VRChatの世界では、アバターの服(衣装)を着せ替えることが、自分自身の個性を表現する上で非常に重要です。
季節や気分、参加するワールドやイベントに合わせてアバターの見た目を変更することは、VRChatライフの大きな楽しみの一つと言えます。
しかし、
- 「VRChat アバター 着せ替え方法が難しそう」
- 「Unityなんて触ったことがない」
と一歩踏み出せずにいるPC初心者の方も多いのではないでしょうか。
ご安心ください。
今回の記事では、2025年現在の最新環境(VCC対応)と、アバター改変の便利ツールであるModular Avatarを使って、誰でも簡単に服を着せ替える方法を、ステップごとに詳細に解説します。
また、
- VRChat アバターにおすすめ衣装の紹介
- VRChat衣装を自作する方法
- 無料の衣装の探し方
といった、検索者の方が求める情報を網羅しました。
この記事を読むことで、あなたのアバターを思い通りに着せ替えるための全ての知識が手に入ります。
VRChat 衣装の入手経路と基礎知識
要点:VRChatの服(衣装)は、BOOTHでの購入、または無料で公開されているものをダウンロードするのが一般的です。
衣装を購入する際は、ご自身のアバターへの対応状況を必ず確認することが重要です。
VRChat 衣装の入手経路
VRChatでアバターの服を着せるためには、まず衣装データを入手する必要があります。入手経路は大きく分けて「購入」と「無料配布・自作」の2種類があります。
VRChat BOOTH 衣装を購入する
最も手軽に、高品質で多様なデザインの服を入手できるのが、クリエイター向けマーケットプレイスのBOOTHです。
- BOOTHで衣装を探す:BOOTH(https://booth.pm/)の検索窓に「VRChat 衣装」や「アバター 服」と入力して検索します。
- 対応アバターの確認:購入したい服を選ぶ際は、その衣装が自分のアバター(例:マヌカ、マヤ、桔梗など)に対応しているかを商品の説明で必ず確認します。対応している服であれば、着せ替えが簡単になり、貫通や位置の問題が起こりにくくなります。特に「Modular Avatar対応」と表記されているものは、着せ替え作業が非常に簡単になるため、PC初心者には強くおすすめです。
- Unitypackageのダウンロード:購入が完了したら、衣装のデータ(.unitypackage)をダウンロードします。

VRChatで無料の衣装や自作に挑戦する
費用をかけずに服を入手したい場合や、自分だけの個性を追求したい場合は、無料 衣装や自作に挑戦しましょう。
- 無料衣装の探し方:BOOTHの価格帯を「無料」に設定して検索したり、VRChatのワールド内の衣装配布ブースを巡ったりします。中には非常に高品質な無料衣装もありますが、対応アバターが限られている場合や、UnitypackageではなくFBXファイルのみの配布の場合もあります。
- VRChat衣装を自作(応用知識):Blenderなどの3D ツールで服のモデルを制作し、Unityでアバターに着せる作業を行います。これには専門的な知識が必要ですが、完全に自分だけの服を作れるという魅力があります。既存のアバターの素体に合わせて服をモデリングするため、貫通問題が起きにくいというメリットもあります。
注釈: FBXファイル:3Dモデルのデータ形式の一つ。これだけではUnityにインポートしてもすぐには使えず、テクスチャ設定やボーン設定などを手動で行う必要があります。Unitypackageはそれらの設定が済んでいる、いわば「完成品」のデータです。

VRChatアバターの着せ替え方法(Unity導入編)
要点:VRChat アバター着せ替え方法の基本は、VCCを使ってUnityプロジェクトを準備します。
Modular Avatarなどの便利ツールを導入することです。
この手順を踏めば、PC初心者の方でもスムーズに作業を始められます。
Unityで着せ替え作業を始める前に、安定した制作環境を整えます。
この環境構築が、その後のスムーズな着せ替え作業の鍵となります。
VCCとModular Avatarの導入(必須)
PC初心者の方でも、Modular Avatar(MA)を使うことで着せ替えの難易度が大幅に下がります。
MAは、VRChatアバター改変におけるデファクトスタンダード(事実上の標準)ツールです。
- VCC (VRChat Creator Companion)をインストール:公式サイト(https://vrchat.com/home/download)からVCCをダウンロード。最新のVRChat アバター制作用のUnity プロジェクトを作成します。これにより、必要なVRChat SDKやUnityのバージョンが自動的に設定されます。
- Modular Avatarの導入:VCCのPackages一覧から「Modular Avatar」を探して「Add」ボタンを押す。プロジェクトに導入します。MAは、服の統合やメニュー設定を自動化してくれる強力なツールです。
- アバター本体と服のインポート:BOOTHなどで購入したアバター本体と、着せたい服(衣装)の.unitypackageをUnityプロジェクトウィンドウへドラッグ&ドロップしてインポートします。この際、アバター本体より先に、使用するシェーダー(liltoonなど)をインポートしておくのがおすすめです。
注釈: VRChat SDK:VRChatにアバターやワールドをアップロードするために必要な、Unityの拡張機能(ツール)です。VCCを使えば自動的に導入されます。

