Windows 11のバックアップ
「パソコンが突然起動しなくなった」「大事なデータが消えてしまった」
そんな万が一の事態は、いつ誰にでも起こり得ます。
日々の生活や仕事でパソコンを当たり前に使う私たちにとって、大切なデータを守るための「バックアップ」は、決して他人事ではありません。
特に、最新OSであるWindows 11に乗り換えたばかりの人は、「バックアップってどうやるの?」と疑問に感じているかもしれません。
この記事では、パソコン初心者の方でも安心して取り組めるWindows 11のバックアップ方法を、基礎から徹底的に解説します。
単に手順を説明するだけではありません。
バックアップの重要性
具体的なやり方
そしてバックアップしたデータを元に戻す「復元」の手順まで、あなたの「知りたい」にすべてお答えします。
この記事を最後まで読んで、大切なデータを守るための完璧な備えを整えましょう。
Windows 11 バックアップの基本
Windows 11には、
- PC全体を丸ごとバックアップする方法
- 個別のファイルだけをバックアップする方法
2つがあります。
それぞれの違いを理解することが、適切なバックアップ方法を選ぶ第一歩です。
PC全体を保存する「システムイメージバックアップ」
システムイメージバックアップは、
- OSやアプリ
- 設定
- 個人データ
など、パソコン全体を丸ごとコピーして保存するバックアップ方法です。
PCが起動しなくなった際も、システムイメージを使って元の状態に復元できます。
そのため、OSの再インストールをせずともパソコンを回復できるのが最大のメリットです。
個別ファイルを保存する「ファイル履歴」
ファイル履歴は、
- ドキュメントやピクチャ
- デスクトップ
などの個人データを自動で保存する機能です。
ファイルやフォルダを誤って削除したり、上書き保存したりした際も、前のバージョンに戻すことができます。

Windows 11の標準機能を使ったバックアップ手順
ここでは、Windows 11に標準搭載されている「バックアップと復元(Windows 7)」機能を使ったシステムイメージバックアップと、ファイル履歴の具体的な手順を解説します。
システムイメージ作成方法
コントロールパネルを開く
- スタートボタンを右クリック。「検索」をクリックします。
- 検索ボックスに「コントロールパネル」と入力。検索結果から選択します。
- コントロールパネルが表示されたら、右上にある「表示方法」を「カテゴリ」から「大きいアイコン」に変更します。
- 「バックアップと復元(Windows 7)」をクリックします。

バックアップ実行の手順
- 左側のメニューから「システムイメージの作成」をクリックします。
- バックアップの保存場所を選択します。
- ハードディスク上: 外付けHDDなどを接続している場合に表示されます。
- 1つ以上のDVD上: DVDにバックアップを作成する場合に選択します。
- ネットワークの場所: NASなどのネットワークストレージに保存する場合に選択します。
- 保存先を選択したら、「次へ」をクリックします。
- バックアップするドライブを選択し、「次へ」をクリックします。通常は「(C:)」ドライブにチェックが入っています。
- バックアップ内容を確認し、「バックアップの開始」をクリックすると、バックアップが開始されます。
- バックアップが完了するまで待ちます。完了すると「システム修復ディスクを作成しますか?」と表示されますので、指示に従って作成しましょう。
ファイル履歴のやり方
設定画面から有効にする
- 「スタートボタン」をクリックし、「設定」アイコンをクリックします。
- 左側のメニューから「システム」を選択し、右側の画面を下にスクロールして「ストレージ」をクリックします。
- 「ストレージの詳細設定」にある「バックアップオプション」をクリックします。
- 「ファイル履歴」の「今すぐバックアップ」ボタンをクリックすると、バックアップが開始されます。
- 保存先がまだ指定されていない場合は、外部ストレージを接続すると自動で選択されます。
ファイルの復元方法
- 「バックアップオプション」の画面で、「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックします。
- 復元したいファイルが保存されているフォルダを開き、目的のファイルを選択します。
- 画面下の緑色のボタンをクリックすると、元の場所にファイルが復元されます。
Windows 11 バックアップに最適な機器の選び方
バックアップには、外部ストレージが必要です。
ここでは、おすすめの機器と選び方を解説します。
外付けHDD・SSDのおすすめ
外付けHDD:HDD(Hard Disk Drive)は、大容量のデータを安価に保存できるのが特徴です。
動画や写真など、大容量のファイルをまとめてバックアップしたい場合に最適です。
- おすすめ機種: Seagate Expansion Desktop Drive
- おすすめ機種: Western Digital Elements Desktop
Windowsバックアップ外付けHDD完全ガイド|初心者向け設定から復元まで
外付けSSD
SSD(Solid State Drive)は、HDDよりもデータの読み書きが高速です。
衝撃に強いのが特徴です。
バックアップにかかる時間を短縮したい場合や、PCを持ち運ぶことが多い人におすすめです。
- おすすめ機種: Samsung T7 Portable SSD
- おすすめ機種: BUFFALO ポータブルSSD
クラウドストレージのおすすめ
クラウドストレージは、インターネット上のサーバーにデータを保存するサービスです。
物理的な機器が不要で、どこからでもアクセスできるのがメリットです。
- OneDrive: Windows 11に標準搭載されており、Microsoftアカウントがあればすぐに利用できます。自動同期機能が便利です。
- Google Drive: 無料で使える容量が大きく、Googleの他サービスとの連携がスムーズです。
- Dropbox: 複数のデバイス間でファイルを共有・同期するのに特化しています。

