NAS(ネットワークストレージ)とは?仕組みからメリット・デメリット、選び方まで徹底解説

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NAS(ネットワークストレージ)の仕組みと役割を説明する図。 周辺機器・デバイス
これを見ればNASのすべてがわかる!
  • 「NASって何?」
  • 「データ保存にNASがいいって聞くけど、どうやって使うの?」

そんな疑問をお持ちではありませんか?

NASとは、「Network Attached Storage」の略称です。

ネットワークに接続して利用するデータ保存用のハードディスクです。

家庭やオフィスで、複数人でデータを共有したり、大切なファイルのバックアップを取ったりするのに非常に便利な機器です。

今回の記事では、

  • NASの基本的な仕組み
  • メリットとデメリット
  • 選び方

設定方法まで、初心者にもわかりやすく徹底的に解説します。

読み終える頃には、NASがあなたのデジタルライフにどれほど役立つか理解できるでしょう。

さあ、一緒にNASの世界を覗いてみましょう。

NASの基本を理解しよう

NASは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスからネットワークを経由してアクセスできるデータの記憶装置です。

NASはデータの共有サーバー

NASは、家庭やオフィスで「みんなでデータを共有する場所」として機能します。

NASをルーターに接続するだけで、同じネットワーク内のデバイスから自由にファイルを共有したり、保存したりすることが可能になります。

NASとネットワークの関係図。
あなたのデータをみんなで共有できます。

外付けHDDやクラウドとの違い

NASと似たようなデータ保存方法に外付けHDDやクラウドストレージがありますが、それぞれに大きな違いがあります。

項目NAS外付けHDDクラウドストレージ
接続方法ネットワーク(LAN)直接PCに接続(USB)インターネット
同時アクセス複数人が同時にアクセス可能1人ずつ直接接続必要複数人で同時アクセス可能
コスト初期費用が必要比較的安価無料プランから有料まで
転送速度LANの速度に依存USBの速度に依存インターネット回線に依存
  • 外付けHDD:PCに直接USBで接続するため、手軽に使えます。しかし、複数のPCから同時に使うことはできません。
  • クラウドストレージ:インターネットを経由するため、外出先からでもアクセスできますが、通信の速度やセキュリティに注意が必要です。

外付けHDDはNASになる?NAS化のメリット・デメリットと増設方法、おすすめ製品を解説

NASは、これらの中間に位置する、ローカルなネットワーク環境で利用するデータの共有と管理に特化したソリューションです。

スマホからNASにアクセスする様子。
スマホのデータも簡単にバックアップ!

NASのメリット・デメリット

NASを導入する際には、そのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

NASのメリット

  1. データの共有が簡単: LANを経由して、複数のデバイスから同じデータにアクセスできます。共有することが可能です。家族や職場でファイル共有を行う際に役立ちます。
  2. 自動バックアップ: NASに搭載されたソフトウェアを使うことで、PCやスマートフォンのデータを自動でバックアップすることができます。手間なくデータを守ることが可能です。
  3. 高い安全性: NASはRAIDという技術を使うことで、HDDが1台故障してもデータを保護できます。RAIDに関する詳細は、後ほど解説します。
  4. メディアサーバーとして活用: NASに保存した動画や音楽を、テレビやタブレットでストリーミング再生できます。大容量のメディアを扱う方におすすめです。
  5. リモートアクセス: 多くのNASは、インターネットを経由して外部からアクセスできる機能を搭載しています。外出先からでもNASのデータを利用できます。

NASのデメリット

  1. 初期コスト: NAS本体とHDDを別途購入する必要があり、外付けHDDと比較して初期の導入費用が高くなる場合があります。
  2. 設定の手間: ネットワークの知識がない場合、初期設定に少し手間がかかることがあります。しかし、最近のNASは簡単に設定できるものが多くなっています。
  3. 故障リスク: HDDは消耗品です。24時間稼働するため、故障の可能性も考慮する必要があります。

NAS選び方のポイント【初心者向け】

NASの購入を検討している方のために、失敗しないための選び方を紹介します。

用途と予算を決める

  • 家庭用: 写真や動画のバックアップ、家族での共有が目的であれば、HDDを1~2台搭載できるエントリーモデルで十分です。
  • 法人・ビジネス: 複数人で同時にアクセスしたり、大容量の資料を扱ったりする業務に使う場合は、高速なCPUとメモリを搭載した高機能モデルを選びましょう。

NASのタイプとHDDの数を選ぶ

  • HDDなしモデル(HDD非搭載モデル): 本体だけを購入し、別途好みのHDDを入れるタイプです。HDDの容量や種類を自由に選択できます。
  • HDD付属モデル(HDD搭載モデル): HDDが最初から搭載されているタイプです。購入後すぐに使えるため、初心者におすすめです。