アバター本体と服のシーンへの配置
Unity 上で着せ替え作業を開始するための準備を行います。アバターと服のPrefab(プレハブ)をHierarchy(ヒエラルキー)に配置し、服をアバターの子(チャイルド)として設定します。
- アバター本体の配置:インポートしたアバター本体のPrefabをHierarchy ウィンドウへドラッグ&ドロップしてシーンに配置します。
- 服(衣装)の配置と親子設定:服(衣装)データの中にある服本体のPrefab(またはオブジェクト)を、Hierarchyのアバター本体の直下にドラッグ&ドロップして配置します。この時、服がアバターの動きに追従するように親子関係を設定する必要があります。服の親をアバターのルート(一番上の親)に設定することで、アバター全体と一緒に服も動くようになります。

UnityとMAを使った服の着せ替え実務
要点:服の着せ替え方法は、服とアバターのメッシュを重ねます。Modular Avatarのコンポーネントを使って設定を統合します。
不要な素体の部分を非表示にすることが中心になります。
Modular Avatarで着せる
Modular Avatarを使った、VRChatアバター着せ替え方法の核心です。
MAを使うことで、
- PC初心者でも難しかったボーン(骨)の統合
- PhysBone(揺れもの)
の設定が自動で行われます。
MA Merge ArmatureとPhysBone設定
服を着せる際、服のボーンとアバターのボーンを統合する作業が必要になります。
- MA Merge Armatureの追加:服のオブジェクト(Hierarchyに配置したもの)を選択し、Inspector画面で「Add Component」から「MA Merge Armature」を追加します。MAが自動的にボーンをマージし、服がアバターの動きに適合するように調整してくれます。
- PhysBone設定の統合:服に揺れもの設定(PhysBone)が含まれている場合、このMerge機能が自動的にPhysBoneの設定も統合してくれます。手動で複雑な設定を行う必要はありません。これにより、服のスカートや髪が自然な動きで追従するようになります。
- Merge Animator:服のオブジェクトにModular Avatar Merge Animatorコンポーネントも同時に追加される場合があります。これは、服のメニュー切り替え機能などをアバター本体に統合するための機能です。
注釈: PhysBone:VRChatで髪や服、尻尾などを自然に揺らすために使われる機能です。かつてのDynamicBoneに代わり、現在は公式の標準機能として使われています。

素体の非表示化と貫通の調整
服を着せた後に、服から素体の体の一部がはみ出してしまう(貫通)問題への対処が必要です。この作業は見た目を自然にするために非常に重要です。
- 素体非表示:アバター本体のメッシュ(Bodyなど)をHierarchyから選択し、Inspector画面のMesh Renderer(メッシュレンダラー)のチェックボックスを外すことでメッシュを非表示にします。服を着る場合は、服に覆われる部分(腕、胴、足など)だけを非表示にします。アバターによっては、素体自体が非表示用のシェイプキー(BlendShapes)を持っている場合があり、その場合はシェイプキーで素体を小さくして非表示にします。
- 貫通調整:服の中で手や足の一部のメッシュが貫通して見えてしまう場合があります。服本体のメッシュを選択し、Transform(トランスフォーム)のScale(スケール)をわずかに調整して服を大きくしたり、位置を少しだけ移動させたりすることで貫通を解消出来る場合があります。

シェーダーの調整(見た目の統一)
服とアバター本体で使用しているシェーダー(見た目の質感を決める機能)が異なっていると、服だけが浮いて見えてしまうことがあります。
見た目の統一感を出すことで、より完成度の高いアバターになります。
- シェーダーの統一:服のマテリアル設定を開いて、アバター本体と同じliltoonなどのシェーダーに手動で変更します。liltoonは現在、VRChat向けアバター改変で最も多く使われているシェーダーの一つです。
- 色の調整:マテリアル設定の中で、服の色や光沢、影のつき方などを微調整。アバター全体の見た目が自然になるように統一感を出します。

