あなたがPCを使用している中で、
- 「グラフィックボードのドライバを最新にした途端、ゲームの動作が不安定になった」
- 「周辺機器が正しく動いていたのに、Windows Updateが勝手に更新して不具合が発生した」
といった経験はありませんか?
Windows Updateは、システムのセキュリティを保護するために重要です。
しかし、時としてデバイスドライバーを自動的に更新し、特定のハードウェアとの相性の問題を引き起こす可能性があります。
- 特定のバージョンのドライバでしか正常に動作しない環境
- IT管理者としてドライバのバージョンを固定したい場合
この自動更新を停止または無効化することが必要になります。
今回の記事では、Windows 11とWindows 10の両方を対象に、初心者の方でも安心して実行できる、ドライバの自動更新を確実に停止する方法を解説します。
意図しないインストールを阻止し、あなたのPCを最適な状態に保つための手順を、ステップバイステップで見ていきましょう。
自動更新停止の必要性と3つの確実な方法
要点:ドライバ自動更新の停止は、不具合の回避やバージョン固定が目的です。
設定方法はグループポリシー、レジストリ、システムプロパティの3つが確実です。
なぜドライバーの自動更新を停止するのか?
Windows Updateは、自動的にドライバを更新することで、セキュリティの向上や機能改善を図るという目的を持っています。
しかし、メーカーが提供する最新のドライバと、Windows Updateが提供する汎用ドライバとの間に互換性の問題が発生することがまれにあります。
特に
ゲーミングPCのグラフィックボード
業務用プリンターなどの周辺機器
これらは、製造元の公式サイトからダウンロードしたドライバで動作が最適化されているケースが多いです。
勝手にバージョンが変更されると、パフォーマンスの低下や、最悪の場合はシステム不安定につながる可能性があります。
そのため、特定のドライバのバージョンで安定している場合、自動更新をブロックすることが解決方法となります。
Windows Update ドライバ インストール阻止の3大設定
ドライバの自動更新を停止する方法はいくつか存在しますが、確実性が高く、一時的ではなく永続的に停止できる方法として、以下の3つを紹介します。
- システムプロパティ(最も簡単で初心者向け)
- グループポリシーエディター(Windows Pro/Enterprise版対象)
- レジストリエディター(Home版でも可能な上級設定)
PC初心者の方は、まず手順が簡単なシステムプロパティから試すことをお勧めします。
システムプロパティを使った簡単設定
要点:システムプロパティから、デバイスのドライバソフトウェアの自動ダウンロードを無効に設定するのが、最も簡単な方法です。
デバイスのインストール設定の変更手順
この方法は、Windowsが新しいデバイスを接続した時や更新時に、ドライバソフトウェアを自動的にダウンロードするかどうかを制御します。
- スタートボタンを右クリック。メニューから「システム」を選択します。
- システム画面の左側または下にある「詳細設定」または「システムの詳細設定」をクリックして開きます。
- システムプロパティウィンドウが表示されたら、「ハードウェア」タブを選択し、「デバイスのインストール設定」ボタンを押します。

Windows Update ドライバ インストール阻止設定の実行
「デバイスのインストール設定」画面で、ドライバの自動ダウンロードを停止します。
- 「デバイスの製造元から提供されているアプリとカスタムアイコンを自動的にダウンロードしますか?」という質問に対し、「いいえ(デバイスが正常に機能しない可能性があります)」を選択します。
- 「変更の保存」ボタンをクリックして完了です。
この設定を行うことで、Windows Update経由でのドライバのインストールは阻止されます。ただし、Windows 10やWindows 11のバージョンによっては、この設定でも一部の重要なドライバが更新される可能性があるため、より確実な方法が必要な場合は、次のグループポリシーやレジストリの方法を参照ください。

