NVMe SSDとSATA SSDの違いは?選び方とおすすめモデル

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NVMe SSDが高速にデータを転送する様子。 PCパーツ
圧倒的な速度とコンパクトさ。NVMe SSDでPCを高速化!

パソコンの起動やゲームのロードが遅いと感じたことはありませんか?

その原因は、PCの「ストレージ」にあるかもしれません。

現在、パソコンのストレージはHDDからSSDへと主流が移りました。

さらに高速な「NVMe SSD」が注目を集めています。

NVMe SSDは、従来のSSDとは比較にならないほどの高速データ転送を実現しました。

PCのパフォーマンスを劇的に向上させます。

しかし、

「NVMe SSDって何?」

「SATA SSDと何が違うの?」

と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

また、たくさんの製品の中から自分に合ったものを選ぶのは難しいと感じるかもしれません。

今回の記事では、PC初心者の方でも理解できるよう、

  • NVMe SSDの基本的な仕組み
  • SATA SSDとの決定的な違い

そして目的別に最適な製品の選び方を詳しく解説します。

この記事を読めば、NVMe SSDの性能を最大限に活用し、快適なデジタルライフを送るための知識が身につくはずです。

NVMe SSDとは何ですか?

M.2 SSD とは

まず、多くの人が「M.2 SSD」と「NVMe SSD」を混同しがちです。

しかし、これらは異なる意味合いを持ちます。

M.2は、SSDの物理的な形状(フォームファクタ) を表す言葉です。

薄くて小さなガムのような形状です。

マザーボードに直接接続します。

ノートパソコンや小型PCに広く採用されています。

PCIe SSD とは

PCIe(PCI Express)は、SSDをマザーボードに接続するためのバス(通信経路) の規格です。

従来のSATAとは異なります。

CPUと直接データをやり取りできます。

そのため、非常に高速なデータ転送が可能になります。

NVMe SSD 種類

NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、このPCIeバス上でSSDの性能を最大限に引き出すために開発された通信プロトコル(データ通信のルール) のことです。

つまり、「NVMe SSD」とは、「M.2という形状」で「PCIeというバス」を経由し、「NVMeというプロトコル」を使ってデータをやり取りするSSDということになります。

初心者向けに専門用語を使わずに表現します。

「NVMe SSD」は、パソコンのデータを保存する装置(ストレージ)の一種です。

例えるなら、データの「超高速な運び屋」 と考えるとわかりやすいです。

3つの要素を料理に例えると

NVMe SSDを構成する3つの要素、「形状」「バス」「プロトコル」は、料理に例えて説明できます。

  • 「M.2」という形状(お皿) これは、SSDの見た目やサイズのことです。細長い板のような形をしていて、パソコンの中に直接差し込めるようになっています。例えるなら、料理を盛り付ける「スマートなお皿」です。
  • 「PCIe」というバス(高速道路) これは、SSDがパソコンの中のメインの部品(CPU)とデータをやり取りするための「超高速な道路」です。従来のSSDが一般道を使っていました。対して、NVMe SSDは専用の高速道路を使うため、データのやり取りが圧倒的に速くなります。
  • 「NVMe」というプロトコル(交通ルール) これは、その高速道路を走るための「効率的な交通ルール」です。たくさんの車(データ)を一度に、しかも渋滞なくスムーズに運ぶためのルールが決められているので、データの処理が速くなります。

この3つが組み合わさることで、「スマートなお皿」に乗った料理(データ)を、「超高速な道路」と「効率的な交通ルール」を使って、素早く運ぶことができるのがNVMe SSDです。

その結果、パソコンの起動やアプリの読み込みが劇的に速く感じられるようになります。

NVMe、M.2、PCIeの関係性を示す図。
NVMeは、M.2という形状のSSDで、PCIeという高速道路を走るためのルールです。

NVMe SSDとSATA SSDの決定的な違い

NVMe SSD SATA 違い

従来のSSDは、SATAというHDDと同じ通信規格を使用していました。

これは、SSDの性能を最大限に引き出せるものではありませんでした。

NVMe SSDは、このボトルネックを解消した次世代のストレージです。

速度(転送速度)

ストレージの種類理論上の最大転送速度実際の読み書き速度の目安
SATA SSD6Gbps(約600MB/s)読み込み・書き込みとも約500MB/s
NVMe SSD (PCIe Gen3)32Gbps(約4,000MB/s)読み込み約3,500MB/s、書き込み約3,000MB/s
NVMe SSD (PCIe Gen4)64Gbps(約8,000MB/s)読み込み約7,000MB/s、書き込み約6,000MB/s

ご覧の通り、NVMe SSDはSATA SSDの約10倍以上の高速なデータ転送を実現します。

この速度は、

  • アプリケーションの起動速度向上
  • PCの起動時間短縮
  • 大容量ファイルのコピー・移動
  • ゲームのロード時間短縮

など、あらゆる面で体感できるパフォーマンス向上をもたらします。

NVMe SSDとSATA SSDの速度比較イラスト。
NVMe SSDは、SATA SSDを置き去りにするほどの高速性能を持っています。

接続方法

  • SATA SSD: ケーブルでマザーボードに接続します。
  • NVMe SSD: M.2スロットに直接差し込みます。ケーブルが不要なため、PCケース内の配線がスッキリします。
NVMeとSATAの接続方法の違いを示す図。
ケーブルレスで、PC内部もスッキリします。