VRChatアバター服の改変の応用と実践例
要点:VRChat アバター 服の改変は、着せ替え後の貫通対策や、脱ぎ着を簡単にするギミック追加といった応用技術を知ることで、さらに快適に行えます。
服を着せるだけでなく、より快適に服を利用するための応用的で便利な知識を紹介します。
Modular Avatarを使った脱ぎ着ギミックの追加
着せ替えた服をVRChat内で簡単に脱いだり着たり出来るように、Modular Avatarのギミック機能を活用しましょう。これは、複数の服や小物を持っている場合に非常に便利です。
- MA Toggle Itemの追加:服のオブジェクトをHierarchyで選択し、Inspectorで「MA Toggle Item」コンポーネントを追加します。
- メニュー設定:「Menu Name」に「服 OnOff」などと入力し、VRChat内のExpressions Menu(エクスプレッションメニュー)にボタンを表示させるように設定します。
- 動作確認:このToggle Itemを使えば、アバターメニューからボタンを押すだけで服の表示/非表示を切り替え出来るようになります。
貫通を避けるためのBlender活用
Unityでの調整では解決できない深刻な貫通問題は、3D ツール(モデリングソフト)のBlenderを使い、素体を直接削除する作業が必要になります。
- FBXファイルの書き出し:Unityからアバター本体のFBXファイルを書き出し、Blenderにインポートします。
- 素体メッシュの削除:Blenderの編集モードで、服に隠れる素体のメッシュ部分を選択し、削除します。
- 再インポート:削除後のアバターを再度FBXで書き出し、Unityにインポートし直します。この作業を行えば、服を着た状態でのアバターの動作が大幅に安定します。

VRChat衣装の自作とテクスチャ改変
要点:VRChat 衣装を自作するには、BlenderとUnityの知識が必要です。
テクスチャ(色や模様)の改変だけでも、アバターの見た目を大きく変えることが可能です。
購入した服の見た目を変更するテクスチャ改変は、着せ替えと並んで人気の改変作業です。
PSDファイルを使った色変更の基礎
多くのBOOTH 衣装は、色や模様を自由に変更できるPSDファイル(PhotoshopやKritaなどで使用可能)を同梱しています。
- PSDファイルの確認:衣装のフォルダ内に「Texture.psd」や「Color_Edit.psd」などのファイルがあるかを確認します。
- テクスチャの編集:PSDファイルをPhotoshopやGIMP、Kritaなどの画像編集ソフトで開きます。レイヤー構造になっているため、色変更用のレイヤーを操作するだけで簡単に服の色を変えることができます。
- PNG/JPGでの書き出し:編集が完了したら、テクスチャファイルをPNGまたはJPG形式で書き出し(エクスポート)ます。
- Unityへの適用:書き出したファイルをUnityにインポートし、服のマテリアル設定欄で元のテクスチャと差し替えることで、服の色が変更されます。

VRChat衣装自作の流れ(Blender応用)
VRChat 衣装 自作に興味がある方向けに、簡単な流れを説明します。
自作した服は、VRChat 衣装 自作の喜びと、BOOTHでの販売の可能性を秘めています。
- モデリング:Blenderでアバターの素体に合わせて服の3Dモデルを作成します。
- UV展開とテクスチャ作成:服のモデルにテクスチャを貼り付けるためのUV展開を行い、画像編集ソフトでテクスチャを描きます。
- ウェイト設定:服がアバターの骨(ボーン)の動きに追従するようにウェイトを設定します。この作業が最も難しく、専門性が問われます。
- Unityへのインポート:FBX形式でUnityにインポートし、シェーダーやマテリアルを設定します。

VRChat アバターおすすめ衣装とトレンド
要点:2025年のVRChat衣装トレンドは、VRChat BOOTH 衣装を中心に、Modular Avatar 対応の非破壊改変可能な服が主流です。
今から服を探す方のために、最新のおすすめ衣装をトレンドとともに紹介します。
VRChat アバターおすすめ衣装の傾向
BOOTHで販売されている服は、日々 更新されていますが、特に 人気がある服には以下の共通点があります。
- Modular Avatar対応:導入手順が簡単で、複数の服を着せた時の統合作業が楽になります。
- PhysBone 設定済み:揺れもの設定が完了済みで、Unityでの設定作業が不要です。
- 多機能性:服のオンオフ切り替え、色変更、小物(アクセサリー)の追加ギミックなどが最初から組み込まれている衣装がおすすめです。

BOOTHで失敗しない衣装の選び方
VRChat 衣装 購入で失敗しないために、購入前に以下の点をチェックしましょう。
- 対応アバター:これが一番 重要です。自分のアバターの名前が説明欄に記載されているかを必ず確認します。
- PB対応:PhysBone(PB)対応 済みの服は揺れもの設定が楽です。
- ポリゴン数と軽量化:服のポリゴン数が多すぎると、アバター全体の軽量化に影響し、VRChatで重くなってしまう可能性があります。説明欄で確認し、軽量化のオプションがある場合は活用しましょう。
- 利用規約:改変や商用利用(動画配信など)の可否について、作者様の利用規約を必ず確認しましょう。

