「大切なファイルが突然消えてしまった!」
「誤ってデータを削除してしまった……」
パソコンを使っていると、誰でも一度は経験するかもしれないデータ紛失の問題。
そんな時、焦らずにデータを復旧させる方法があることをご存知でしょうか?
私も以前、うっかり重要な書類ファイルを削除してしまい、途方に暮れた経験があります。
しかし、その時にWindows File Recoveryというツールの存在を知り、なんとかファイルを復元することができました。
Windows File Recoveryは、Microsoftが提供する無料のコマンドラインツールです。
一見すると難しそうに見えますが、その機能は非常に強力で、誤って削除したファイルや、フォーマットしてしまったドライブからのデータも復元できる可能性を秘めています。
Windows 10のバージョン 2004以降で利用可能になり、最新のWindows 11でも利用できます。
今回の記事では、
- Windows File Recoveryの基本知識
- インストール
- 使用方法
- 復元モードやスイッチの解説
- トラブル解決策
まで、パソコン初心者の方でも分かりやすく丁寧に解説していきます。
失われたデータを取り戻すための知識を身につけて、いざという時に備えましょう。
SNSでも情報共有されている最新のデータ復旧のヒントもお届けします。
さあ、あなたの大切なファイルを復元するための旅を始めましょう。
Windows File Recoveryとは?
Windows File Recoveryは、Microsoftが開発し、提供している無料のデータ復旧ツールです。
誤って削除してしまったファイルや、フォーマットしてしまったドライブ、破損したストレージからデータを復元する機能を持っています。
WinFRの概要と特徴

このツールは「WinFR」というコマンドラインのプログラムとして動作します。
つまり、通常のアプリのようにGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)で操作するのではなく、コマンドプロンプトに文字を入力して実行するタイプのツールです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、正しいコマンドを入力すれば、強力な復元機能を利用できます。
WinFRは、NTFS、FAT、exFAT、ReFSといった様々なファイルシステムに対応し、HDD、SSD、USBメモリ、SDカードなど、異なる種類のドライブやストレージデバイスからデータを復元する可能性を秘めています。
無料で利用できる点が大きな魅力ですが、市販のデータ復旧ソフトに比べると、操作に専門知識が必要となる場合があります。
Windows File Recoveryの準備と使い方
実際にWindows File Recoveryを使用する前に、いくつかの準備と基本的な使い方を理解しておく必要があります。
インストールと管理者権限での起動

Windows File Recoveryは、Microsoft Storeから無料でダウンロードし、インストールできます。
Windows 10 バージョン 2004以降、またはWindows 11が必要です。
インストール手順
- Microsoft Storeを検索し、起動します。
- 検索ボックスに「Windows File Recovery」と入力し、検索します。
- アプリを見つけたら、「入手」または「インストール」ボタンをクリックします。
- インストールが完了したら、スタートメニューから「Windows File Recovery」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。重要な操作のため、必ず管理者権限で実行してください。
基本コマンドの構造

WinFRの基本コマンドは以下の形式です。
winfr <ソースドライブ> <宛先ドライブ> [/モード] [/スイッチ]
<ソースドライブ>
: 復元したいファイルが存在していたドライブの文字(例: C:、D:)。<宛先ドライブ>
: 復元したファイルを保存するドライブの文字(例: E:、F:)。注意: ソースドライブとは異なるドライブを指定してください。同じドライブに復元しようとすると、データが上書きされてしまい、復元が不可能になる可能性が高まります。USBメモリや外付けHDD、SSDなどを利用すると安全です。[/モード]
: 復元モードを指定します。これについては後述します。[/スイッチ]
: 検索条件や復元オプションを指定します。これについても後述します。
復元する前の重要事項
データ復旧の成功率を高めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
- 復元したいファイルを削除してしまった後、できるだけ早く復元作業を開始する。時間が経過するほど、データが上書きされる可能性が高まり、復元が難しくなります。
- ファイルが削除されたドライブ(ソースドライブ)に、新しいデータを保存したり、プログラムをインストールしたりしない。これもデータの上書きを防ぐためです。
- 復元先のドライブを用意する。ソースドライブとは別の物理的なドライブ(外付けHDD、SSD、USBメモリなど)を準備し、そこに復元したファイルを保存します。
h2: ファイルを復元する主なモードとスイッチ
Windows File Recoveryには、異なる状況に対応するためのモードと、検索条件を細かく指定するスイッチが存在します。
復元モードの選択
ファイルシステムやデータの状況によって、適切な復元モードを選択する必要があります。
/regular
モード (通常のモード)

- ファイルシステム: NTFS
- 状況: 最近削除されたファイルや、破損していないファイルの復元に適しています。削除されたファイルの痕跡がまだ残っている場合に有効です。
- 例:
winfr C: D: /regular /n *.docx
(CドライブからDドライブにdocxファイルを復元)
/extensive
モード (拡張モード)

- ファイルシステム: NTFS、FAT、exFAT、ReFSなど全てのファイルシステムに対応。
- 状況: 以前に削除されたファイル、フォーマットされたドライブ、破損したドライブからの復元に適しています。ファイルヘッダーをスキャンしてデータを検索するため、時間がかかりますが、より広範囲な復元が可能です。
- 例:
winfr C: D: /extensive /n *.jpg
(CドライブからDドライブにjpgファイルを復元)
スイッチを使ったファイル検索と絞り込み