グループポリシーエディターでの永続的停止
要点:グループポリシーは、Windows Pro/Enterprise版で強力な制御を可能にします。
特定の設定項目を有効にすることで自動更新を停止します。
グループポリシー ドライバ自動更新停止の実行
グループポリシーエディター(gpedit.msc)は、システム管理者が利用する高度な設定ツールで、ドライバの自動更新を確実に停止できます。
この機能は、Windows 11 ProまたはEnterprise版でのみ標準で利用可能です。
- Windowsキー + Rキーを押す。「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
- 名前の欄に「gpedit.msc」と入力。「OK」をクリックしてグループポリシーエディターを起動します。

ポリシー設定の変更手順とWindows Update ドライバインストール阻止
グループポリシーエディター内で設定を変更します。
- 左側のメニューから、以下の順序で移動します。
- 「コンピューターの構成」
- 「管理用テンプレート」
- 「Windowsコンポーネント」
- 「Windows Update」
- 「Windows Update から提供されるドライバーを含めない」をダブルクリックして開きます。
- 表示された設定ウィンドウで、「有効」を選択します。
- 「適用」ボタン、次に「OK」ボタンをクリックして設定を保存します。

この設定は最も確実性が高く、ドライバのインストールを阻止できます。
設定後はPCを再起動することで適用されます。
注釈:グループポリシー Windowsのシステム全体の動作やセキュリティ設定を一元的に管理するための機能です。特に法人向けの環境で利用され、高度な制御を行います。
レジストリを使った自動更新の停止
要点:Windows Home版を使用している場合は、レジストリエディターの値を変更することで、グループポリシーと同様の効果を得られます。
レジストリ ドライバ自動更新停止の実行
Windows Home版にはグループポリシーエディターが搭載されていませんが、システムの構成情報を保存している「レジストリ」を編集することで、自動更新の停止が可能です。
レジストリの編集は細心の注意が必要です。
- Windowsキー + Rキーを押す。「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
- 名前の欄に「regedit」と入力。「OK」をクリックして「レジストリエディター」を起動します。ユーザーアカウント制御の確認画面が表示されたら、「はい」を選択します。

DWORD値の新規作成とWindows Update ドライバインストール阻止
レジストリエディターで、特定のキーに値を追加し、自動更新を無効にします。
- アドレスバーに以下のパスを入力。移動します。(hkey_local_machine から下を順序良く開く)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\WindowsUpdate - もしWindowsUpdateというキーが存在しない場合は、Windowsキーを右クリックし、「新規作成」→「キー」を選択。「WindowsUpdate」という名で作成します。
- WindowsUpdateキーを選択した状態で、右側の空白領域を右クリック。「新規作成」→「DWORD(32ビット)値」を選択します。
- 作成した値の名前を「ExcludeWUDriversInQualityUpdate」に変更します。
- ExcludeWUDriversInQualityUpdateをダブルクリックして開く。値のデータ欄に「1」を入力します。「OK」をクリックして保存します。

値を「1」に設定することで、Windows Updateによるドライバのインストールが阻止されます。
この設定も変更後は再起動して適用します。
自動更新後に発生した不具合の解決法
要点:自動更新後に不具合が発生した時は、ドライバのロールバックまたは更新プログラムのアンインストールで解決を図ります。
Windows Update ドライバ ロールバックで解決
勝手な自動更新によってPCの動作が不安定になった場合、デバイスマネージャーからドライバを以前の安定していたバージョンに戻す「ロールバック」機能が最も簡単で有効な解決方法です。
- スタートボタンを右クリック。「デバイスマネージャー」を選択して開きます。
- 不具合の原因と考えられるデバイスをダブルクリックしてプロパティを表示します。(例:グラフィックボード)
- 「ドライバ」タブを選択。「ドライバのロールバック」ボタンをクリックします。
- 理由を選択。「はい」をクリックして手順を実行します。

