あなたのパソコンが突然フリーズしたり、見慣れないエラーメッセージが表示されたりした経験はありますか?
そんな時、「何が起きているのか分からなくて困った」という経験がある方もいるでしょう。
実は、Windowsにはパソコン内で起きた全ての出来事を記録している「イベントログ」という非常に重要な機能が存在します。
私自身、以前パソコンがウイルスに感染した時、どこから感染したのか、何が起きているのか全く見当がつきませんでした。
しかし、イベントログの確認方法を知っていたため、不審なログイン履歴やアプリケーションの異常終了情報を特定し、スムーズに対処できた経験があります。
この経験から、イベントログがトラブル解決にどれほど役立つかを痛感しました。
イベントログは、
- システムの起動
- シャットダウン
- アプリケーションの動作
- セキュリティ関連のイベント
など、Windowsで発生する様々な情報が時系列で記録されている宝庫です。
まるでパソコンの「日記」のようなものだと思ってください。
初心者の方には少し難しく感じるかもしれませんが、イベントログの基本を知ることで、パソコンの不調や疑問を自分で解決できるスキルが身につきます。
今回の記事では、
- Windows イベントログとは何か
- どこで確認できるのか
- どんな情報が記録されているのか
- トラブルを解決するためにどう活用すればよいのか
を、パソコン初心者の方でも最後まで読みたくなるよう分かりやすく解説します。
さあ、Windows イベントログを味方につけて、パソコンのトラブルに強い自分になりましょう!
イベントログとは?基本を理解しよう
Windows イベントログとは、WindowsのOSが内部で発生した様々な出来事を自動的に記録していく機能です。
これには、システムの起動や終了、アプリケーションのインストールやエラー、セキュリティ関連のイベントなどが含まれます。
これらの情報は時系列で保存されています。
後から参照することが可能です。
イベントログの役割と重要性

イベントログは、パソコンの健康状態を把握し、トラブルの原因を特定する上で非常に重要な役割を担っています。
- トラブルシューティング: パソコンが突然フリーズしたり、アプリケーションが起動しなくなったりした場合、イベントログを確認することで、何時何が原因で問題が発生したのかを突き止める手がかりになります。
- セキュリティ監視: 不正なログイン試行やセキュリティ設定の変更など、セキュリティ関連のイベントも記録されるため、不正アクセスの兆候を早期に発見することが可能です。
- システムパフォーマンスの分析: システムの負荷状況やリソース使用状況に関する情報も記録されるため、パソコンのパフォーマンスが低下した際の改善策を見つける参考になります。
イベントログが記録する情報
イベントログに記録される情報は、主に以下の項目で構成されています。
- レベル: イベントの重要度を示します。(エラー、警告、情報、監査の成功、監査の失敗)
- 日付と時刻: イベントが発生した日時。
- ソース: イベントを記録したアプリケーションやシステムコンポーネントの名前。
- イベントID: イベントの種類を識別するための固有の番号。
- タスクのカテゴリ: イベントが属するカテゴリ。
- キーワード: イベントを分類するためのキーワード。
- ユーザー: イベントを発生させたユーザーアカウント。
- コンピューター: イベントが発生したコンピューターの名前。
- 説明: イベントの詳細な内容。トラブル解決のヒントが記載されていることもあります。
イベントログの確認と活用方法
イベントログを確認するには、「イベントビューアー」というWindowsの管理ツールを使用します。
イベントビューアーの起動方法

イベントビューアーを起動する方法はいくつかありますが、簡単な方法を紹介します。
方法1: 検索ボックスから起動
- Windowsの検索ボックス(スタートメニューの横にある虫眼鏡アイコン)をクリックします。
- 「イベントビューアー」と入力します。
- 検索結果に表示される「イベントビューアー」をクリックして起動します。
方法2: コントロールパネルから起動
- スタートボタンを右クリックし、「コントロールパネル」を選択します。
- 「システムとセキュリティ」→「管理ツール」と進みます。
- 「イベントビューアー」をダブルクリックして起動します。
イベントログの確認とフィルタリング
イベントビューアーが起動すると、左側のペインに様々なログの種類が表示されます。
- Windows ログ
- Application: アプリケーションに関するイベント(エラー、警告、情報など)が記録されます。
- Security: セキュリティ監査に関するイベント(ログイン成功/失敗、ファイルアクセスなど)が記録されます。
- Setup: Windowsのインストールや更新に関するイベントが記録されます。
- System: Windows システムに関するイベント(起動/終了、ドライバーエラーなど)が記録されます。
- Forwarded Events: 他のコンピューターから転送されたイベントが表示されます。(主にサーバー環境で使用)
確認したいログの種類をクリックすると、中央のペインにイベントの一覧が表示されます。
多くのイベントが表示されるため、目的の情報を見つけるために「フィルタ」を活用しましょう。
フィルタの適用方法
- 表示されているイベント一覧の右側にある「現在のログをフィルター」をクリックします。
- イベントレベル(エラー、警告など)、イベントID、ソース、キーワード、日付と時刻など、様々な条件でフィルタをかけることが可能です。
- 目的の条件を設定し、「OK」をクリックすると、条件に合致するイベントのみが表示されます。
イベントログの詳細確認

