房 (電源ユニット): PC電源 | パソコン工房 – BTOパソコンやPCパーツの販売で人気があり、多くのゲーマーに利用されています。
  • 80 PLUS 公式サイト: 80 PLUS – 80 PLUS認証の詳細な情報や認証済み製品の一覧が確認できます。

ゲーミングPCの電源ユニットは「縁の下の力持ち」

ゲーミングPCの電源ユニットは、地味な存在に見えがちです。

しかし、PC全体の安定動作を支える「縁の下の力持ち」です。

高性能なGPUやCPUの性能を最大限に引き出すためには欠かせないパーツです。

私自身の経験からも、電源不足が引き起こす問題の深刻さを痛感しました。

最新のGPUやCPUは消費電力が増える傾向にあります。

将来のアップグレードも視野に入れ、余裕を持った容量(例えば750W〜850W、ハイエンドなら1000W以上)のGold認証以上の電源を選ぶことがおすすめです。

適切な電源ユニットを選ぶことで、ゲーム中のカクつきやシャットダウンといったトラブルを防ぎます。

快適で安定したゲームプレイを長く楽しむことが可能になります。

ゲーミングPCの購入やアップグレードを検討している方は、この記事があなたの電源ユニット選びの参考になり、最高のゲーミング環境を構築できることを願っています。

もし電源ユニットの選び方やトラブルに関して、さらに詳しく知りたい点があれば、お気軽に質問してください。