Windows Update ドライバ 更新プログラムのアンインストール
- ロールバックボタンが利用可能でない場合
- 更新されたドライバが更新プログラムとしてインストールされている場合
こんな時は、手動で更新プログラムそのものをアンインストールします。
- スタートボタンをクリック。「設定」(歯車アイコン)を選択します。
- 「Windows Update」画面に移動。「更新の履歴」または「更新プログラムのアンインストール」を選択します。
- 一覧から不具合の原因と考えられるドライバや更新プログラムを選択。「アンインストール」を実行します。
Windows Update ドライバ 非表示ツールで阻止
Microsoftが過去に提供していた公式ツール「Show or hide updates」(wushowhide.diagcab)は、特定のドライバの更新を一時的に非表示にします。
自動インストールを阻止する機能を持っていました。
2025年現在、このツールは公式ダウンロードページからは削除されていますが、代替の機能として、Windowsのフィードバックハブなどで問題を報告することで、特定のドライバの配信が一時的に停止される可能性があります。
しかし、長期的な解決を望むなら、グループポリシーまたはレジストリの方法が最も確実です。
よくある質問とトラブルシューティング
要点:自動更新を停止した時のデメリットや、停止設定が反映されない時の対処法について解説します。
Q1: 自動更新を停止するデメリットはありますか?(H3: 20文字)
回答:自動更新を停止することで、不具合回避というメリットがある一方で、セキュリティ上のリスクが高まる可能性があります。
- セキュリティの遅延:ドライバの更新には、脆弱性を修正する重要なセキュリティパッチが含まれている場合があります。自動更新を停止すると、これらの保護機能の適用が遅れます。
- 互換性の問題:今後リリースされる新しいWindowsの機能やアプリが、古いドライバでは正常に動作しない可能性があります。
そのため、自動更新を停止した場合でも、メーカー公式サイトなどを通じて、手動で最新ドライバを確認し、問題がない時にインストールを行うことを強く推奨します。

Q2: 停止設定が反映されない場合はどうすればよいですか?
回答:グループポリシーやレジストリの設定を変更後、PCを再起動しても設定が反映されない場合は、以下の手順を試すことで解決できる可能性があります。
- グループポリシーの強制更新:コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下のコマンドを入力してEnterキーを押します。
gpupdate /force - Windows Updateサービスの再起動:スタートボタンを右クリックし、「コンピューターの管理」→「サービスとアプリケーション」→「サービス」と移動し、「Windows Update」サービスを右クリックして「再起動」を選択します。
これらの操作で、設定がシステムに強制的に適用され、問題が解決する可能性が高まります。
停止した自動更新を解除したい場合はどうしますか?
回答:ドライバの自動更新の停止設定を元に戻す(解除する)方法は、適用した方法によって異なります。
- システムプロパティの場合:「デバイスのインストール設定」で「はい(推奨)」を選択し保存します。
- グループポリシーの場合:「Windows Update から提供されるドライバーを含めない」の設定を「未構成」に変更し保存します。
- レジストリエディターの場合:作成したDWORD 値「ExcludeWUDriversInQualityUpdate」を削除するか、値のデータを「0」に変更します。
変更後は必ず、PCを再起動して設定を反映させてください。
まとめとPCの安定運用への次のステップ
要点:自動更新の停止は高度な設定ですが、正しい手順で行い、手動での更新管理と両立させることが安定運用の鍵です。
安定運用に向けた次の行動と2025年最新情報
本記事で解説した通り、デバイスドライバーの自動更新は、PCのパフォーマンス向上や不具合解消のための、非常に重要な操作です。
更新を行うことで、あなたのパソコンは常に最新の技術とセキュリティ保護の恩恵を受けることが可能になります。
自動更新の停止は高度な設定ですが、正しい手順で行い、手動での更新管理と両立させることが安定運用の鍵です。
2025年現在も、Microsoftはドライバ配信システムの改善を進めています。
しかし、グラフィックボードやゲーミングPC周辺機器など、特定のハードウェアの動作安定のためには、ユーザー自身がドライバのバージョン管理を制御する必要がある状況は変わっていません。
あなたのPCを常に最適に保つために、自動更新を停止した場合は、メーカー公式サイトのサポート情報を確認しておきましょう。
手動での更新を定期的に実施するようにしましょう。