一覧から目的のイベントをダブルクリックすると、そのイベントの詳細な情報が表示されます。
特に「全般」タブには、イベントの説明や解決策へのリンクが記載されていることがあり、トラブル解決の大きなヒントになります。
イベントログの種類とエラーの対処法
イベントログには様々な種類があり、それぞれが異なる意味を持っています。
ここでは、主なログの種類と、それらが示すエラーや警告への対処法を解説します。
主要なイベントログの種類
- エラー (Error)
- システムやアプリケーションで深刻な問題が発生し、機能が失われた可能性があることを示します。早急な対処が必要な場合が多いです。
- 警告 (Warning)
- 直ちに問題ではないものの、将来的に問題を引き起こす可能性がある状況を示します。注意して監視し、可能であれば対処することが推奨されます。
- 情報 (Information)
- システムやアプリケーションが正常に動作していることを示します。参考情報として確認できます。
- 監査の成功 (Success Audit)
- セキュリティ監査の対象となるイベントが成功したことを示します。(例:ユーザーログイン成功)
- 監査の失敗 (Failure Audit)
- セキュリティ監査の対象となるイベントが失敗したことを示します。(例:ログイン失敗)
エラーや警告への対処法
イベントログにエラーや警告が記録された場合、以下の手順で対処を進めましょう。
- 詳細の確認
- イベントをダブルクリックして詳細情報を確認します。「説明」や「詳細」タブに記載されている情報が重要です。
- エラーコードやイベントIDが記載されている場合は、それを控えておきましょう。
- Web検索で情報収集
- イベントIDやエラーコード、エラーメッセージの一部をコピーして検索エンジンで検索します。Microsoftのサポートページや関連するフォーラムなどで、同じ現象の情報や解決策が見つかることが多いです。
- 使用しているアプリケーションの名前やバージョンも合わせて検索すると、より的確な情報が得られます。
- 公式サポートやコミュニティの利用
- Microsoftの公式サポートページや、Windowsやアプリケーションの開発元のサポート情報を参照します。
- マイクロソフト コミュニティなど、ユーザー同士が情報交換を行う場で質問してみるのも有効です。
- 具体的な対処
- 情報収集で得られた解決策を試します。(例:アプリケーションの再インストール、ドライバーの更新、設定変更など)
- セキュリティ関連のエラーであれば、ウイルス対策ソフトウェアでのスキャンや、パスワードの変更を検討します。
- システムのエラーであれば、Windows Updateを適用して最新状態にする、システムの復元を試みるなどの方法があります。
- サーバー環境の場合は、Active Directoryやネットワークサービスの状態も確認する必要があるため、IT管理者に相談しましょう。
イベントログに関するよくある質問
Q1: イベントログは削除しても大丈夫ですか?
A: 通常、イベントログを手動で削除する必要はありません。
イベントログは自動的に一定の容量に達すると古い情報から上書きされていく仕組みになっています。
しかし、ディスク容量が逼迫している場合や、特定の情報を確実に削除したい場合には削除も可能です。
ただし、セキュリティ監査の観点から不必要な削除は避けるべきです。
Q2: イベントログのサイズは変更できますか?
A: はい、変更可能です。
イベントビューアーの左側ペインで該当するログを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「ログの最大サイズ」という項目でサイズを変更できます。
デフォルトでは必要十分なサイズが設定されていますが、サーバーなど頻繁にイベントが発生する環境では、サイズを増やしてより長期間ログを保存することも検討できます。
Q3: 特定のイベントだけを自動で通知させることはできますか?

A: はい、可能です。イベントビューアーで通知させたいイベントを選択し、右側の「操作」ペインにある「タスクの作成」をクリックします。
タスクスケジューラと連携して、特定のイベントが発生した際にメールを送信したり、プログラムを実行したりするよう設定できます。
これはシステム監視やセキュリティインシデント対応に役立つ機能です。
まとめ:イベントログでパソコンをもっと理解しよう
Windows イベントログは、パソコンの内部で何が起きているかを知るための貴重な情報源です。
システムの安定性を確認したり、トラブルの原因を特定したり、セキュリティ脅威を監視したりする上で不可欠なツールです。
この記事では、
- イベントログの基本からイベントビューアーの使い方
- ログの種類と対処法
- よくある質問
までを分かりやすく解説しました。私自身のウイルス感染時の経験からも、イベントログがいかに問題解決に役立つかを実感しています。
パソコン初心者の方でも、この記事を参考にしてイベントログを確認する習慣をつけることで、自分のパソコンの状態をより深く理解し、いざという時のトラブルにも冷静に対処できるようになるでしょう。
ぜひ、今日からイベントログを活用してみてください。
サイト外リンク
- Microsoft サポート : https://support.microsoft.com/ja-jp