顔や体に現れる「気になる点」。
- それはシミでしょうか？
- それともほくろでしょうか？
実は、一口に「シミ」や「ほくろ」といっても、その種類は多岐にわたります。
それぞれ発生する原因や、効果的な治療法が全く異なります。
美容クリニックで13年間勤務して多くの方のお肌の悩みに向き合ってきた私、誠は、
- 「このシミは取れますか？」
- 「これはほくろですか？」
といったご質問を数多く受けてきました。
ご自身で種類を判断するのは難しく、誤ったケアをしてしまうと、かえって悪化させてしまうことさえあります。
今回の記事では、代表的なほくろの種類とシミの種類を、それぞれの特徴や見分け方を図解も交えながら分かりやすく解説します。
さらに、それぞれの種類に応じた適切な治療法についても触れていきます。
あなたが自分の肌にある「気になる点」の正体を正確に理解し、安心して次のステップへ進むための「基礎知識」を包み隠さずお伝えします。
あなたの「気になる点」は何？まずは専門医へ
皮膚の「気になる点」には様々な種類があります。
見た目だけでは判断が難しいことが多いです。
中には、悪性の可能性を秘めているものもあります。
そのため、まずは自己判断せずに、皮膚科医や美容皮膚科医の診断を受けることが最も重要です。
医師は、ダーモスコピーなどの専門機器を用いて詳しく診察するケースもあります。
正確な診断を下してくれるはずです。
これにより、適切な治療法を選択できます。
不必要なトラブルを避けることができます。
ほくろの種類と特徴：見分け方と適切な治療法
「ほくろ」と一口に言っても、その種類は様々です。医学的には「母斑細胞母斑（ぼはんさいぼうぼはん）」と呼ばれます。
メラニン色素を作る細胞（母斑細胞）が増殖してできた良性の腫瘍です。
境界母斑（きょうかいぼはん）
- 特徴: 平らで、茶色から黒色の色素斑。皮膚の表面近く（表皮と真皮の境界部）に母斑細胞があるため、境界がはっきりしていることが多いです。
- 見分け方: 比較的若い年齢で顔や手足に現れることが多い。
- 適切な治療法:
- レーザー治療（炭酸ガスレーザー、Qスイッチレーザーなど）: 平らで小さいものに適しています。
- ほくろ除去の費用はいくら？方法別（レーザー・切開・電気メス）料金相場と選び方も参考にしてください。
複合母斑（ふくごうぼはん）
- 特徴: 少し盛り上がりがあり、皮膚の表面から真皮にかけて母斑細胞が存在します。色は茶色から黒色で、毛が生えていることもあります。
- 見分け方: 成長とともに盛り上がりが出てくることが多い。
- 適切な治療法:
- レーザー治療（炭酸ガスレーザー）： 小さく、浅いもの。
- 電気メス: レーザーで取りきれない、やや盛り上がりのあるもの。
- 切開手術: 大きいものや、根が深いもの。
真皮内母斑（しんぴないぼはん）
- 特徴: 半球状に盛り上がり、ドーム型をしていることが多いです。色は薄い茶色から肌色に近いものまで様々で、表面に毛が生えていることもよくあります。母斑細胞が皮膚の深い部分（真皮内）に存在します。
- 見分け方: 顔によく見られ、年齢を重ねるごとに現れたり大きくなったりすることがあります。
- 適切な治療法:
- 電気メス: 盛り上がりのあるもの。
- 切開手術: 大きいものや、美容的な仕上がりを重視する場合。
その他のほくろに似たもの（診断が重要なケース）
- 脂漏性角化症（しろうせいかっかしょう）： 加齢とともにできる良性のいぼの一種。ほくろと見分けがつきにくいことがあります。
- 悪性黒色腫（メラノーマ）： 非常に悪性度の高い皮膚がんです。急に大きくなった、形がいびつ、色が変化した、出血するといった変化があれば、速やかに皮膚科を受診しましょう。
シミの種類と特徴：見分け方と適切な治療法
「シミ」は、メラニン色素が皮膚に過剰に蓄積することで生じる色素斑の総称です。
一口にシミと言っても、その種類によって原因も治療法も大きく異なります。
老人性色素斑（ろうじんせいしきそはん）
- 特徴: 境界がはっきりした、平らな茶色〜黒色の色素斑。数ミリから数センチと大きさは様々です。
- 見分け方: 主に紫外線が原因で、日光に当たる顔や手の甲、腕などにできます。加齢とともに現れるため「老人性」と名がつきますが、20代からできることもあります。「日光黒子（にっこうこくし）」とも呼ばれます。
- 適切な治療法:
- Qスイッチレーザー、ピコレーザー（スポット照射）: 少ない回数で効果が期待できます。
- 光治療（IPL）： 広範囲に点在する場合や、薄いシミに適しています。
そばかす（雀卵斑：じゃんらんぱん）
- 特徴: 鼻を中心に頬や額に左右対称に散らばる、数ミリ以下の小さな茶色い斑点。
- 見分け方: 遺伝的な要素が強く、幼少期から現れることが多いです。夏に色が濃くなり、冬に薄くなる傾向があります。