モードの後に追加するスイッチを使用することで、復元したいファイルを細かく指定し、検索効率を高めることができます。
/n <ファイル名>
特定のファイル名またはパスで検索します。
- 例:
/n Users\YourName\Documents\report.docx
(特定のファイルを検索) - 例:
/n *.pdf
(全てのPDFファイルを検索) - 例:
/n \folder\*
(特定のフォルダ内の全てのファイルを検索) - 例:
/n \Users\YourName\Pictures\*.jpg
(特定のフォルダ内のjpgファイルを検索)
/segment
モード
- ファイルシステム: NTFS
- 状況: NTFSドライブでの部分的なファイルの復元に使用します。セグメント情報に基づいてファイルを検索します。
- 例:
winfr C: D: /segment /n *.mp4
/signature
モード
- ファイルシステム: 全てのファイルシステムに対応。
- 状況: ファイルタイプの署名(シグネチャ)を使用してファイルを検索します。ドライブが大幅に破損している場合や、ファイルシステムが認識できない場合に有効です。
- 例:
winfr C: D: /signature /n *.zip
- サポートされているファイル形式の一覧を表示するには、
/signature
モードで/n
を付けずに実行します。
うまくいかない時の解決策と注意点
Windows File Recoveryは強力なツールですが、常に成功するとは限りません。
復元がうまくいかない時の解決策と、利用する上での注意点を知っておきましょう。
データの上書きが原因

最も復元が難しくなる原因は、データの上書きです。
ファイルが削除されても、物理的にすぐに消えるわけではありません。
しかし、その領域が新しいデータで上書きされると、復元はほぼ不可能になります。
解決策
ファイルを削除した直後に復元作業を開始することが重要です。
削除後はできるだけPCの操作を避け、新しいデータの書き込みを行わないようにしましょう。
その他の解決策と考慮事項

コマンドの確認
入力したコマンドに誤りがないか、スペースや記号、ドライブ文字の指定が正しいかを再度確認してください。
管理者権限での実行
Windows File Recoveryは、必ず管理者権限で起動して実行する必要があります。
ディスクのエラーチェック
復元するドライブに物理的な破損やエラーがある場合は、復元ができないことがあります。
chkdskなどのコマンドでディスクのエラーをチェックしてみるのも一考です。
異なるモードでの試行
最初に試したモードで復元できなかった場合は、別のモード(例: /extensive
モード)を試してみましょう。
GUIツールの検討
コマンドライン操作が苦手な場合や、WinFRで復元がうまくいかない場合は、
RecuvaやEaseUS Data Recovery Wizardなどの有料または無料のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)ベースのデータ復旧ソフトの利用を検討してみるのも良いでしょう。
これらのソフトは操作が簡単で、視覚的に分かりやすいのが特徴です。
専門業者への依頼

どうしても自分で復元できない場合や、非常に重要なデータである場合は、データ復旧専門の会社に依頼することも可能です。
費用はかかりますが、高い技術と設備でデータを復旧してくれる可能性が高まります。
Windows File Recoveryに関する情報
Windows File Recoveryは比較的新しいツールであり、Microsoftからのアップデートや、ユーザーコミュニティでの情報が日々更新されています。
最新の情報をキャッチすることで、復元成功率を高めることができます。
公式サイトとサポート情報

Microsoftの公式ドキュメントページは、Windows File Recoveryに関する最も信頼できる情報源です。
- コマンドの詳細な解説
- 各モードやスイッチの利用方法
- よくある問題の解決策
などが掲載されています。
最新のバージョンでの機能追加や変更点もこちらで確認できます。
SNSとオンラインコミュニティ

- TwitterやReddit
- 技術系ブログ
- YouTubeの解説動画
など、SNSやオンラインコミュニティでもWindows File Recoveryに関する活発な議論や情報共有が行われています。
実際にツールを使ってみたユーザーの体験談や、特定の状況でのコマンド例、トラブルシューティングのヒントなどが見つかることがあります。
特に、コマンドラインの操作に慣れない方にとっては、視覚的に分かりやすい動画解説が非常に役立ちます。
最近では、最新のアップデートに対応した情報も多く提供されています。
まとめ:失われたファイルを取り戻すために
Windows File Recoveryは、Microsoftが提供する強力な無料のデータ復旧ツールです。
誤って削除してしまったファイルや、フォーマットしてしまったドライブからデータを復元できる可能性を持っています。
私自身も実際に利用してみて、その有用性を実感しました。
この記事では、
- Windows File Recoveryの基本知識
- インストール
- 管理者としての起動
- コマンドの構造
- 重要な復元モード
- スイッチの使い方
を解説しました。
- データの上書きを避けること
- 適切なモードとスイッチを選択すること
- 異なるドライブに復元すること
が、成功の鍵となります。
万が一、自分で復元が難しい場合でも、GUIツールの利用や専門業者への依頼という選択肢があることを忘れないでください。
情報の鮮度も重要ですので、公式サイトやSNSなどで最新情報を常にチェックすることもおすすめします。
ファイルの紛失は誰にでも起こりうる問題です。
しかし、Windows File Recoveryという知識とツールがあれば、大切なデータを取り戻せる可能性が高まります。
この記事が、あなたのデータ復旧の手助けになれば幸いです。
公式情報
- Microsoft Support – Windows File Recovery の使用: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E5%9B%9E%E5%BE%A9-61f5b28a-f5b8-3cc2-0f8e-a63cb4e1d4c4