「せっかくほくろを除去したのに、しばらくしたらまた黒い点が浮き出てきた…」。
この経験は、ほくろ除去をされた方にとって、非常に落胆する出来事です。
「失敗した」と感じてしまう大きな要因の一つです。
時間も費用もかけて除去したはずのほくろが「再発」してしまったら、誰だって後悔の気持ちが募るでしょう。
美容クリニックで13年勤務してきました。多くの患者様のほくろに関するお悩みに向き合ってきた私、誠は、ほくろ除去後の「再発」への不安が、治療に踏み切る大きなハードルとなっていることを理解しています。
しかし、再発には必ず原因があります。
それを理解し適切な対策を講じることで、リスクを最小限に抑えることが可能です。
今回の記事では、ほくろ除去後に**「再発」がなぜ起こるのかを、
- そのメカニズム
- 再発しやすいほくろの特徴
と共にわかりやすく解説します。
さらに、
- 再発を未然に防ぐための具体的な対策
- 万が一再発してしまった場合の対処法
についても徹底的にお伝えします。
このガイドが、あなたがほくろ除去の再発への不安を解消し、自信を持って治療に臨むための一助となれば幸いです。
ほくろ除去で「再発」はなぜ起こる?そのメカニズム
ほくろは、メラニン色素を作る細胞「メラノサイト」が皮膚の中で増殖してできた良性の腫瘍です。
このメラノサイトが完全に除去されずに残ってしまうことが、再発の主な原因となります。
1. メラノサイトの取り残し
- ほくろの深さ: ほくろのメラノサイトは、皮膚の表面(表皮)だけでなく、奥深くの真皮層にまで根を張っていることがあります。
- 除去方法の限界:
- レーザー除去や電気メス除去: これらの方法は、ほくろの組織を表面から削り取る、または焼き切ることで除去します。しかし、ほくろが深い場合や広範囲に根を張っている場合、メラノサイトを完全に除去しきれずに残ってしまうことがあります。残ったメラノサイトが再び活性化・増殖することで、再発として表面に現れます。
- 切開手術: この方法は、ほくろを周囲の皮膚組織ごとメスで切り取るため、最も再発のリスクが低いとされています。しかし、非常にまれですが、ごくわずかなメラノサイトが残ってしまう可能性はゼロではありません。
ほくろの種類による特性
根が深いほくろ
- 盛り上がっているほくろ
- 長年存在しているほくろ
どちらも、メラノサイトが皮膚の深部まで存在していることが多いです。
よって、再発のリスクが高まります。
境界が不明瞭なほくろ
ほくろの境界が曖昧な場合、どこまでがほくろの組織なのか医師が判断しにくく、取り残しが生じる可能性があります。
悪性腫瘍(メラノーマ)の誤診
- まれなケースですが、悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんがほくろと誤診されるけーすもあります。不完全な除去が行われた場合に、再発ではなく「病変の進行」として現れることがあります。これは非常に危険なケースです。
- 誠からのメッセージ: ほくろ除去後の再発は、決して珍しいことではありません。多くの場合、メラノサイトの取り残しによるものです。しかし、再発のように見えても悪性腫瘍の可能性もゼロではないため、異変を感じたら必ず医療機関を受診しましょう。
再発しやすいほくろの特徴と予防策
再発リスクの高いほくろの種類を知っておきましょう。
適切な予防策を講じることで、再発の可能性を最小限に抑えることができます。
再発しやすいほくろの特徴
盛り上がりのあるほくろ(真皮内母斑)
皮膚の奥深くまでメラノサイトが及んでいる可能性が高いです。
レーザーや電気メスでは取り残しが発生しやすいです。
根が深いほくろ
大きさに関わらず、深く根を張っているほくろは再発しやすい傾向にあります。
境界が不明瞭なほくろ: 周りの皮膚との境目がはっきりしないほくろは、医師が切除範囲を判断しにくい場合があります。
過去に除去経験のあるほくろ
一度除去したものの再発したほくろは、残存メラノサイトが活性化しやすいのが特徴です。
再度除去しても再発するリスクがあります。
複数回のレーザー治療で取りきれないほくろ
レーザーを複数回当てても消えないほくろは、根が深い、またはメラノサイトが広範囲に散らばっている可能性があります。
再発しやすいと考えられます。
再発を未然に防ぐための対策
- 信頼できるクリニックと経験豊富な医師を選ぶ:
- 正確な診断力: ほくろの種類や深さを見極め、再発リスクの高いほくろかどうかを診断できる医師を選びましょう。
- 適切な治療法の提案: レーザー、電気メス、切開手術の中から、そのほくろに最適な除去方法を提案してくれる医師を選びましょう。特に再発しやすいほくろには、切開手術を推奨することもあります。
- ほくろ・シミ除去のクリニック選びで後悔しないための全知識も参考にしてください。