- 適切な治療法:
- 光治療（IPL）： 顔全体の薄いそばかすに。
- ピコレーザー（スポット照射）： 濃いものや一つ一つのそばかすに。
肝斑（かんぱん）
- 特徴: 頬骨に沿って左右対称に、もやっと広がる淡い茶色の色素斑。地図のような形や、蝶々のような形に見えることもあります。
- 見分け方: 30代〜50代の女性に多く見られ、妊娠やホルモンバランスの変化、ストレス、摩擦などが悪化要因とされます。一般的なシミとは異なり、レーザー治療で悪化するリスクがあるため注意が必要です。
- 適切な治療法:
- ピコトーニング： 低出力レーザーで、メラニンを刺激しないように少しずつ薄くします。
- 内服薬： トラネキサム酸、ビタミンCなど。
- 外用薬： ハイドロキノン、トレチノインなど。
- 光治療（IPL）： 肝斑対応モードがあるものに限られます。
炎症後色素沈着（えんしょうごしきそちんちゃく：PIH）
- 特徴: ニキビ跡、虫刺され跡、やけど、かぶれ、レーザー治療後など、皮膚に炎症が起きた後に茶色く残るシミ。
- 見分け方: 炎症が治まった後に現れ、時間の経過とともに徐々に薄れることが多いですが、数ヶ月〜1年以上かかることもあります。
- 適切な治療法:
- 時間経過による自然治癒: 最も重要です。
- 紫外線対策と保湿: 悪化を防ぎ、改善を促します。
- 美白剤（ハイドロキノン）、内服薬（トラネキサム酸、ビタミンC）: 改善を早める効果が期待できます。
- 低出力レーザー（ピコトーニング）： 長引く場合に。
後天性真皮メラノサイトーシス
- 特徴: 頬骨やこめかみ、目の下などに左右対称に現れる、やや灰色がかったり、青みがかったりしたシミ。点状に集まって見えることもあります。
- 見分け方: 真皮という皮膚の深い層にメラニンが存在するため、一般的なシミよりも色が深みを帯びて見えます。20代以降に現れることが多いです。
- 適切な治療法:
- Qスイッチレーザー、ピコレーザー（高出力スポット照射）： 真皮の色素を破壊するため、数回の治療が必要となることが多いです。
その他のシミに似たもの（診断が重要なケース）
- あざ（太田母斑、扁平母斑など）： 生まれつき、または幼少期から存在する色素斑。見た目はシミに似ていますが、治療法や保険適用の有無が異なります。
- 光線過敏症: 特定の物質や薬と日光が反応してできる色素斑。
正しい診断が最も重要！
このように、ほくろもシミも様々な種類があります。
見た目だけでの自己判断は非常に危険です。
特に、以下のようなほくろやシミは、自己判断せずに必ず医療機関を受診しましょう。
- 急に大きくなった
- 形がいびつになった
- 色が濃くなったり、ムラになったりした
- 出血したり、かゆみや痛みがある
- 盛り上がりが出てきた
これらの変化は、悪性腫瘍の可能性も示唆している場合があります。
【誠からのメッセージ】
「これは何だろう？」と不安に思ったら、まずは皮膚科のドアを叩いてみてください。
私の経験上、多くの患者様が「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃいます。
正確な診断があって初めて、適切な治療が始まります。
理想の肌に近づくことができます。
あなたの肌の悩みを解消する第一歩は、正しい知識と専門家への相談から始まります。
1つ目のクリニックで診断をされた時、「本当かな？」と思ったら、迷わずセカンドオピニオンをお願いしましょう。
2つ目のクリニックで異なる診断があった。
この時、判断がつかないとなれば、もう1ヶ所行きましょう。
とにかく、正確な診断を確認することが重要です。
私自身も、これまでに一人目の医師の診断に、二人目の医師は、「それはないですよ。」とはっきり言われたことがあります。
「お医者さんが言っているなら」という過信も注意が必要です。
自分が不安な時には、迷わず、別の医療機関を受診しましょう。
自分の肌を知り、自信を持って輝くために
ほくろやシミの種類を知ることは、あなたの肌の悩みを解決する上で非常に重要な第一歩です。
ご自身の肌にある色素斑が何であるかを理解することで、正しいケアを選択しましょう。
不必要な回り道を避けることができます。
しかし、最も大切なのは、自己判断せずに専門医の診断を受けることです。
医師は、あなたの肌の状態を正確に把握してくれるはずです。
その診断に沿って、最適な治療法を提案してくれます。
もし、ご自身のほくろやシミの種類について、まだ不安や疑問が残っているなら、いつでもHow-to-Lにご相談ください。
美容クリニック業界経験者である誠が、あなたの「キレイになりたい」という想いを、知識と経験で全力でサポートします。
あなたの肌と心が、より一層輝く未来を心から応援しています。