服改変のトラブルシューティング
要点:着せ替え作業中に発生しやすい問題は、マテリアル設定のエラーやアバターの表示問題です。
エラーの原因と対処方法を知ることで、PC初心者でも安心して作業を進められます。
着せ替え作業中に困った 時の質問と回答をまとめました。
これらの問題は、多くのアバター改変初心者の方が経験する共通の問題です。
服がピンク色になってしまいました。なぜ?
要点:シェーダーが正しく設定されていません。
- 原因:服のマテリアルに適用すべきシェーダー(例:liltoon)がUnity プロジェクトにインポートされていない、または正しく適用されていない場合、服の見た目がピンク色(エラー状態)になってしまいます。
- 解決方法:服に使用されているシェーダー(liltoonなど)の.unitypackageをBOOTHや公式サイトからダウンロードし、Unityにインポートします。その 後、服のマテリアル設定欄でシェーダーを再 設定します。

服を着せたらアバターが動かなくなりました。
要点:Modular AvatarのMerge設定が不完全か、FXレイヤーが競合しています。
- 原因:服のボーンやアニメーション設定がアバター本体と正しく統合されていない場合、アバターの基本動作(歩行、ジェスチャーなど)が機能しなくなることがあります。
- 解決方法:
- MA Merge ArmatureとMA Merge Animatorコンポーネントが、服のオブジェクトとアバター本体のルート直下に正しく配置されているかを再確認します。
- MAを使わず手動で統合しようとした場合は、アバターのFXレイヤー(Animator Controller)をバックアップから戻し、Modular Avatarを使って統合し直します。

VRChat アバター 着せ替え方法で貫通が直りません。
要点:手動での位置調整か、Blenderでのメッシュ削除が必要です。
- 原因:服と素体のメッシュが密着しすぎており、アバターが動いた時やポーズを取った時に素体が服を突き破って見えてしまう問題です。
- 解決方法:
- Unityでの調整:服のオブジェクトを選択し、InspectorのTransformにあるScaleの値をわずかに大きく(例:1.0を1.002にする)することで服を外側に広げ、貫通を解消します。
- Blenderでの削除:服に完全に隠れる素体の部分のメッシュをBlenderで物理的に削除することで、この問題を根本的に解決します。(前述の「Blender活用」を参照)

VRChatアバター改変の知識を深める
要点:VRChatでの活動をより深く楽しむために、服の着せ替えだけではありません。
アバター全体の軽量化や動作環境の知識を身につけることが推奨されます。
服の着せ替えが完了したら、アバター全体の品質を保つために必要な知識を学びましょう。
アバターアップロードと軽量化の必要性
VRChatは、アバターのポリゴン数やマテリアル数が多いと、他のユーザーの動作に影響を与え、ワールド全体が重くなってしまう可能性があります。
- 軽量化:服を追加する際は、不要なオブジェクト(元々着ていた服のメッシュなど)を削除し、マテリアル数を統合するなど、アバター全体のデータを可能な限り軽くする努力が必要です。
- パフォーマンスランク:VRChatには「Excellent」から「Very Poor」までのパフォーマンスランクがあり、服の追加によってランクが下がらないよう、特にPC初心者の方は注意が必要です。(内部リンクを想定:[VRChat アバター Quest 対応 最適化 軽量化 手順])

BOOTH以外の衣装販売先
VRChatの服はBOOTHが主流ですが、他にも以下のプラットフォームでも販売されています。
- Sketchfab:海外の3Dモデル販売サイト。VRChat用に調整が必要な場合が多いですが、ユニークなデザインの服が見つかる可能性があります。
- Booth以外の国内サイト:一部のクリエイターは、noteや自身のショップサイトで服を販売している場合があります。

補足情報・外部リンク
公式サイト・ドキュメント
服の着せ替えやアバター改変に役立つ公式サイトやドキュメントです。
- VRChat 公式 Creator Documentation(https://creators.vrchat.com/):アバター制作全般の基本情報源です。
- Unity 公式サイト(https://unity.com/ja):Unityの操作方法や機能について学べます。
- BOOTH(https://booth.pm/):VRChatの服(衣装)を購入する際の主要なマーケットプレイスです。
- Modular Avatar Github(https://github.com/bdunderscore/modular-avatar):Modular Avatarの詳細な使い方や最新情報が確認できます。
- liltoon Shaders(https://booth.pm/ja/items/3087170):VRChat改変で最も使われているシェーダーの一つ。