NVMe SSD 性能のポイント

NVMe SSDの性能を評価する上で、特に重要なポイントを解説します。

NVMe SSD 種類と世代

NVMe SSDは、使用するPCIeバスの世代によって性能が大きく異なります。

  • PCIe Gen3: 広く普及しており、十分高速です。コストパフォーマンスに優れています。
  • PCIe Gen4: 最新の世代で、Gen3の約2倍の速度を実現します。ゲームや動画編集など、より高いパフォーマンスが必要な用途に向いています。
  • PCIe Gen5: まだ数は少ないですが、Gen4のさらに2倍の速度を持つ次世代の規格です。
PCIeの世代と速度の関係。
新しい世代ほど、より高速なデータ転送が可能です。

ヒートシンクの有無

NVMe SSDは高速なため、データの読み書き時に熱を持ちやすいという特徴があります。

熱暴走による速度低下や寿命の短縮を防ぐため、ヒートシンク(熱を逃がすための部品)を搭載したモデルが増えています。

  • ヒートシンク付き: 高負荷な作業(ゲームや動画編集)を長時間行う場合におすすめ。
  • ヒートシンクなし: ノートパソコンなど、スペースが限られている場合に適しています。
NVMe SSDとヒートシンク。
熱対策は、SSDの性能を維持する上で重要です。

SSD 選び方と目的別のおすすめ

NVMe SSDを選ぶ際は、用途や予算に合わせて最適なモデルを選ぶことが大切です。

ゲーム機

PlayStation 5のストレージ拡張には、高速なNVMe SSDが必要です。

  • 選び方のポイント:
    • PCIe Gen4に対応していること。
    • ヒートシンク付きであること(PS5の仕様に適合するサイズか確認)。
    • 読み込み速度が5,500MB/s以上であること。
PlayStation 5にNVMe SSDを増設する様子。
PS5のゲームをたくさんダウンロードする方におすすめです。

デスクトップ

自作PCやBTOパソコンの性能を最大限に引き出したい方におすすめです。

  • 選び方のポイント:
    • マザーボードが対応しているPCIeの世代(Gen3 or Gen4)を確認。
    • ゲーミングPCなど、高負荷な作業を行う場合はヒートシンク付きがおすすめ。
    • OS起動用には500GB〜1TB、ゲームやアプリ用には1TB以上の大容量モデルが人気。
デスクトップPCのマザーボードにNVMe SSDを搭載する様子。
PCの起動や動作が格段に速くなります。

ノートパソコン

ノートパソコンの内蔵ストレージを交換・増設したい方におすすめです。

  • 選び方のポイント:
    • ノートパソコンがM.2スロットに対応しているか確認。
    • ヒートシンクなしのモデルを選ぶこと。ノートPCの内部はスペースが限られています。
    • 容量は500GB〜2TBが一般的です。
ノートパソコンにNVMe SSDを増設する様子。
薄型ノートPCでも、高速なNVMe SSDに換装できます。

動画編集

4K動画など、大容量ファイルを頻繁に扱うクリエイターにおすすめです。

  • 選び方のポイント:
    • PCIe Gen4以上の超高速モデルが作業効率を大幅に向上させます。
    • 容量は2TB以上を推奨。
    • 熱対策として、ヒートシンク付きモデルや、放熱性に優れたケースを利用しましょう。
動画編集におけるNVMe SSDの性能。
膨大な動画ファイルも、ストレスなく編集できます。

NVMe SSDのおすすめモデルランキング(2025年最新版)

ここからは、人気のNVMe SSDを厳選してランキング形式で紹介します。

PCIe Gen4 NVMe SSD ランキング

最も高速な最新世代のモデルです。

順位メーカー型番転送速度(読み込み/書き込み)特徴おすすめの人
1位Samsung990 Pro7,450MB/s / 6,900MB/s圧倒的な読み書き速度と安定した性能。PCゲームや動画編集など、最高性能を求める人
2位CrucialT70012,400MB/s / 11,800MB/sPCIe Gen5対応。驚異的な速度を誇る次世代モデル。最新のテクノロジーを試したい人
3位Western DigitalWD Black SN850X7,300MB/s / 6,600MB/sゲーミング向けに最適化された高性能モデル。高速なゲームロード時間を求めるゲーマー
4位SK hynixPlatinum P417,000MB/s / 6,500MB/s独自の技術で高い耐久性と性能を両立。信頼性と性能をバランス良く求める人

Samsung 990 Pro NVMe SSD。
多くのユーザーから高い評価を得ている定番モデルです。

NVMe SSDで快適なPC環境を

NVMe SSDは、PCのパフォーマンスを劇的に向上させる、現在のストレージの主流です。

SATA SSDとは異なり、PCIeバスを経由することで、圧倒的な高速データ転送を実現します。

選び方のポイント:

  • SATA SSD: コストを抑えたい場合や、速度をそれほど重視しないサブストレージとして。
  • NVMe SSD:
    • Gen3: 既存のPCを高速化したい、手頃な価格で十分な速度が欲しい人。
    • Gen4: ゲームや動画編集など、重い作業をする人、最新のPC環境を構築したい人。

適切なSSDを選択することで、

  • PCの起動
  • 日々の作業

そしてゲームまで、すべての体験が快適になります。

この記事を参考に、あなたのPCに最適なNVMe SSDを見つけてください。

NVMe SSDとSATA SSDの比較まとめ。
NVMe SSDのメリットを改めて確認しましょう。

参考サイト