- 適切な施術方法の選択:
- 根が深いほくろや盛り上がったほくろ: レーザーや電気メスでは再発のリスクが高いため、最初から切開手術を検討することも有効です。切開手術は、ほくろを組織ごと完全に切除するため、再発率が最も低い方法です。
- 小さいほくろでも念入りに: レーザーや電気メスの場合でも、医師にしっかりと「取り残しのないように」と相談し、必要であれば少し深めに除去してもらう選択肢も検討しましょう。(ただし、凹みのリスクも考慮)。
- 術後のアフターケアを徹底する:
- 施術後の肌はデリケートです。医師の指示に従い、保護テープの貼付、軟膏の塗布、そして徹底した紫外線対策を行いましょう。適切なケアは、傷の治りを促進し、再発のリスクを軽減することにつながります。
- ほくろ除去のダウンタイムも参考に、術後のケア方法を確認しましょう。
- 施術後の肌はデリケートです。医師の指示に従い、保護テープの貼付、軟膏の塗布、そして徹底した紫外線対策を行いましょう。適切なケアは、傷の治りを促進し、再発のリスクを軽減することにつながります。
- 誠からのメッセージ: ほくろ除去で一番大切なのは、ほくろの種類と状態に合った「適切な方法」を選ぶことです。安易に「レーザーで済ませたい」と希望するだけではありません。医師の専門的な診断をしっかりと聞く姿勢が再発予防には欠かせません。

万が一ほくろが「再発」してしまった場合の対処法
せっかく除去したほくろが再発してしまっても、焦らず、適切な対処をすることが大切です。
まずは施術を受けたクリニックに相談する
- 再発したと感じたら、まずは施術を受けたクリニックに連絡しましょう。必ず医師の診察を受けましょう。
- 医師は前回の施術内容やあなたの肌の状態を把握しているため、再発の原因を特定し、適切な再治療やアドバイスを提案してくれます。
- 再発の場合は、クリニックによっては無料で再治療を受けられる保証制度がある場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
再発した場合の治療方法
再発したほくろの治療方法は、そのほくろの「根」の深さや種類によって異なります。
- レーザーや電気メスでの再治療: 再発したほくろが比較的小さく、根が浅いと判断される場合に選択されます。
- 切開手術: レーザーや電気メスで再発を繰り返す場合や、元々深く根を張っていたほくろの場合、再発のリスクを最も低くするため、切開手術が推奨されることが多いです。この際、切除した組織は病理検査に提出され、悪性ではないかの確認も行われます。
別の医療機関でのセカンドオピニオンも検討する
- 施術を受けたクリニックでの対応に不安がある場合や、別の専門家の意見を聞きたい場合は、他の信頼できる美容皮膚科や形成外科でセカンドオピニオンを求めることも有効です。
- 特に、再発したほくろが以前と違う様相(形がいびつ、色が濃い、出血するなど)を見せる場合は、悪性腫瘍の可能性も考慮し、複数の医師の診断を受けることを強くお勧めします。
- ほくろ除去 保険適用の記事も参考に、保険診療の皮膚科での診断も検討しましょう。
【誠からのメッセージ】 「また出てきた…」と落ち込む気持ちはよく分かります。しかし、再発はよくあること。大切なのは、それを放置せず、すぐに専門医に相談することです。早めの対応が、最終的な仕上がりに大きく影響します。
【外部サイト参考】 日本皮膚科学会のウェブサイトでは、皮膚腫瘍に関する情報や、信頼できる皮膚科専門医の検索が可能です。再発したほくろが悪性ではないか不安な場合は、これらの情報を参考に医療機関を受診しましょう。
再発への不安を解消し、自信を持ってほくろ除去へ
ほくろ除去後の「再発」は、多くの方が心配するリスクの一つです。
しかし、再発の原因を正しく理解し、再発しやすいほくろの特徴を知っておきましょう。
適切な予防策を講じることで、そのリスクを最小限に抑えることは可能です。
大切なのは、ほくろの種類や状態を正確に診断してもらうこと。
その上で、最適な除去方法を提案してくれる経験豊富な医師に依頼すること。
それが、信頼できるクリニックを選ぶことに繋がります。
そして、万が一再発してしまった場合でも、焦らずにすぐに専門医に相談することです。
このガイドで得た知識が、あなたがほくろ除去の再発への不安を解消し、自信を持って治療に臨み、理想のクリアな肌を長く維持するための手助けとなれば幸いです。
もし、ほくろ除去の再発について、まだ不安や疑問が残っているなら、いつでもHow-to-Lにご相談ください。
美容外科勤務経験のある誠が、あなたの「キレイになりたい」という想いを、知識と経験で全力でサポートします。
あなたの肌と心が、より一層輝く未来を心から応援しています。