NAS用HDDの選び方完全ガイド|容量やメーカーの違いを徹底比較!おすすめモデルも紹介

NASのHDDベイ数の違いを解説する図。
使う人やデータの量に合わせて選びましょう。

RAID機能を理解する

RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数のHDDを組み合わせて使う技術です。

RAIDを利用することで、HDDの故障に備えたり、データの読み書き速度を向上させたりすることが可能です。

  • RAID1(ミラーリング): 2台のHDDに同じデータを同時に保存する方法です。1台が故障しても、もう1台にデータが残っているため、安全にデータを保護できます。
  • RAID5: 3台以上のHDDを使って構成します。データの安全性と容量の効率のバランスが取れています。
RAID 1(ミラーリング)の仕組み図。
RAID1で大切なデータを二重に保護できます。

その他の重要機能

  • CPUとメモリ: NASの処理速度を左右します。動画の編集や複数人で使う場合は、高性能なCPUと大容量のメモリを搭載した機種を選びましょう。
  • ポートの種類: LANポートやUSBポートの数と種類も確認しましょう。外付けHDDを接続して容量を増設する場合などに役立ちます。

NASの導入から活用まで

NASの導入手順

NASの導入は、基本的に以下のステップで行います。

  1. HDDのインストール: HDDをNAS本体のベイに入れます。
  2. ネットワーク接続: LANケーブルを使って、NASをルーターに接続します。
  3. 初期設定: PCから専用のソフトウェアを使って、NASの初期設定を行います。管理者のアカウントやパスワードを作成します。
NASの初期設定手順のフローチャート。
この流れを理解すれば、設定は簡単です。

NASのバックアップ機能

NASの最も重要な機能の一つがバックアップです。

NASにPCやスマホのデータを自動でバックアップする設定を行うことで、万が一の故障や紛失に備えることができます。

PCやスマホからNASへの自動バックアップの仕組み。
毎日のバックアップの手間がなくなります。

NASのセキュリティ対策

NASはネットワークに接続されているため、ウイルスや不正アクセスといったセキュリティリスクが存在します。

大切なデータを守るためには、適切な対策を行うことが重要です。

ここでは、初心者の方でも簡単にできるNASのセキュリティ対策を分かりやすく解説します。

強力なパスワードを設定する

NASの管理者アカウントやユーザーアカウントには、推測されやすいパスワード(例: 123456, password, admin)の使用は避けましょう。

英数字や記号を組み合わせた、複雑で長いパスワードを設定することが基本です。

ファームウェアを常に最新に保つ

NASを動かすためのOS(ファームウェア)は、定期的にアップデートが提供されます。

これらのアップデートには、新たな脆弱性を修正するためのセキュリティパッチが含まれています。

最新の状態に保つことで、既知の攻撃からNASを守ることができます。

ファイアウォールを設定する

NASに搭載されているファイアウォール機能を使うことで、外部ネットワークからの不正なアクセスをブロックできます。

特定のIPアドレスからの通信を許可したり、不審な通信を遮断したりする設定を行いましょう。

NASをサイバー攻撃から守るファイアウォールのイメージ。
ファイアウォールでNASを鉄壁ガード!

2段階認証を設定する

ログイン時にパスワードだけでなく、スマートフォンに送られるコードなども併用する2段階認証を設定することで、セキュリティを大幅に強化できます。

万が一パスワードが流出しても、不正ログインを防ぐことが可能です。

データのバックアップを取る

どんなに強固なセキュリティ対策をしても、100%安全とは言い切れません。

  • NASの故障
  • ウイルス感染
  • ランサムウェア攻撃

などに備えて、NAS内のデータを別の場所(外付けHDDやクラウドサービスなど)にも定期的にバックアップしておくことが大切です。

これを「3-2-1ルール」と呼びます。

大切なデータを守るための鉄則とされています。

3-2-1ルールとは?

  • データを3つの場所に保存する(NAS、外付けHDD、クラウドなど)
  • 2種類の異なるメディアに保存する(HDD、SSD、クラウドなど)
  • 1つは遠隔地に保存する(クラウド、別の場所にあるNASなど)

よくある質問

Q1. NASはどこで買えますか?

A. Amazonや楽天などのオンラインショップ、または家電量販店で購入することが可能です。主要なメーカーにはSynology、QNAP、I-O Data、Buffaloなどがあります。

Synology NASの初期設定と使い方を徹底解説!HDDインストールからデータ管理まで

主要なNASメーカーのロゴのイメージ
信頼のメーカーから選びましょう。

Q2. NASとファイルサーバーは何が違うの?

A. ファイルサーバーは、PCをサーバーとして使う場合が多く、構築には専門的な知識が必要です。

NASは、ファイルの共有に特化した専用機器なので、初心者でも簡単に導入できます。

Q3. NASはPCの電源を入れていなくても使えますか?

A. はい、NASはそれ自体が独立した機器なので、PCの電源を入れていなくても常時稼働しています。

そのため、PCがオフのときでも、スマホやタブレットからアクセスしてデータを利用することが可能です。

まとめ

NASは、あなたのデータを一元管理し、家族や仲間と簡単に共有するためのソリューションです。

データの共有やバックアップに手間を感じている方は、NASの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

NASでデジタルデータを整理するイメージ。
これでデータ管理の悩みも解決!

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