Windows 11のバックアップから復元する手順
バックアップをしても、いざというときに復元できなければ意味がありません。
ここでは、システムイメージとファイル履歴の復元方法を解説します。
システムイメージからの復元
回復ドライブまたはインストールメディアの用意
PCが起動しない場合、事前に作成しておいた回復ドライブまたはWindows 11のインストールメディアが必要です。
- 回復ドライブの作成: Windows 11の検索窓で「回復ドライブ」と検索し、指示に従ってUSBメモリなどに作成します。
復元手順
- PCに回復ドライブまたはインストールメディアを接続し、電源を入れます。
- 画面の指示に従い、トラブルシューティングから「詳細オプション」を選択します。
- 「システムイメージ回復」をクリックし、復元したいシステムイメージを選択します。
- 画面の指示に従って操作を進めると、バックアップ時点の状態にPCが復元されます。
Windowsバックアップで対応できないことと対処法
Windows 11の標準バックアップ機能は便利ですが、すべてを完璧にカバーできるわけではありません。
ここでは、標準機能で対応できない項目と、それを補うための対処法を解説します。
標準バックアップの弱点
アプリの再インストール システムイメージバックアップはPCの状態を丸ごと保存します。
しかし、
- アプリのライセンス情報
- 設定の一部
この2つは復元後に再設定が必要な場合があります。
特に、特定のゲームやソフトウェアは、再インストールが必要になる可能性があります。
他のPCへのデータ移行
システムイメージは、作成したPCと同じモデルのPCにしか復元できません。
もしPCが故障して別の機種に買い替えた場合。
システムイメージを使って元の環境を復元することはできません。
クラウドストレージの容量制限
OneDriveなどのクラウドサービスは容量に限りがあります。
そのため、容量が大きい動画やゲームデータなどをすべて同期することは難しい場合があります。
弱点を補うための対処法
外部ツールとクラウドの併用
Windowsの標準機能に加え、外部のバックアップソフトウェアを併用することで、より柔軟なバックアップが可能です。
- Macrium ReflectやEaseUS Todo Backupなどのソフトは、異なるPCへの復元(ユニバーサル復元)に対応しているものがあります。PC買い替え時にも役立ちます。
データ移行は手動で
PCの買い替えを検討している場合は、システムイメージに頼るのではなく、個人データを手動で外部ストレージにコピーするのが最も確実です。
- ドキュメント
- 写真
- 動画
など、大切なデータはこまめに別の場所に保存しておきましょう。

Windowsバックアップとは?初心者向けに種類・方法・復元まで徹底解説
よくある質問
定期的なバックアップの頻度は?
ファイルの更新頻度に応じて、週に1回または月に1回の頻度が推奨されます。
毎日大量にファイルを扱う場合は、毎日バックアップすることを検討しましょう。
外部ストレージの容量はどのくらい必要?
PCのCドライブの容量と同じか、それ以上の容量がある外部ストレージを選びましょう。
バックアップ中にPCをシャットダウンしても大丈夫?
バックアップ中はPCをシャットダウンしたり、スリープ状態にしたりしないでください。
データの破損につながる可能性があります。
ファイル履歴でバックアップされないファイルは?
ファイル履歴は、
- システムファイル
- プログラムファイル
- そして一部の隠しファイル
はバックアップしません。
10のバックアップは11で使えますか?
10で作成したバックアップは、11では直接使えない可能性があります。
新しいOSにアップグレードしたら、新しいバックアップを作成しましょう。

バックアップは未来への投資
バックアップは、大切なデータを守り、PCを安心して使うための必須の作業です。
この記事で紹介した「システムイメージバックアップ」と「ファイル履歴」を組み合わせることで、OS全体から個別ファイルまで、二重の備えが可能です。
パソコンは日々進化しますが、データの損失リスクは変わりません。
ぜひこの記事を参考に、あなたのPC環境に合ったバックアップ方法を実践してみてください。
万が一のトラブルに備えることで、安心と安全を手に入れることができるでしょう。
サイト外リンク
- Microsoft Windows 公式サイト: https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/
- Microsoft サポート: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows
- BUFFALO 公式サイト: https://www.buffalo.jp/
- Western Digital 公式サイト: https://www.westerndigital.com/ja-jp
- Seagate 公式サイト: https://www.seagate.com/jp/ja/
- Samsung 公式サイト: https://www.samsung.com/jp/
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